タイムの育て方
目次
タイムの特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ鉢植えの管理場所地植えにする場所剪定・刈り込み収穫病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- タイム
- 科名
- シソ科
- 属名
- イブキジャコウソウ属
- 学名
- thyme
- 別名
- コモンタイム
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 上級者向け
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タイムの特徴は?
タイムは
シソ科の
低木の
ハーブ。庭に植えていると風に吹かれて香りがします。特にレモンタイムなどの柑橘系のタイムだと非常に爽やかな香りがします。タイムは調理にも使え、ハーブティも楽しめます。タイムは全世界に400種ほどあるもので、様々あります。単にタイムというと「コモンタイム」をさします。
立性と這性があって、立ち性は上へと立つのですが、ある程度育つと倒れて、枝が倒れた先の土に触れたところから根が出て広がっていきます。這性は最初から横へと伸びて広がっていきます。
冬の寒さには強く、霜に当たると葉っぱが変色するものの、氷点下以下にならなければ根までは枯死するわけではなく、春になると新芽が吹きます。寒さに強い反面、夏の暑さと蒸れに弱いので、風通しを良くする為に梅雨前に刈り込みを行ってください。
由来・伝承
古代ギリシャではタイムの香りには勇気を鼓舞する効果があると信じられ、中世ヨーロッパでは悪夢を祓い、安眠を呼ぶ効果があるとして枕の下に敷いて寝る慣習がありました。
中世の女性は勇気の鼓舞と魔よけに、騎士や戦士にタイムの葉を添えたプレゼントをした。
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水やり
鉢植えの水やり
乾燥気味の状態を好みます。基本は土が乾いてから、鉢底から水が出るくらいにしっかりと水をやります。土が濡れている間は水をやらないようにしてください。
冬は寒さで生育が鈍くなります。なので水の吸い上げる力が弱くなり、なおの事、
水やりの頻度を減らさないと、
根腐れしてしまいます。土が乾いて数日たってから水をやります。
庭植え・地植えの水やり
自然に降る雨だけでいいです。あんまりに乾燥する時期は水をやります。乾燥に強いが、一旦水切れすると、その後に水をやっても弱りやすい。調子を崩すとなかなか戻りにくいです。
肥料
真夏以外の春から秋に掛けて、二週に一回程度液体
肥料をやるか、緩効性の固形肥料を1ヶ月に一回、根元にあげます。
肥料は基本的に控えめにしましょう。肥料をやると適量であれば生育・葉っぱの色艶、香りが良くなりますが、肥料が多いと逆に生育が鈍くなり、香りが鈍くなります。また肥料が無いからといって枯れる訳ではありません。なくても問題ないならやらないでいいくらい。
花を咲かせたいならリン酸の多い肥料をやるといいです。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え替え・植え付けに適した時期は春(3月〜4月)と秋(9月〜10月)です。
鉢植えの場合、鉢底から根がはみ出してきたら、植え替えをします。根が詰まると葉っぱが全体的に黄色く変色して枯れてきます。毎年か2年に一回植え替えます。
用土
乾燥に強く、過湿を嫌いますので、
水はけのよい土で植えつけます。植え付けをする土は、花と野菜の
培養土か、より水はけのよいハーブ用の土を使います。自作する場合は、
赤玉土7
腐葉土3を混ぜたものを使います。
鉢植え
タイムは根の張りが早く、鉢植えなら
8号鉢(直径24cm)〜
10号鉢(30cm)に1株を植えます。
鉢の底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石(
軽石)を3cmほど入れ、
用土を入れ、株を入れて隙間に用土を入れていって、最後に水をやれば完成です。
植え替えの場合は、古い鉢から株を取り出し、三分の一ほど古い土を落として、根の負担を減らすために地上部を半分ほど刈り込んでから植え付けをします。植え替えの時に株分けも可能。
庭植え・地植え
酸性の土を嫌うので、庭で植え付けをする場合は、深さ15cmを掘り返して、
苦土石灰を撒いて、よく混ぜておきます。
堆肥や腐葉土を多少混ぜてもいいですが、基本的に苦土石灰だけでも大丈夫。水はけが悪いようなら軽石小粒や川砂を混ぜて水はけをよくします。
苗を入れ、隙間に土を入れて最後に水をやって完成です。タイムは立性も這性も横に広がるので、株間は大きめに取った方がいいです(30cm以上)。
●土壌の水はけが悪いと二年くらいで原因不明で枯れ込んでしまう。これは合わないんだと諦めるか、鉢植えで栽培する。
●這性のタイムを庭のタイルの目地に植えて埋めるといい感じ。
挿木
タイムの枝を7cmほど取って、土に挿す側の葉っぱをむしって、赤玉土小粒単用に挿すと発根して株が増やせる。
挿木より取り木で増やす方が確率は高いです。枝を誘引して地面にU字ピンなどで接地させていると、1ヶ月ほどで発根してきます。これをそのまま新株にします。これは、まぁタイムが広がる過程と全く同じなんですが、好ましい方向に誘引できて便利です。
鉢植えの管理場所
春・秋
日光を好み、日光が不足すると葉っぱの色艶や香りが悪くなりますが、少々日当たりが悪くても問題なく育ちます。春と秋は戸外の日当たりか
半日陰で管理します。
夏
夏の高温多湿に弱いので、真夏は出来るだけ風通しの良い半日陰の戸外か、日陰で管理してください。
特にコンクリートが熱を持つような場所で、鉢をコンクリートの上に置いていると根が傷んで枯れてしまいます。
冬
霜に当たってもよいのであれば戸外。もしくは日当たりの室内。一般的には戸外で放置します。
霜が当たっても根までは枯れませんが、霜に当たると葉っぱが真っ黒に変色し、非常に見苦しい状態にはなります。これを予防するのであれば、葉っぱの上にワラを敷くなど何か霜よけをしてください。
地植えにする場所
日当たりの良い、風通しの良い、
水捌けの良い土に植えます。環境が合えばほぼ放置で毎年茂りますが、環境が合わないと数ヶ月〜二年くらいで枯れてしまいます。
原因は大抵は風通しか水はけ。主に水はけ。例えば、もともと地下水の通り道に近いとか、粘土質があって、少し掘ると水が出るなんて土だと、タイムの地植えはちょっと無理。諦めて鉢植えにするか、別の植物を植えた方がいい。
●鉢植えの方が栽培は容易…というか
夏越しがしやすいのだけど、タイムって「植えてはいけない」に挙げられるほど広がらず、風が通るだけで香りがあって、ハーブとして利用できるなど、地植えしたい欲求に駆られる植物です。でも、向いてない庭では向いてないんですよ。
●無風状態が苦手で、なんなら扇風機で風を送ってやると効果があります。
剪定・刈り込み
梅雨か夏前の6月〜7月に蒸れ予防のために
剪定しましょう。
適当に剪定していいです。風通しよくするために枝を丁寧に間引いても、すぐに盛り返して、再度剪定することになるくらいによく茂ります。電動芝生バリカンで開花した時に花ごと刈り込むといいです。
もったいない!からって躊躇して、剪定しないでいると梅雨と夏に枯れ込みます。タイムは調子を崩すと、一気に悪化し、一度調子を崩すとなかなか回復しないため、梅雨前の刈り込みは「健康そう、調子良さそう」と思ってもやった方が吉です。
収穫
コモンタイムの香りは昔の消しゴムのような…とか、鉛筆の削りカスの匂い…なんて感じがして食べるのに適した香りには感じないが、とりあえず料理・ハーブティーに使ってみましょう。
タイムは肉の煮込み料理やオーブン料理で一緒に調理して香りを肉に移してタイム自体は食べないのが本来。お茶パックに入れると肉の煮込み料理に入れると肉の臭みを取れて、非常にいい。
コモンタイムや
レモン系の香りのするものであれば、葉っぱだけを取って電子レンジで加熱して乾燥させて密閉すれば保存が効きます。ホワイトリカーに漬け込んでハーブチンキを作ることも可能。
●ブーケガルニのハーブ(
ローリエ・タイム・
パセリの軸・
セロリなど)です。
●殺菌効果があるので、靴の中に入れて匂いを消して殺菌することもできます。
病害虫
ハーブで香りがありますし、ゴキブリ避けになる!なんて話もあるし、本やネットの情報では「虫はつかない」ともされますが、ガッツリと虫にやられます。虫を放置しているとそれを食べにカナヘビがやって来ます。
ベニフキノメイガの幼虫
ベニフキノメイガの幼虫は小さい頃は緑、大きくなると黒い毛虫になります。葉っぱを食べ、黒い糞を残します。タイムの中でも斑入り品種は被害が多いです。葉っぱが黒く変色して、蜘蛛の糸のようなものが絡んでいたらベニフキノメイガだと考えましょう。梅雨・夏に発生するので、その前に刈り込んでしまえば、お目にかからずに済みます。
ハダニ
乾燥すると発生しやすい。基本的に環境が良く、健康的な株であれば発生してもある程度の被害で収まります。
バッタ
バッタも葉っぱを食べます。他の場所から移動してくるので、近くの
雑草を刈ると予防できます。
ヨトウムシ
ヨトウムシは昼は土中に潜んで、夜になると葉っぱを食べに出てきます。葉っぱが食べられていて、糞が転がっているのに、虫が見当たらないのであればヨトウムシを疑います。近くの土を少し掘ると芋虫が出てきますので、捕殺します。
アザミウマ
アザミウマ(
スリップス)と呼ばれる汁を吸う虫。葉っぱが掠れて黒くなっているならアザミウマを疑います。薬剤で駆除しましょう。
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は土中に潜み、細い根を食べて枯らすこともあります。薬剤を散布しておくと予防できます。
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