ユーカリの育て方

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ユーカリの基礎データ
ユーカリ
科名フトモモ科
属名ユーカリ属
水やり乾かし気味に
場所外の日なた
難易度上級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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ユーカリとは?

ユーカリ:ユーカリとは?
ユーカリはフトモモ科オーストラリア原産の木。品種にもよりますが、日本で育てるには大きくなりすぎる傾向があって、しかも生育が早いので、適宜切っていかないと、すごいことになります。背骨のような立派な幹になります。

グニ・ユーカリなら非常に頑健で、少々水を忘れたくらいでは枯れません。しかし、ユーカリは全般的に頑健ですが、徐々に弱って枯れることが多いです。鉢植えだと水やっりが微妙、庭植えにすると大きくなりすぎて倒れやすい。風で新芽が折れるなど、なんだから気分屋なのです。

根と地上部のバランスが変で、生育しようとしても栄養不足になったり、逆に生育が止まってるのに水や肥料が過剰になるなどしてバランスを崩す。どうも栽培が軌道に乗るかどうかは3年ほどかかるようで、そのあたりで枯れることが多い。それを超えるとバランスが取れるようになる。

寒さに強く、品種によって関東以南での庭植えも可能ですが、耐寒温度は品種によりますので、苗のラベルなどを参考にして植えてください。寒さに弱いレモンユーカリなどは、鉢植えにして冬は室内に取り込むようにします。
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ユーカリ茶?

ユーカリ茶として利用されるのは一部の種(Eucalyptus robustaとEucalyptus globulus)だけで、口にしない方が無難です。

最初に簡単にまとめ

ユーカリ:最初に簡単にまとめ
●育てるのは簡単だけど、大きくなりすぎる。
●植替え・植え付け時に根をいじったり、土を落とすと生育不良を起こす。
水やりは乾燥気味に。水のやりすぎ注意。庭植えなら自然に降る雨だけでも良いが、鉢植えは水やりが必須で結構、繊細。
●庭植えでも一年目は水をやる。根が張っていないので。
●処理に困るので管理できないと思ったら切り倒すことも検討する。
●鉄分不足でクロロシスを起こす。
コガネムシが根を食べて枯れる。症状が出たときはもう遅い。前もってオルトラン粒剤をまいておく。

水やり

乾燥地域の植物ですし、非常に頑健なので、庭に植えても鉢に植えても、基本的に乾燥気味に管理します。

ユーカリを育てていて葉っぱが枯れ込んできていませんか??ユーカリは過湿に弱く、庭植えしていても水をやりすぎると根腐れを起こしてしまいます。日照りでもない限りは、降雨だけで十分生育します。毎日水をやっていると根腐れし、葉っぱが先から茶色く変色してきます。水を控えてください。

幹が割れる?

ユーカリは気温が高い時期に水を吸い、急激に成長すると「幹が割れる」ことがあります。これは成長が早すぎた状態で、横風にあたるためではないかと思われます。雨に当たるのはしょうがないですが、乾燥してないのに無理に水をやらないように。

水が嫌いなわけじゃない

ユーカリは水を嫌うのではなく、多湿状態だと根腐れするだけ。高温時期(夏)に生育するのであれば、むしろ水は非常に欲しがる(品種にもよるが基本的にはそう)。水をやるとジャンジャン生育する。調子こいて水をやっていると根腐れするので注意。気温と土と葉っぱを見て調節してください。

鉢植えの水やり

土が乾いたら水をやります。土がカラカラに乾いてから水をやってもいいです。葉っぱがしおれてきてから水をやっても回復します。そうやって感覚を掴んでいきましょう。春と秋は土が乾いたら水をやる程度で数日に一回か、二・三日に一回。夏は毎日か二・三日に一回。

乾燥管理なのに水切れもする

乾燥気味に管理するんですが、意外と水切れします。ユーカリの鉢植えの水やりは意外と繊細。結構難しい。

根が浅い

ユーカリは根が浅く、土の表面しか根が張らない。代わりに広範囲に広がります。また、根に対して地上部が少ないため、かなり広いスペースがないと地上部が広がらない。なので鉢植えにするとかなり小さくまとまります。小さくまとまるというか、鉢の大きさに対して地上部が少ない。不格好になります。それでも水切れするので「変だなー」と思うはずです。でもこれで「正常」。

つまり、鉢植えだと根腐れしやすいのに、水切れもしやすいというなかなか厄介な性質になりがちです。

冬の鉢植えの水やり

冬の鉢植えの水やりは更に控えめにしましょう。特に冬は水の吸い上げる力が低くなりますので、水は控えてください。土が乾いてから、3日~5日経ってから水をタップリとやります。水を控えると言っても量ではなく頻度です。水をやるときは夏でも冬でも鉢底から水がしみ出す位にしっかりとやります。

庭植えの水やり

庭植えにして、根がしっかりと張ったら、自然に降る雨だけでほぼ間に合い、水やりは不要。よほど日照りが続けば水をやりますが、本当に「よほど」です。他の植物が日照りで水切れして枯れてもユーカリは大丈夫!ってことが多いです。下手に水をやると根腐れすることもあります。

ただし、植え付けして一年は根が張り切っていないので、様子を見ながら水をやってください。

肥料

ユーカリは肥料を大量には必要としません。鉢植えの場合は、植え付け時に土に緩効性肥料をやっておけば、それだけで十分です。庭植えの場合は生育期に緩効性固形肥料をあげてください。肥料は少なめにしましょう。
●肥料が多いと花が咲かない。
●株が弱っているときほど肥料はやらないようにする。肥料をやることでトドメを刺すことになる。

クロロシス

ユーカリは鉄分が不足するとクロロシスを起こします。クロロシスは葉緑素が抜けて白くなったり、黒いブチが見られる症状です。マバラな斑点です。病気ではないのですが、クロロシスを起こすことで病害虫への耐性が低下して、他の病気にかかりやすくなります(ウドンコ病など)。これは鉄分補給をする栄養剤を与えることで改善されます。
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●クロロシスは発生後に鉄分補給の栄養剤をやっても、病変自体は消えません。その後も跡が残ります。
●ユーカリは弱酸性の土から鉄分を吸収する。アルカリ性になると成分が吸収できないため、庭植えするときに苦土石灰を混ぜないようにする。
●鉄錆の屑や火山灰や微量要素補給の粒剤などをやると回復する。

植え付け・植えかえ・種蒔き

庭植えにすると根が広がり、莫大に大きくなってしまい、困る。鉢植えにすると根が広がりきらず、地上部とのバランスが取れずに調子を崩すと、帯に短しタスキに流しって感じの植物です。

鉢植えの場合は繊細な水やりを覚悟し、庭植えなら剪定して抑える覚悟をしておきましょう。

種まき

ユーカリは火事をキッカケに発芽するので、フライパンでいためてから、まくといいです。ただ、日本で育てるのには種まきは一般的ではありません。苗を買ってきて植えてください。

移植は不可

ユーカリは移植は出来ません。地植えの場合は一旦植えると植え替えることはできませんので、よく検討してから植えてください。

鉢植えの場合2年か3年に1回、植え替えてください。

時期

植え付け・植え替えは春から初夏までの生育時期に行います。鉢植えは2年に一回、植え替えをしましょう。

用土

一般的な培養土では水持ちが良すぎる。ハーブ用の土か観葉植物用の粒状培養土がよい。もしくは一般的な培養土に鹿沼土か桐生砂を2割ほど混ぜる。庭植えする場合はこれらの用土をそのまま使ってもいいし、庭土に鹿沼土・桐生砂を混ぜて水はけを良くしてから植えるのでもいい。

鉢の植え付け・植え替え手順

鉢植えの場合は、根鉢(ポット)より一回り大きな鉢か同じ大きさの鉢を用意します。できれば土を崩さず、根をいじらないで植え替えをしましょう。でも、ガチガチに絡まっていたら、ほぐして植え替える方がいいです。

鉢は素焼きだと水が蒸発して水切れしやすいのでプラ鉢がおすすめ。

植え替えで負った根の負担を減らすため、地上部の枝も半分ほどに切り詰めます。鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
●株を大きくしたいなら、大きな鉢を。維持したいなら同じ大きさの鉢を用意する。

庭植えの手順は?

庭植えの場合は、根鉢の二倍か深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土をよく耕して掘り出し、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
●庭に植える場合の土はとにかく水はけの良いものに。粘土質で水はけが悪い土なら、川砂や軽石を入れて水はけをよくするか、植えても根腐れするので植えないほうがいい。別の庭木にしましょう。シンボルツリーを参考にしてください。

管理場所・日当たり

日当たりで育てましょう。日の当たる場所が好ましいですが、半日陰の場所でも問題はありません。しっかりと育ちます。日当たりがいいと大きく育つので、庭植えにする場合はよく考えること。
●涼しい地域で育つユーカリもあり、夏の暑さに弱い品種もある。そういう品種は半日陰に移動させる。そうはいっても管理さえちゃんとしてれば、弱るが暑さで枯れることはほとんどない。

冬の寒さについて

ユーカリはオーストラリアとその周辺の植物ですが、決して温かいところだけに生えているわけじゃなく、品種によっては寒さに強いものも、寒さに弱いものもあります。寒さに弱いものは鉢植えにして室内に取り込むようにします。

寒さに当たると葉が赤くなります。寒さに対する対応で、病気ではないです。落葉樹ではないので赤くなっても落葉せず、そのまま残ってしまい、なんだか不安ですが大丈夫。気温が上昇すると緑に戻ります。

見た目より根が浅い

ユーカリは巨木になりますが、幼い時は根が浅く突風で意外と簡単に倒壊します。大きくなってからも、台風の時に倒れることがあります。出来れば建物の横など風を避けられる場所が適しています。
●生育が早く、あっという間に数メートルになります。そうなると余計に強風に弱くなります。早めに芯を切って、小さくまとめるようにしましょう。
●根元から傾いているなら切り倒す。危険だから。上がしなっているだけなら様子見でも。基本的に対処出来ないほど大きいなら責任を持って切り倒そう。
●根をコガネムシの幼虫が食べに来ます。すると余計に倒れやすくなります。前もってオルトラン粒剤を撒いて予防しましょう。
●早めに芯を切って、小さくまとめるか、管理する自信がない場合は早めに切り倒すことも検討しましょう。

剪定

庭植えの剪定

ユーカリを庭植えにすると、根が広がり、広がった分だけ大きくなります。ってことはめちゃくちゃ大きくなります。そこで小さく抑えるために剪定しないといけません。ユーカリは種類にもよりますが基本的に非常に生育が早いです。一年で1mか2mか環境・品種によってはそれ以上です。

成長点と呼ばれる一番てっぺんを切ります。それでしばらくは生育が止まります。それでも抑えるのは大変です。毎年剪定し、小さく抑えましょう。
●ユーカリは放置していると数メートル以上になる。なのに根が浅いために、横風で倒れやすい。また、コガネムシの幼虫に食べられるとあっと言う間に根が無くなり、倒れる。これだけ巨大な木が倒れると大事故になりかねない。剪定して小さくまとめるのは必須作業です。
●多少乱暴に剪定しても大丈夫。ひこばえや脇枝が出てくる(株が病気じゃなければ)。

コピシング

ユーカリが大きくなりすぎたら、根元50cmくらい…もう根元からバッサリ切ってもいいんですが…バッサリと切ってしまいます。株元から新芽が出てきます。小さくまとめきれない場合は、コピシングしましょう。

鉢植えの剪定

(他の樹木でもそうだけど)ユーカリは根の広がりと地上部が対応しています。なので土の量が限られる鉢植えにすると小さくしか育ちません。それは便利ではあるんですが、鉢植えにして根詰まりを起こすと、地上部の生育がピタリと止まり、徐々に枯れ込んでいきます。一番いいのは一回り大きな鉢に植え替えることですが、地上部を半分か三分の一ほどに刈り込むことで、新芽が出てきて、とりあえず生育不良から回復できます。
●他の樹木よりも根の量に対する地上部の量が少ないです。なので、地上部がそんなに茂っていないのに根詰まりします。不格好に見えますが、そういうものです。
●根詰まりを放置していると良いことは一つもない。植え替えをしましょう。

病害虫

ユーカリはハダニうどんこ病が発生しやすいです。一番の予防法は「健康」であること。ユーカリが健康だと病害虫にかかりにくいです。まずは水やり・日光・肥料(クロロシスを起こしていないか)などの条件を見直してください。

ハダニ

ハダニが発生します。ハダニはクモの仲間で白い糸が絡まっていたり、葉っぱの色がところどころ抜けていたらコレ。乾燥すると発生しやすいんですが、過湿にするとユーカリが枯れるので、発見次第、農薬を散布して薬殺するしかないです。

うどんこ病

うどんこ病はカビです。白い粉を吹いたようになります。乾燥すると発生しやすいのですが、ユーカリも乾燥を好むので、発見次第、農薬を散布し、病変箇所を切って捨ててしまいます。そこいらへんに捨てていると、別の植物に感染するので注意です。

コガネムシ

コガネムシの幼虫が根を食べ、そのために枯れ込む。幼虫は非常に食欲旺盛で徐々に弱るのではなく、症状が出るときは一気。そして手遅れということがほとんど。

前もってオルトラン粒剤を株元に撒いておくとよい。成虫は街灯によってくるため、ユーカリにライトが当たらないようにすると、幼虫被害の予防になります。

由来・伝承

ユーカリはオーストラリア・タスマニアの地域に500種以上生息する上に、変種を加えると世界で1000種あると言われています。コアラが食べることで有名ですが、コアラが食べるのはユーカリのうちの数種のみで、しかも新芽しか食べません。

ユーカリは非常に強い植物で、土壌を選ばず生育することから、砂漠や旱魃(カンバツ)地域の緑化に使われることが多く、いくつかの成功事例があります。

揮発性の油を含んでいて、それで山火事を起こし、焼け野原の中で日光を独占して成長するという荒っぽい戦略を取る植物です。

アボリジニー(オーストラリア先住民族)はユーカリを傷薬として使っていた。

オーストラリアが乾燥地帯であることと、ユーカリに大量に油分が含まれていてそれが、揮発性で空気中に広がり、発火して山火事を起こします。
ユーカリはこの火事をキッカケに発芽する傾向があり(全てではありません)、焼け跡に新芽を伸ばします。
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