クチナシ(ガーデニア・梔子)の育て方

記事が気に入ったら拡散をお願いします。 TOP > アカネ科最終更新管理
クチナシの基礎データ
クチナシ
科名アカネ科
属名クチナシ属
学名Gardenia jasminoides
別名ガーデニア
水やり水を好む
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花
植え
肥料
スポンサーリンク

クチナシとは?

クチナシはアカネ科クチナシ属(ガーデニア属)の常緑低木。静岡以西で自生しています。6月〜7月に白い花を咲かせ、強い甘い香りがします。白い花びらは時間とともに茶色くなっていきます。雨に当たるとすぐに茶色くなり、最後の方は見苦しいです。でも、この甘い香りと鮮やかなほどの白さは強烈ですらあります。

クチナシは乾燥に弱く、寒さにも弱い傾向があり、また真夏の直射日光がガンガン当たっても、乾燥で根が傷み成長が阻害されます。また、冬の寒風に弱く、冬に寒くて乾いた風に当たると、枝の先から変色して枯れてしまいます。建物の東側は半日陰となり、西日が当たらず、寒風も抜けませんので、適しています。
草丈1m〜2m
花言葉とても幸せ
クチナシ
クチナシの購入はこちら
オオスカシバが発生します。オオスカシバはあっという間に丸坊主にするほどの食欲があるので、早めに対処しましょう。毎年、薬剤は散布するものだと考えてください。

クチナシの仲間・種

クチナシ

そもそもの種で、一重の白い花を咲かせる。
店舗で流通する場合、以下のヒメクチナシや八重咲き種もひとくくりで「クチナシ」として流通していることが多いので、開花したものを確認するか、タグを確認するか、信用できるネットショップで買いましょう。

ヒメクチナシ・コクチナシ

ヒメクチナシ・コクチナシ(Gardenia jasminoides var. radicans)はクチナシの小型の品種で花も葉も小さく、樹高も30cm〜70cmとかなり低い。地を這う様に広がっていくため、グランドカバーに使われることもあります。ヒメクチナシとコクチナシは同種とする場合もあるが、コクチナシよりさらに小さいものをヒマクチナシと別々に考えることもあります。

基本は一重咲きだが、八重咲き種もあります。また斑入り種もあります。
ヒメクチナシ
ヒメクチナシの購入はこちら

八重咲き品種

ヤエザキクチナシ(Gardenia jasminoides f. ovalifolia)はクチナシの八重咲きもありますし、樹高の低いヒメクチナシ・コクチナシでも八重咲きがあります。実はつきません。花の香りが強い。
八重咲きクチナシ
八重咲きクチナシの購入はこちら

水やり

庭植えの水やり

雨だけで十分ですが、夏などの乾燥時期、日照りが続く場合は、水をやってください。夏の乾燥で根を傷めることがあり、その症状が目に見えないままで、秋以降や翌年以降に調子を崩すことがあるので、注意して、水やりをしましょう。

鉢植えの水やり

土の表面が乾いたら、水をたっぷりとやってください。特に真夏は蒸発が激しく、1日に1回では水が足りません。真夏は朝と夕方の2回、しっかりと水をやります。

冬は水やりを控えます。葉が黄色くなり、元気がなくなりますが、春になると復活します。

肥料

庭植えにしている場合は2月と8月の年に2回。鉢植えにしている場合は年に1回、8月に肥料をやってください。鉢植えの場合は年に1回で充分です。これ以上は多すぎです。油粕か化成肥料をを少量を根元に撒いてください。

肥料が多いと病気害虫が発生しやすくなります。

化成肥料
化成肥料の購入はこちら

植え付け・植えかえ

時期・頻度

植え付け・植え替えは5月前後か9月前後が好ましいですが、あまりに詰まっているようでしたら、冬以外に適宜植え替えましょう。根詰まりをすると、水切れしやすくなります。また葉っぱが下から落ちていきます。植え替えは2年〜3年に1回します。

地植えで育てることが多いですが、鉢植えもOKです。

用土

用土は一般的な花と野菜の培養土か、自作する場合は赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを使います。

鉢植え

小さく維持したいのであれば、古い土を三分の一ほど落とし、古い根を切ります。根の負担を減らすために、土を落とした割合と同じくらいに地上部の枝葉を落とします。同じ大きさの鉢に新しい土で植え替えをします。

鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで、鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れ、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていき、最後にしっかりと水をやります。これで完成です。

株分けも可能です。

庭植え

深さ30cm〜50cmを掘り返し、掘り出した土に腐葉土か堆肥を2割入れてよく混ぜて用土とします。水捌けが悪いなら川砂・軽石などを入れて、改善してからにしましょう。

穴に用土を半分戻して、株を入れて隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやります。これで完成です。

管理場所・日当たり

クチナシは乾燥に弱いので、真夏に直射日光がガンガン当たっていると、乾燥して成長が阻害されてしまいます。クチナシを植える場所は出来れば、半日陰の場所にしてください。鉢植えの場合は夏は半日陰の場所に移動させてください。

管理場所の理想は、一日に数時間ほどしか日の当たらない「半日陰」の場所です。育てる環境はアジサイと似ています。

剪定

花が咲いた後に生えてくる新しい枝に、翌年の花芽が出来ます。なので、秋以降に剪定をすると、よく分からないうちに翌年の花芽まで切り落としてしまいますので、花が終わった6月の早い時期に、新しい枝をそのままに、枝の剪定を行いましょう。

二期咲きの場合6月と9月に花が咲きます。このときは9月に剪定をします。

邪魔な枝を落とし、枯れた枝を落とし、樹形を整えます。太い枝を落とした場合は、癒合剤を塗っておきましょう。
癒合剤
癒合剤の購入はこちら
剪定して切った枝葉をそこいら辺に投げていると発根して株が増えます。そのくらい挿木でもよく増えます。

病気・害虫

クチナシは虫害が多く、冬以外は薬剤が欠かせません。オオスカシバの幼虫を軽く見ていると一晩で丸坊主になることもあります。早めの散布でクチナシを守りましょう
虫除けにはオルトランが便利。1ヶ月に1回オルトランを根本に撒けば、虫はかなり減ります。というか撒かないと一晩でクチナシが本当に丸坊主に。

オオスカシバ
夏に1回か2回発生します。オオスカシバはクチナシを食べる虫で、葉に食害の痕跡があったら、この幼虫が住んでいるか、住んでいたと考えてください(葉に穴が空いている程度で気が付ければ良いが、葉があらかた食べつくされて枝だけになった後に気が付くことも多い)。幼虫を見つけ次第、スミチオンなどの薬剤を撒きましょう。

カイガラムシ
蝋に覆われた虫で、植物の汁を吸って弱らせます。剪定して枝をさばいて、風を通すことである程度予防できます。オオスカシバ対策のオルトランでほとんど見ないか、見ても少量で済みます。

アブラムシ
新芽やツボミにたかって汁を吸って弱らせる。放置していると爆発的に増えるので、早めに駆除しましょう。オオスカシバ対策のオルトランをまいておけば、ほとんど見かけないです。

コナジラミ
葉っぱの裏に潜んで汁を吸って、葉っぱの色が抜ける。オオスカシバ対策のオルトランであんまり見かけないです。

スス病
アブラムシ・カイガラムシ・コナジラミなどの排泄物に発生する黒いカビで、クチナシが枯れる様な鋲きではないのですが、見た目に悪い。排泄物を落とす害虫を駆除することが最大の予防になります。

サビ病などの病
風通しが悪いと、菌類が増えて、斑点が見られる様になります。剪定で枝を整理して、風を通すと予防できます。また殺菌剤を散布すると予防できます。

特徴・由来・伝承

6月から7月にかけて白い花を咲かせて、非常に強く甘い香りがします。ただ、最初真っ白だった花がみるみる黄色く茶色く変色します。

囲碁の盤の足が「クチナシの実」の形になっているといわれています。これは棋士に「口を出さない」という意味らしいですが、後付の可能性が高いです。

クチナシは結実して、実が熟しても「割けない」ことから、実の口が開かない→「クチナシ」になったとされます。ただし、結実するのは一重の品種だけ。

クチナシといっても、樹高30センチの「コクチナシ」、コクチナシを品種改良した「キムラシキザキクチナシ」、一重の「コマルバクチナシ」、庭木として人気の八重咲き品種「ヤエクチナシ」などがあります。

17世紀前後に東洋へと訪れた西洋人は、未知の植物を収集していました。当時鎖国状態だった日本にやってきていたオランダ医師の多くがその実は「プラントハンター」だったのではないかと言われ、その報告の中でクチナシについても述べられています。

学名のガーデニアは18世紀のアメリカの植物学者のガーデンに由来しています。庭じゃないです。

クチナシの実にはサフランと同じ成分が含まれていて、昔は「黄色の染料」として使われていました。具体的には沢庵の黄色などです。
スポンサーリンク
記事が気に入ったら拡散をお願いします。
クチナシのカテゴリ・タグ
常緑低木 香り
アカネ科
ブログやBBSで紹介していただけるならコチラ
スポンサーリンク