モッコウバラ(木香薔薇)の育て方…鉢植え推奨の育てやすいバラ
目次
モッコウバラの特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり剪定・誘引病気とトラブル特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- モッコウバラ
- 科名
- バラ科
- 属名
- バラ属
- 学名
- Rosa banksiae
- 別名
- 木香薔薇・木香茨
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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モッコウバラの特徴は?
モッコウバラは
バラ科のツル性落葉
低木。
バラというと
病気になりやすく、繊細な印象がありますが、その中でモッコウバラは特殊なほどに非常に頑健。バラ界の異端児です。ちなみにモッコウバラに近いくらいに頑健なバラの仲間ではポールズヒマラヤンムスク、
ナニワイバラがあります。
モッコウバラには白と黄色があります。白には香りがあり、黄色にはありません。性質としては黄色の方が強く、育てやすいです。白は綺麗ですが散る前は花びらが変色して汚いです。
四季咲き(というか返り咲き性)のモッコウバラもある。
地植えにして何年か育つと幹がド太くなり、大暴れして、手に負えなくなる。鉢植え推奨。トゲがないのが救い。
最初に簡単にまとめ
●地植え(庭植え)にすると暴れて手に余るので、できれば鉢植えで。
●
剪定は必要だが、しなかったからといって枯れるわけではない。
●通常のバラに比べると育てやすい。
初心者向きの園芸材。
●開花後に剪定。冬に剪定と誘引。
●開花後から9月まで
肥料を月二回やる。
●新芽はベタベタする(蜜が出ている)。
●株が充実しないと開花しない。
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水やり
庭植えの水やり
地植え(庭植え)の場合は、基本的に自然に振るだけの雨で十分です。乾燥する時期や、葉っぱが元気がない場合は水をやるようにします(土の
水はけや日当たりや風通しで
水やりは違ってくる)。
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は土が乾いていたら水をたっぷりとやってください。春から秋の生育時期は水を欲しがります。乾燥すると花が落ちてしまいますので注意してください。
でも、土が濡れている状態が長く続くと根が腐ってしまいますので、土が乾いたら水をやるようにしてください。
肥料
鉢植えの場合、花が終わって(6月以降)から固形肥料(骨粉・
油粕)を9月まで月に二回与えてください。この肥料は開花によって消耗した株の充実を促し、翌年の
花芽に影響します。ただし開花する4月に肥料が残らないように9月で止める。9月以降はやらないでください。
地植えにした場合は、肥料はやりません。肥料をやると大きく育ちすぎるからです。
●翌年開花する花芽は8月に出来ます。花が終わって以降にもしっかりと肥料をやってください。
●開花する春前に肥料が残っていると開花しなくなる。必ず9月以降は肥料をストップする。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え付け・植え替えは落葉時期にします。植え付けして3年とか4年後に株が充実すると開花する。それまでは咲きませんから、気長に栽培しましょう。生育が早いので鉢植えにはあまり適していません。植え替えが面倒。鉢植えにした場合、2年に一回植え替えをしましょう。
用土
水はけがよく水持ちのよい一般的な
培養土が適しています。バラの
専用土があるのならば、そちらを利用します。自作する場合は
赤玉土6
腐葉土4を混ぜたものを使います。庭に植える場合は元の土に2割か3割ほど
堆肥を混ぜておきます。
●鉢植えにする場合、土には緩効性固形肥料を混ぜておきます。
鉢植えの手順
10号鉢に1苗を植えます。
鉢底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石を2cm入れ、
用土を少し入れて、苗を入れて、隙間に用土を入れていき、最後にしっかりと水をやります。
庭への植え付け手順
地植えにすると大きくなり、大暴れするので、できれば鉢植え栽培が好ましい。もしくは根が制限されるような場所か、痩せた土地に植えれば、管理は可能です。
庭土を深さ40cm直径40cmほど掘り返して、土に腐葉土か堆肥を2割ほど追加してよく混ぜて用土とします。株を入れて、隙間に用土を入れていきます。余った土で周囲に土手を作って、水が溜められるようにし、そこに水をためます(水極め)。水が引いたら土手を崩してならし、完成です。
●株をフェンスに絡ませるならばフェンスから40cmほど離す。近いとシュートが出た時に剪定がしにくい。また隣家の敷地の近くに植えるとシュートが隣家の敷地に出るかもしれない。境目から40cm離しましょう。
●地植えにすると成長の勢いが強く、手に負えない。剪定が追いつかず、廃棄するために
除草剤で枯らしても、根がはびこって取り除くのに大変!ってことになる。鉢植え推奨。
挿し木について
モッコウバラは
接ぎ木していないので、
挿し木すると同じ株が増やせます。ただモッコウバラは樹勢が強いので株を増やす必要はほぼ無いでしょう。
ちなみに通常のバラは接ぎ木しているので、挿し木しても弱くて育てにくいです。
管理場所・日当たり
日当たりを好みます。多少日陰でも生育はしますが花つきが違います。できるだけ日当たりで管理するようにします。
モッコウバラは通常のバラより寒さに弱いので寒冷地での栽培は難しいです。
剪定・誘引
花のあとの剪定
モッコウバラは花が終わってから8月から9月前後に翌年の花芽をつけます。この時期に肥料をあげるのはそのためです。また、
この花芽をつける時期以降に切り戻しをすると、翌年の花芽までバッサリと切り落とすことになりますので気をつけなくてはいけません。
切り戻しは花が咲き終わった直後にします。時期で言うと5月下旬から6月いっぱいです。
花の咲いた枝は半分ほどに切り戻してください。枝先を軽く切ると、短い枝が大量に出て大変なので必ず、半分か…もっと切り戻してください。
モッコウバラは強く、多少刈り込んでも枯れないどころか、しっかりと刈り込んでおかないと暴れます。他のバラとは全く別の植物と考えるべきです。
冬の剪定と誘引について
冬の間にも、剪定と誘引をします。
この時期の剪定は花が咲かなくなった枝を落とす程度。樹高が3m以下なら株の充実を優先して、剪定しない。ただし何年かすると茂りすぎて花が減ってくるので、その場合は太い古い枝を落とし、まだ花が咲いていない若い枝だけにしてしまう。あとはこれを繰り返してください。
●モッコウバラの剪定は花後がメイン。冬の剪定は邪魔な枝を落とす程度。
シュートについて
シュートにもいずれは花が咲きますが、本来の株が元気な場合は速攻で根本から切ります。本来の株が疲弊して元気がなくなっている場合は、シュートを伸ばして誘引して育てていき、シュートをメインにしていきます。
誘因について
モッコウバラは
真上に伸ばすと花が咲きづらいです。斜めや横に誘引していくとよく花が咲きます。アーチやフェンスに横へ横へと誘引するとよく咲きます。
病気とトラブル
ウドンコ病
ウドンコ病が発生する。ウドンコ病は白い粉をふく病気で原因はカビ。病変箇所を取り除き、薬剤を散布すると回復する。ウドンコ病は株が健康だと発症しても回復するし、さほど悪化しない。モッコウバラは頑健なので発症しても枯死には至らない。
癌腫病
根に芋のようなボコボコができる病気で、完治はできず。徐々に弱って枯れていく。
新芽がベタベタする
モッコウバラは新芽から蜜を出して、アリを呼び寄せ、
アブラムシを駆除する戦略を取っています。なので、何だかベタベタします。気持ち悪いですが、悪いことではないので無視してください。
特徴・由来・伝承
黄モッコウバラ(ロサ・バンクシア・ルテア)は秋篠宮第一女子眞子内親王のお印です。
ツル性の木。寄りかかるものがあると、何処までも伸びます。トゲが少なくて、バラの最大の難点である「病
害虫」に対して抵抗があって、初心者でも育てやすい。
木香とかいてモッコウと呼ぶのですが八重咲きのモッコウバラには香がありません。一重にはあります。
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