ヘチマの育て方
目次
ヘチマとは?グリーンカーテンとして水やり肥料植え付け管理場所・日当たり花について収穫病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ヘチマ
- 科名
- ウリ科
- 属名
- ヘチマ属
- 学名
- Luffa cylindrica
- 別名
- 糸瓜
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 初心者向け
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ヘチマとは?
ヘチマは
ウリ科のツル性植物。西アジア原産とされ、暑さには強いが、寒さに弱く冬には枯れる。春に苗を植えて、夏に生い茂り秋になると徐々に枯れこむ
一年草です。
種子も取れ、来年蒔けば再度収穫も可能です。長く大きな実がなって、実が未熟なうちは食用、水分が薬用(痰を溶かすとも)、化粧水、乾かすと体を洗うタワシになるなど、生活に溶け込んだ便利な植物です。
栽培は
初心者向け。水・日光・
肥料と絡ませるものがあれば簡単に育つ。基本的には放置でいいです。
まとめ
●初心者向けの夏のガーデニング材。
●5月あたりに苗を植える。
●鉢植えより地植え推奨。
●鉢植えにするなら直径30cmで深い鉢を。
●
連作障害を起こす。過去2年ほどウリ科植物を植えていない場所で育てる。
●水切れに注意。
●生育旺盛なので肥料を追加する。
●支柱かネットを。
●食用なら早く収穫。タワシは20日後に。種子を取るなら茶色になるまで放置。
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グリーンカーテンとして
グリーンカーテンとして
グリーンカーテンというと
アサガオや
ゴーヤ、
フウセンカズラなどが有名ですが、ヘチマも適しています。育てる感覚はゴーヤと同じです。
ヘチマが最も葉っぱが大きくて濃い影が出来ることからグリーンカーテンに一番適しています。実が出来るゴーヤ・花が咲くアサガオといった他の植物と混ぜるのもいいです。
水やり
ヘチマは非常に水を欲しがります。
土が乾いていたら水をやります。春先などはあまりジメジメした状態が長く続くと根が腐ることもありますが5月以降は生育も旺盛ですし、水分の蒸発も早いので、晴れた日は毎日水をやることになります。
夏以降は毎日朝と夕方の二回、しっかりと鉢底から水が出るまで水をやります。
●
地植えであっても夏は水やりをします。夏は地植えでも朝夕の2回やります。
●鉢植えの土が少ないと水切れが非常に起きやすい。地植え推奨です。
肥料
肥料が必要です
ヘチマに限らず、ゴーヤや
キュウリも春から夏に掛けて非常に旺盛に生育しますので、随時追加で肥料をやらないと生育不良を起こします。
5月以降は液体肥料を2週に一回やるか、固形肥料を月に一回やります。ただし8月は高温すぎて生育が止まるので、肥料はやらないでください。
特に
マグネシウムが不足すると、葉っぱが下葉から黄色く変色して枯れていきます。それで株全体が枯死することは無いのですが、グリーンカーテンにしていた場合、下葉が枯れるので本来の目的を果たせなくなります。
マグネシウム不足の場合は苦度石灰を追加します。株元にパラパラっとまけばいいです。
植え付け
地植えの土づくり
地植えの場合
植え付けする2週間前に深さ20cmほど掘り返して苦度石灰を混ぜておきます。これは中和のためもありますが、ヘチマが生育する上で欠乏しがちな「マグネシウム」を補充するためです(苦土とはマグネシウムのこと)。植え付けする1週間前に元の土に対して3割から4割ほどの
腐葉土か
堆肥を追加して、化成肥料を入れて
用土とします。
●土のpH5.8~6.8。中性を好む。
●地植えの場合、株元をビニールマルチで覆ったり、ワラで覆うことで
雑草予防と
病気予防になります。
鉢植えの用土
用土
用土は一般的な花と野菜の培養土でいいです。自作する場合は
赤玉土6腐葉土4を混ぜたものに化成肥料を足して用土とします。
必ず新しい土で
ウリ科は連作障害を起こします。過去3年、ウリ科の植物を植えている場合は植えないで下さい。どうしても植える場合は土をごっそりと入れ替えます。鉢植えの場合は必ず新しい土に全部入れ替えて植えます。
種蒔き
種子はそのままでは発芽しにくいので、種まきする前の晩に水につけておくと
発芽率が良くなる。また、種子の側面の皮を切ると発芽しやすくなります(種の先端は芽が出るので傷つけると発芽しなくなるので注意する。)
種まきは3月〜5月。発芽温度は25度〜30度。深さ2cmの穴を作り、穴に2粒か3粒入れて、1cmほど土をかぶせ、水をしっかりとやります。乾燥しないように管理していると10日前後で発芽します。発芽した株は間引いて一本にします。
●本葉が4枚〜6枚になったら植え付けをします。ヘチマは根が傷つくと生育不良を起こすため、植え付けるときは土・根をほぐさないようにします。
●ポットやセルに種まきして苗を作るのではなくて、最初から鉢や地植えに「種まき」をすることも可能。
地植えの手順
株間は70cm〜1m以上空けて植える。
鉢植えの手順
横長の
プランターに三つ植えるのではなく、
直径30センチの尺鉢(10号鉢)に苗を一つ植える程度にします。ヘチマは夏の植物ですし、生育も旺盛なので、小さな鉢に植えるとすぐに水が切れてしまいます。横長のプランターに三つ植えると、地上部に対して葉っぱが多すぎて水切れしますので、やめておきましょう。
●ヘチマは根が深くまで伸びます。鉢は深さ30cm以上あるものを。
観葉植物がよく植えられている直径30cmのプラスチック鉢がいいです。
苗を植える
種子からでも育てられますが、一般家庭では苗を買ってきて植えます。
鉢底の穴を網で塞いで、その上に
軽石を3cmほど入れ、その上に用土を入れて、苗を入れ、隙間に用土をつめていきます。鉢を揺らすと隙間ができるので、その隙間に用土を入れていきます。
支柱・ネットで誘引
ヘチマはツル性でなにかに絡ませるのが普通(土地があるなら這わせるのもあり)。
支柱とネットに絡ませます。適当に誘引すると勝手に登っていきます。実がすごい大きく重くなるので支柱を立てるなら、しっかりとしたものを用意しましょう。
綺麗に葉っぱを配置したい場合は麻紐などで結んで誘引しましょう。
●誘引した後、
摘芯します。摘芯とはツルの先を切ること。摘芯するとその下の葉っぱの根本から脇芽が出てきて、葉っぱが増えます。その後も摘芯を繰り返すといくらでも枝分かれしていきます。
●摘芯をした方がいいですが、摘芯しなくても枝分かれはします。
管理場所・日当たり
日当たりで管理しましょう
ヘチマは日当たりを好みます。日光が不足すると、生育不良を起こします。夏の直射日光にも高温にも負けないです。日当たりで管理するとグイグイ成長します。生育温度は25度から30度。暑さには強いが、流石に35度以上になると生育が止まり弱る(それでも枯れるわけじゃない)。
花について
ヘチマは
雌雄同株で雄花と雌花が同じ株に開花します。本来は虫(アリや蜂)が受粉させるんですが、ベランダで育てていると受粉しないこともあります。どうにも結実しない場合は、人工授粉させます。雄花摘んで、雌花にこすりつければいいです。
株の生育が良すぎると雌花がつかないことがあります。植物は一般的に「危機感」を感じると種子を残そうとするためです。摘芯をすることで雌花が咲きやすくなります。
●雌花は根元が膨らんでいます。
収穫
食用の収穫
実が20cmくらいで収穫すると食用にできます。沖縄野菜として最近はスーパーに並んでいますし、沖縄旅行で食べた人が地元に帰って食べたくなる人もいます。スーパーに並んでいるんですが、非常に稀でなかなか手に入りません。そこでどうしても食べたいなら食用で収穫しましょう。
●大量に結実すると株が弱ります。弱ってきたら追肥しましょう。
タワシの収穫
実から緑が抜けてきて、ちょっと黄色くなったら…結実して20日くらい経ったら、収穫して、適当な大きさに切り、沸騰した湯で10分〜15分ほど煮て、果肉を溶かします。煮た後はすぐに冷水にさらすと皮が剥けます。これをタワシとして使います。これはタワシというよりはスポンジです。
もしくは、ツルが完全に茶色くなってから実を収穫して、それを適当に切ってタワシにします。ここまで成熟するとかなり硬いです。
●昔よくやったタワシ作りが、ヘチマの実を水につけて「果肉を腐らす」方法です。匂いがすごくて近所迷惑になるので、やらない方がいいです。
●電子レンジで加熱することで果肉を溶かします。鍋で煮る作業を電子レンジでやっただけですね。冷水につけると皮がむけます。
種の採取
放置していると茶色に変色して種子が中にできます。これを紙袋などに入れて保存しておいて、来年の5月あたりにまくと同様にヘチマが収穫できます。
病害虫
ウドンコ病
葉っぱに白い粉が吹く。カビが原因で乾燥すると発生しやすいので葉っぱに水をかけると多少は予防できる。発症したら、その部分を取り除けば、ある程度は回復するが、どうにも葉っぱが真っ白になるなら薬剤を散布する。ウドンコ病は株が弱ると発生しやすいので、症状がひどいなら、日光・肥料・水・
根詰まりなどの条件を見直しましょう。
モザイク病
ウィルスが原因の病気で、葉っぱや茎にモザイク状の模様が出る。感染すると治療は不可能で、他の株に感染するのを防ぐためにも、株を廃棄するしかない。
つる割れ病
フザリウムオキシスポラムという菌が感染して発症したもの。ツルが割れる。連作すると起きやすくなる。
接木苗で予防できます。
ウリハムシ
ウリ科植物には当たり前のように発生する。薬剤を散布して駆除します。
ハダニ
白い糸が張っていたらハダニが発生しています。ハダニは乾燥すると発生するので、葉っぱの裏に水をかけてやることで予防できます。どうにも大量に発生した場合は薬剤で駆除します。
エカキムシ(ハモグリバエ)
葉っぱの中に卵を生み、孵化した幼虫が葉っぱの中を食べ進むと、その部分が白く抜けて葉っぱに「絵を描いた」ように見えることからエカキムシとも呼ばれます。これでヘチマが全滅ってことはあんまりないです。
特徴・由来・伝承
ウリ科の植物。ヘチマを漢字で書くと糸瓜。沖縄ではナーベラ―。ヘチマの繊維を鍋洗いに使ったことが由来。キュウリやゴーヤの仲間で、同様に若い実を食べることもありますが、それは沖縄だけで日本の大体の地域では、ヘチマというものは乾かした実で身体をこすったりするものと相場が決まっています。
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