サンザシの育て方
目次
サンザシとは?水やり肥料植え付け・植えかえ種まき管理場所・日当たり病害虫剪定関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- サンザシ
- 科名
- バラ科
- 属名
- サンザシ属
- 学名
- Crataegus cuneata
- 別名
- 山査子・山樝子・メイフラワー
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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サンザシとは?
サンザシは、
バラ科に属する落葉
低木で、冬になると葉が落ちます。
枝には棘があります。秋になると、赤い果実が実り、黄色い品種も存在します。果実の収穫時期は主に9月から10月です。花にもさまざまなバリエーションがあり、白、赤、ピンク、一重、八重などが見られます。
サンザシの果実は酸っぱく、生で食べるよりも加工して利用されます。果実を干すと、漢方薬として使われ、消化吸収を助ける効果があります。中国ではお菓子の材料として利用され、漬け込んでサンザシ酒として楽しむこともあります。ただし、サンザシを植える際の主な目的はこれらの利用ではないでしょう。最近では、日本でもサンザシの果実を使用したドレッシングやお菓子が食用として広く知られるようになっています。漢方としての効能を考えると、栄養価が高くヘルシーであるため、時折「スーパーフード」としても言及されることがあります。
大きさ・草丈・樹高
50cmから2m
育て方のまとめ
●サンザシはバラ科の落葉低木。
●寒さ・暑さに強いが、株元に
腐葉土で
マルチングをした方が良い(夏の乾燥と冬の防寒)。
●日当たりで育てる。ただし夏の乾燥と暑さに注意。
●5月6月と秋に
剪定する。剪定の詳細は項目を参考に。
●2月3月か10月あたりの活動が止まっている時期に植え替えをする。
●2月3月に
肥料をやる。
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水やり
庭植えの水やり
庭植えの場合は一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ十分。日照りの時に水をやる程度です。
●夏の乾燥に弱いので、夏は気をつける。夏の乾燥が厳しい場合は株元に腐葉土でマルチングする。
鉢植えの水やり
鉢植えの土が乾いたら水を与えます。
水やりの際は、鉢底から水がしみ出す程度にしっかりと行います。乾燥には強いですが、過湿には弱いため、土が十分に乾いている間は水やりを控えてください。過湿になると
根腐れを起こします。水やり後は、次に土が乾くまで水やりを控えましょう。メリハリのある水やりを心掛けてください。また、受け皿にたまった水は捨ててください。
肥料
サンザシが活動を始める前の2月3月に緩効性肥料か
油粕と腐葉土か
堆肥を根元にやります。サンザシは有機物の多い
用土を好みます。
植え付け・植えかえ
植え替え時期・頻度
植え替え・植え付けの時期は2月3月か秋(9月10月)。2月3月の植え付けは株が活動する前…落葉時期に行う。開花中に
ストレスを与えると枯れるかも。秋は夏の気温が下がり、サンザシが活動を止めて落葉しはじめてから、真冬になる前に。
鉢植えの植え替えは二年か三年に一回。
用土
水はけの良くて、有機物(腐葉土や堆肥)の多い用土を好みます。つまりは通常の土ですね。一般的な花と野菜の
培養土で植えるか自作する場合は
赤玉土小粒6腐葉土4を混ぜたものを使う。日本の山に自生するサンザシなので、庭植えであれば用土は庭土に腐葉土を足したもので十分です。
庭植えの植え付け
庭植えの場合は、根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
●植え付け時に緩効性肥料を混ぜる。
鉢植えの植え替え
鉢植えにはあまりしない。現在の根鉢よりひと回りかふた回りほど大きな鉢を用意する。鉢底に網を敷いて、土が流れでないようにして、
軽石を二センチほど敷いて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れる。鉢を揺らすと隙間ができるので、用土を足していって、隙間ができなくなったら、水をたっぷりやって完成。
種まき
果実を収穫したら、水洗いして果肉を洗い流して、すぐに蒔くか(乾燥を避けるため)、乾かさないように保存しておいて、春に蒔く。乾燥すると
発芽率が著しく落ちる。
●果肉には発芽抑制物質が含まれていて、果肉がついていると発芽しづらい。
管理場所・日当たり
日当たりを好むが夏の乾燥に注意
日当たりで。ただし、夏の乾燥に若干弱い。特に夏の
西日が株元に当たると乾燥で枯れこむこともある。理想的には夏は
半日陰で、他の季節は日当たりの場所。そんな都合のいいところはないので、夏は株元に腐葉土でマルチングをして感想を防ぐ。
寒さに強いと言われるが
日本の山に自生することから、寒さには弱いわけじゃないんですが、霜が降りる地域・凍結する地域では株元に腐葉土やワラでマルチングをした方がいいです。そうすれば北海道南部でも育てられます。夏の乾燥と暑さに若干弱いことを考えると寒冷地向きの植物。
病害虫
アブラムシ・
カイガラムシ・
テッポウムシ・黒星病・
赤星病・
ウドンコ病が発生する。
アブラムシ
小さな虫で一匹で大量に増えるので、見かけたらすぐに薬剤を散布する。アブラムシが発生するのは春から夏の時期なので、収穫(9月10月)とはズレているので、この時期に散布して駆除する。枯れるほど増えることはない(と思う)けど、かなり生育が悪くなるし、アブラムシの糞から
スス病も発生するので、早めに駆除するべき。剪定して風通しをよくすることでも予防できるので剪定しましょう。
カイガラムシ
成虫は動かない。動かないままで樹木から汁を吸う。生育不良を起こすのも問題だけど、糞からスス病が発生するので、アブラムシ同様に早めに駆除する。成虫は薬剤が効かないので、何度も散布しないと駆除には至らない。剪定をして風通しよくすることで予防できる。
テッポウムシ
カミキリムシの幼虫で幹の中を食べる。サンザシの株の根元にオガ
クズが落ちていたら
鉄砲虫がいる。穴が空いているのでそこに薬剤を入れるか、針金を差し入れて突き刺して殺す。放置しているとサンザシが枯れるので注意。
ウドンコ病
白い粉を吹く。原因は菌で、菌はそこいらへんに住んでいるもの。ウドンコ病は発生しても、サンザシが健康的なら悪化はしない。なので放置していても知らないうちに回復することもある。毎年悪化するのであれば、環境が悪いと思われる(日当たりや水はけなど)。悪化すると花や果実も白くなる。
発生したら
病気部分を取り除き、薬剤を散布する。
赤星病
赤い斑点ができる。
ビャクシン属植物を媒介にする病気で、庭にビャクシン属の植物(
スカイロケットなど)があれば発生する(しやすい)。病気部分は取り除き、焼却するか廃棄する(その辺りに捨てない)。
黒星病
黒い斑点ができる。病気部分は取り除き、焼却するか廃棄する(その辺りに捨てない)。
剪定
剪定の目的と時期
落葉が始まる頃…10月11月か、開花が終わってすぐの5月か6月に剪定します。成長が遅いので、毎年する必要はないです。剪定の目的は二つ。一つは樹形を整えて風通しを良くすること。もう一つは
花芽がつきやすいように剪定すること。
秋と5月の剪定の共通作業
剪定は樹形を整えつつ、風通しがよくなるように、徒長枝や重なった枝や、反対方向に伸びた枝、枯れた枝を、さばいていきます。幹まで風が通るように枝を間引くことで、アブラムシ・カイガラムシ・ウドンコ病などの病
害虫を予防できます。この剪定は秋も6月もします。
5月〜6月の剪定
5月〜6月の剪定は上記の共通の剪定に加えて、花を咲かせる剪定もします。これは毎年する必要はないですが、した方が花が増えるというもの。
長い枝(30cmくらい)を切り詰めると、脇枝が出てきます。その脇枝が短いと「花芽」がつき、枝が長いと花芽がつかないです。短い枝を出させるコツは、「あんまり切り詰めない」こと。長い枝に「7個前後」の芽(花芽ではなくてぷっくりした葉芽)を残すように先を剪定する。3個くらいだと、次にまた長い枝が出てきます。
なので、花芽を出させる剪定は、先をチョキチョキ切る剪定になります。
●トゲがあるので、剪定するときは軍手をしてしましょう(それでも痛いけど)。
●開花後すぐに剪定するのは、開花後すぐに翌年の花芽ができるため。つまり、7月以降に剪定すると花芽を落とすことになる。のですが、そこまで気にしないでいいです。毎年の剪定じゃないですし。
●7月以降に枝が伸びて、その枝の途中にできる短い枝に花が咲きます。なので7月以降に枝を落とすと、その花も落とすことになる。
ヒコバエ
根元から勢いのあるものが生えてきます。これをヒコバエといいます。勢いがあるために、本来のサンザシの株から栄養を吸い取ってしまうために、本株が生育不良をおこしてしまいます。なのでヒコバエは速攻で根元から切ってしまいます。
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