皇帝ダリア栽培の詳細版…栽培経験者やより理解を深めたい人向け

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皇帝ダリア詳細版の基礎データ

皇帝ダリア詳細版
科名
キク科
属名
ダリア属
学名
Dahlia imperialis
耐寒
5度〜10度
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
皇帝ダリア詳細版の開花時期…植え付け・植え替え時期…月別スケジュールです。

皇帝ダリアとは?

皇帝ダリア詳細版:皇帝ダリアとは?

皇帝ダリア詳細版:皇帝ダリアとは?
皇帝ダリアキク科多年草水やりのテクニックなどは不要ですが、非常に大きく育つのと、(毎年の)支柱立てと真冬の刈り取り作業が力仕事で大がかりである点が難しいです。

春以降に苗を植え、10月ごろに蕾をつけ、11月くらいに大きな花を咲かせます。花がつく前の9月〜10月が成長の本番でそこからの成長が早い大器晩成型の植物です。皇帝ダリアは寒さに弱く、霜に当たると一発で枯れます。なので寒冷地では開花前に枯れることがあり、そういう地域では植えられません。

非常に大きくなる皇帝ダリアが霜に当たって枯れる様子はあまり気分のいいものではありません。地域によっては(地上部を刈り取り残った部分を霜よけなどして保護してやると)根で越冬します。

皇帝ダリアは台風で折れる、霜が予想外に早くきて枯れるというリスクがある上に、支柱を立てるDIY知識が必要な植物です。これを理解した上で植えましょう。

皇帝ダリアによく似た黄色い花の皇帝ヒマワリや、八重咲やいろんな色合いの皇帝ダリアが流通しているのでこれを植えるといいです。
樹高3m〜6m
管理場所日当たりのいい場所に植えつけます。風通しがいいと台風・強風の際に折れたり、折れなくても葉っぱが風でボロボロになります。風があまり通らない場所…建物の隣などがいいです。

皇帝ダリアは短日植物で、昼の時間が短くならないと蕾がつきません。蛍光灯などの人工の明かりでも「昼」だと認識します。街灯の近くや部屋の明かりがいつも当たるような場所では、街灯の明かりを「昼」と勘違いして蕾がつきにくくなります。人工的な明かりが当たらない場所に植えてください。

参考:霜に当たると植物が枯れる理由
水やり庭植えにした場合、自然雨だけで十分です。真夏にあまりに乾燥する場合は水やりをしてください。

皇帝ダリアに水をやってもやっても葉っぱがしおれる原因の一つは、土です。根が岩盤にぶち当たって、根が張れなくなり、水の吸い上げが出来なくなると、葉っぱがしおれてしまいます。

もしくは途中から粘土層になり、その水分で根ぐされしたのかもしれません。皇帝ダリアは水を欲しがりますが、土が濡れている状態が長く続くと根腐れします。
肥料庭植えの場合は、肥料は不要。植え付けのときに有機物(腐葉土堆肥)を十分入れておけば大丈夫。

栽培のスケジュール

苗を手に入れる皇帝ダリアの苗はホームセンター・ネットショップなどで売っています。

苗はJA(農協)関係でよく売ってる。多分、農家が趣味で育てた皇帝ダリアから苗を作っているからじゃないかと思われる。価格は結構バラつきがあって、300円くらいのこともあれば1200円以上のこともある。ない場合はネットで買うことになるが、近所で分けてもらうこともできる。

冬、近所に皇帝ダリアを切り倒している家があったら茎を分けてほしいと言ってみれば貰えます。これを土の中に埋めて越冬させて、春に植えましょう。田舎では定期的にブームが来ます。輪切り・挿木で増やせるので一人が栽培を始めると近所に配り、近隣が皇帝ダリアばかりになる。でも、すぐにブームは去る。
●皇帝ダリアは労力の割に大きく育って、大きく咲くので毎年植えたくなる。
●八重咲き皇帝ダリアもあります。花が少し小さいですが花が多め。
●現在の皇帝ダリアは改良されて小さくなっている。
●脇芽を挿木すると発根して株ができる。しかも簡単。流通している苗は脇枝の挿木です。
●寒冷地に「皇帝ダリアの白」があるが、これを暖かい地域で栽培すると普通の皇帝ダリアに育つ。生産者がわかっておらず、出荷されたことがあった(誰も知らなかったのでしょうがないことなんだけど)。この白い皇帝ダリアを寒冷地で栽培し続けると白い花が咲く寒さに強い株になって、多少の寒さには耐えるようになる。一方で品種改良で生まれた白い皇帝ダリアが別にあって、これは寒さに強いわけではない。
●白い八重咲き皇帝ダリアは通常のダリアより開花が半月遅いため、開花する前に霜に当たり、寒冷地だけでなく中間地でも花が見られないことがある。
植え付け時期(4月〜5月)霜に当たると枯れるので、霜が降りなくなってから植えます。4月下旬から5月に植えるようにします。関東では5月の第一週にも稀にですが霜が降りますので、5月中旬だと無難です。
用土・土づくり庭植えの場合は庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加して混ぜて用土とします。
庭植え植え付けの1週間前に、根を深く張らせるためにも庭の土を深さ40cmから50cmほど掘り返して、掘り出した庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど足してよく混ぜて用土とします。その用土を半分、穴に戻して、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやります。横にも広がるので株間は1m以上空けます。

鉢植えでは大きく育たず、花も咲きませんので、小さな苗のうちは鉢やプランターでも大丈夫ですが、必ず庭植えしてください。
●腐葉土や堆肥などの有機物をしっかりと入れないと生育が悪いです。
●昨年の茎を植える場合は節が土に埋まるように植え付けます。節から発根し、芽が出ます。
参考:皇帝ダリアの鉢植え栽培のコツのまとめ
台風対策に支柱を(7月)皇帝ダリアは放置していると4m。摘芯しても2mちょいの高さになります。しかも地上部に対して根が浅く、8月〜10月の台風や強風で倒れます。

あとちょっとで開花!って時になすすべなく倒壊するのは本当に歯がゆい思いです。そこで、植え付けた直後か、できれば7月までには支柱をつけます。支柱の方法は以下のリンクを参考にしてください。
●9月に入って涼しくなってから成長して、あっという間に4m前後まで伸びます。
●支柱は2mになったあたりで立てる。それ以前に立てていいです。それ以上に大きくなるので。
剪定(7月〜9月)順調に成長すると3m〜5mほどになります。これが風や何かの理由で倒れると事故になるかもしれません。

大体は2mまでは脇枝二本に仕立てにしておいて、3m〜4mで開花するようにします。皇帝ダリアは低く仕立てることもできるんですが実際にはあんまり見かけないです。3m〜4mくらいが「皇帝ダリアらしい」からじゃないかと思う。

花芽は9月以降に作られますので、摘芯は8月まで。9月以降に摘芯すると花芽も切り落とすことになります。摘芯・剪定の細かい手順は以下のページを参考に。
真夏(8月)はあまり生育しない丈が高くなる皇帝ダリアですが、真夏の高温時期は生育が止まります。病気ではないです。ゴーヤだとかヒマワリがグイグイ生育している時期に成長が止まりますが、9月〜11月に生育が本格化します。
●5月に植えて7月に2mになることもあるが、7月に50cmということもある。どちらも10月には4m前後になる。そのくらい成長の本番は9月〜10月。
●皇帝ダリアは短日植物で夜に街灯がついていると春〜夏に成長しやすく、秋に花が咲かない。秋に5m〜6mに育っているのに花が咲かないという非常に辛いことになる。
短日植物で花芽が出来るのは9月以降ダリア…というよりはキク科の植物は短日植物といい、日照時間が短くならないと花芽をつけないという性質があります。よって、どれだけ成長しても9月下旬〜10月以降にならないと花芽をつけません。また街灯・防犯灯などが近くにあると花芽がつかないです。

花が咲くまでに霜が降りてしまえば、咲かずに枯れるということも十分あります。寒冷地で植えるのはやめておきましょう。
●剪定をするなら8月上旬までに。9月以降に剪定すると花芽を落とすことになります。
●皇帝ダリアの短日処理は、成長点…一番上から三節か四節を布で覆って日照時間を8時間以下になるようにすると2週間で花芽ができ、1ヶ月半ほどでツボミができる。中間地・暖地であれば短日処理をする必要はないが、寒冷地だと開花前に霜が降りるので、短日処理する必要がある地域もある。寒冷地でやる場合は8月上旬にしないと霜に間に合わない。
●植物園が皇帝ダリアを夏に開花させているのは短日処理をしているから。
開花(11月)大体11月に入って開花します。つぼみが膨らみ、萼が割れて開花するまで3日か数日ほど。丈が3m〜4mになるので2階の窓から花が見えて変な感じがします。あんまり丈が高いと、2階より上に花が咲いて、2階からすら花が見えない。やっぱり摘芯して高さを抑えつつ、花を増やすのが一般的な結論です。

花が大きく、切花にして飾ることも可能。ただし蕾を切花にしても開花しませんので、切花にする場合は咲いてからに。
●皇帝ダリアの花の写真は青空をバックにしたものが多いのは樹高が高いからです。
●ただ、ネットやブログの画像では一本立ちが多い。これは見栄えがいいのが一本立ちであり、皇帝ダリアの性質をよく表しているからでしょう。
撤去(11月〜)寒さに当たると焦げたんじゃないかってくらいに真っ黒になる。霜に当たると枯れますし、霜ではなくても0度前後まで下がれば枯れます。枯れたら、ノコギリで切り倒し、全てをバラバラにして廃棄します。また支柱も撤去します。なかなかの重労働です。

黒く変色していない部分はまだ生きているので、来年も植えるのであれば、この部分を輪切りにして保存する。詳細は皇帝ダリアの越冬方法のリンクを参考に。
病害虫基本的に病害虫はほとんど発生しない。前もってオルトランをまいておけばほぼ問題ない。病害虫より台風・強風の方が問題。
テッポウムシテッポウムシカミキリムシの幼虫で幹の中を食い進んで枯らす。全滅することも十分ある。株元にオガクズがあるなら疑いましょう。穴に対応の薬剤を入れて駆除します。オルトランを前もってまいておくと予防できる。
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スリップススリップスアザミウマ)は葉っぱを削って汁を吸う虫。放置していると爆発的に増えますので、モスピランなどをまいて駆除する。
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エカキムシエカキムシは葉っぱの中を食べ進むので、葉っぱに絵を描いたように見える。エカキムシ天敵がいるため、ひどい被害にまではならないことが多いが、被害がひどいと生育不良を起こすほどになるので、前もってオルトランをまいておくといいです。
ヨトウムシヨトウムシは夜になると葉っぱを食べに出てくるイモムシ。根を食べて弱らせます。庭植えにした場合は、被害があっても枯れるまでにはならないです。
バッタバッタ被害もある。放置していると大体はカマキリなどの天敵が駆除してくれる。
特徴・由来・伝承ダリアという名前はスェーデンの植物学者「ダール」から。皇帝ダリアは別名「木立ダリア」と呼ばれます。これは「キダチ」とも「コダチ」とも呼ばれます。
そのままにしておくと、屋根より高く……3メートルから4メートルに成長して、テッペンに花をつけますので、とても目立ちます。皇帝という名に恥じない植物です。
皇帝と名が付くのはナポレオンのように寒さに弱いから?という話も。
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