オリーブ栽培の詳細版…濃厚解説ページ

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オリーブ詳細版の基礎データ

オリーブ詳細版
科名
モクセイ科
属名
オリーブ属
学名
Olea europaea
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
オリーブ詳細版の開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

オリーブとは?

オリーブ詳細版:オリーブとは?
オリーブモクセイ科オリーブ属の常緑高木。開花時期は6月、収穫時期は10月〜11月。実が食用やオリーブ油の原料となる。寒さに若干弱いですが、常緑で枝ぶりが柔らかで、大きさを抑えられるので庭のシンボルツリーによく利用されています。

耐寒性がありますが、東北・北海道などの極寒地では難しいです(耐寒温度は-3度)。寒さに晒さないと花がつかない(10度以下に10日以上)ので、冬も戸外で管理しないといけません。また、開花しても自家不和合で1本では収穫しにくい(全く結実しないのではない)。風媒花で風で受粉します。

生育の条件は肥料・水・苦土石灰水はけくらいのもので、基本的に放置で生育します。この条件も他の植物の育て方から比べるとかなり緩いです。十分な収穫というと、時間が掛かりますが、スペースがあるなら十分可能です。
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品種について家のシンボルツリーにするのであれば、さほど気にしないでもいいですが、収穫を視野に入れるならば、オリーブは自家不和合のため、2品種以上を植えないと結実はしにくいですので、必ず2品種を植えるようにしてください。同じ品種を2株ではなく、2品種です。同じ品種は同じ遺伝子なので結実しにくいです。

ホームセンターの品種タグは当てにならないので、2品種はネットショップでまとめて買うのをおすすめします。
ネバディロブロンコよく流通している一般的な品種でオリーブの代表的品種。シンボルツリーの苗としてもよく流通しています。スペイン原産のオイル用品種。果肉が柔らかすぎて食用には適さないとされます。生育が早く、剪定しても仕立てやすい。樹形は直立。早生種。自家不和合性が強く、一本では結実しにくい。

オリーブアナアキゾウムシの被害が多い。

開花が多くて、花粉が非常に多く、他のオリーブ品種を結実させやすいので、開花・収穫を目指すならば、このネバディロブロッコと別種(ミッションかマンザニロ)の組み合わせがよいです。ルッカを植えると、ルッカは結実するのに、ネバディロブロンコはなぜか実がつきません。相性ってあるんですね。
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ミッションアメリカのカリフォルニア州で発見されたスペイン計品種。葉っぱの裏がシルバー。寒さに強くて栽培しやすい。直立性で細身に仕上がりやすい。晩成のタイプである程度成長してからよく結実するようになる。実が美味しくて食用・オイル療法に使える。ただし、炭そ病に弱い。

自家不和合性が弱めで、一本でも結実しやすいが、もちろん他の品種を一緒に植えた方がよいです。大量に実をつけた翌年は結実が鈍くなることがあります。

受粉にはネバディロブランコかルッカが適しています。マンザニロとは開花時期がずれるのか、受粉しづらい。
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マンザニロオイル用・食用として栽培される品種で、実付きがよくて、実が大きい。ただし炭そ病にかかりやすい。樹形は小型で小さくまとまりやすいが、横に枝が乱れて伸び、個性的になりがち。早生種。マンザニロとはスペイン語の「小さなリンゴ」から来ています。

ミッションとは相性が悪く、ルッカ・ネバディブロンコとは受粉しやすい。
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ルッカアメリカから渡来した原産地不明の品種。成長が早く、大木になりやすく、実が小さいのが特徴の品種。実をつけるまでは時間がかかり、剪定したり、何かあると実をつけなくなるが、栽培自体は簡単で性質は強い。自家不和合性は弱く、一本でも結実しやすい。枝が枝垂れるように横に広がり、ドッシリとした樹形になります。シンボルツリーとしては良いと思われます。
炭そ病には強い。
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レッチーノ実は小さめのオイル用品種。オイルは高級品。生育が早く、剪定に強く、大木になりやすく、剪定をしなかったら、こんもりと丸く枝を伸ばします。病害虫には強い。
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アルベキーナ実は小さく、樹形も小さくまとまり、ブッシュのようにコンモリと茂る品種。樹形は小さいのですが、結実は多い。寒さに強く、病気にも強く育てやすい。枝が枝垂れて横に広がる。自家不和合性が弱めで、気が大きく育ってくると一本でも結実しやすくなる。もちろん、それでも他の品種と一緒に植えた方が収穫は増えます。
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シプレッシーノシチリア島原産のオリーブ品種。葉色が美しいので、観賞用・シンボルツリー用としてよく流通しています。
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エルグレコギリシャ産で、銀葉系の品種。若いうちから開花して結実しやすい。実が小さい。花が多く受粉樹としても利用される。
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コロネイキ葉・果実が小さく、果実は鈴なりになる。
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雑記●その他の品種 コレッジョラ・ピッチョリーネ・コラチナ・バルネア・アスコラーノ・ワラサ・ワンセブン
●実が大きい品種 アザパ・アスコラーノ・カラマタ
●おすすめの組み合わせ ミッション&ネバディロブランコ フラントイオ&レッチーノ でも土壌・地域でハッキリしないので、気にしないほうが良い。適当に買って栽培がうまく行くと自然と何種も買ってしまい、勝手に受粉する。
●花期が合わない品種がある 例)エルグレコとミッション。
●ディズニーランドに植えているのはマリーアイ。
●店頭のオリーブの品種名は当てにならない。間違っていても怒らない。そんなに大差ないので。どうしても欲しいならネットショップで買う方が失敗は減ります。
水やりオリーブは比較的乾燥気味の状態を好みます。水を頻繁にやる必要はありませんし、たくさん水をやると生育が阻害されます。鉢植えにした場合は、土が乾いていたら水をやります。庭植えにしたら自然雨で十分です。ただし真夏などに極端に乾燥すると成長が止まりますので、庭植えでも水やりをしてください。

乾燥に強いといっても極端な乾燥は苦手で、特に日本は冬に乾燥しやすいので、冬に水をやり忘れると、枯れないまでも花がうまく咲かず実が少なくなることがあります。
肥料2月に寒肥として緩効性固形肥料(化成肥料)。花が咲く時期(6月あたり)に1000倍に薄めた液肥(開花促進のため)を1回か2回ほどやります。花が散ったら、開花で消費したエネルギーを補填するための緩効性固形肥料(化成肥料)を一回。夏を越したら、秋(9月〜10月)にまた緩効性固形肥料(化成肥料)。

2月の緩効性肥料は春に効くようにするためのもので、この時期に効く必要はありません。

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植え付け・植えかえ

時期・頻度植え付け・植え替えは春か秋に行います。鉢植えは2年に一回植え替えをします。庭植えでも鉢でも、ちゃんと育ちますので、どちらでもいいです。
●枝を土に挿していると芽が出る。割と簡単。
別品種を二本収穫を目指すのであれば、オリーブは(一部を除いて)自分の花粉では実をつけないために自家不和合(同腹交配しにくい)のため、実を収穫するためにはオリーブの木を二本以上隣接して植えた方がいいです。
用土オリーブは酸性土壌を嫌い、アルカリ性土壌を好みますが、酸性じゃないなら中性で問題ないです。日本の土は放置しておくと弱酸性の土になってしまいますので、庭植えする場合は前もって苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきます。

また植えた後も、そのままにしていると弱酸性になってしまうので、2年か3年に1回程度は苦土石灰を根本に撒きます。石灰の量は直径30センチの鉢で一握り。極端に入れなければ大丈夫。

市販している花と野菜の土か、ホームセンターやネットで販売している「オリーブ専用土」を利用します。自作する場合は赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを利用します。
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庭植え植え付けの2週間前に深さ50cmを掘り返し、苦土石灰を入れて中和させます。中性(pH7)ならいいです。

中和は一週間ほどで反応が終わるので、一週間後に土に腐葉土か堆肥を元の土に対して2割ほど追加し、化成肥料を入れて、よく混ぜて用土とします。

穴に用土を半分戻して、苗を入れ、隙間に用土を入れ、余った土で株の周囲に土手を作って、水を貯め、水が引くまで待って、引いたら土手を崩してならしてください。支柱を立てて、括り付けて固定し、完成です。

庭植えの詳細な手順は以下のページを参考にしてください。
オリーブの根元に別の植物を植える人がいますが、オリーブは乾燥を好み、過湿を嫌うので、別の植物を植えると蒸れて根が腐って枯れます。
鉢植え鉢は直径30cmの尺鉢に1株を植えます。鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石(軽石)を3cm入れ、その上に用土を株を入れて、支柱を立てて、枝を括って固定して、最後にしっかりと水をやって完成です。

鉢の植え付けの詳細は以下のページを参考にしてください。
2年に一回、植え替えをします。同じ大きさの鉢でもいいですし、1号か2号大きなものでもいいです。古い鉢から株を取り出し、土を3分の1ほど落とし、根をほぐしておきます。あとは植え付けと同じように植え付け、支柱を立てて、水をやってください。

植え替えの詳細は以下のページを参考にしてください。
支柱をオリーブは根が浅く、強風で根ごと倒れることもありますので、支柱を必ず立てて、くくってください。庭植えで大きく育っても支柱は必要ですので、支柱を立てたままにしてください。
管理場所・日当たり一年中、日光が当たる場所で管理します。暴風雨・台風で花が散るので、これを避けるならば風が通らない場所で管理・植え付けをするといいですが、シンボルツリーとして植えているのであれば、気にしないでいいと思います。
越冬オリーブは寒さに一定の耐性があり、マイナス3度まで耐えられます。ですが霜や凍結に弱いので、寒冷地では根本にワラを敷いて凍結防止をしたり、霜が当たらない場所に植え付けます。北海道・甲信越では鉢植えにして冬は室内に取り込み、日当たりで管理します。
温暖化の影響でオリーブが今までは越冬出来なかった地域でも徐々に越冬出来るようになっています。広島では越冬可能です。まぁ、近所にオリーブが植えられているなら、その家主に聞いてみたらいいんですよ。それから植えるかどうかは判断したらいいです。

東北でも栽培しているらしいですが、北関東が一般的には最北と考えたほうが良い。

寒さに当たることで花芽が出来る(10度以下に20日以上)ので、できるだけ戸外で寒さに当てるべき。花・収穫を期待しないなら、室内で管理しても問題ないです。
収穫10月〜11月が収穫時期。日本ではあまりオリーブを食べませんが、実は塩漬けにしてピザなどで食べたり、ピクルスに入れるなど利用方法は色々とあります。ただ、塩漬けなどの作業が面倒ですし、口にするほどの量は収穫できないので、栽培していても収穫・利用している人はほとんどいないです。
リーフティー新芽の柔らかいものを何枚か取り、それに熱湯を注いで、3分ほど蒸らすと飲めます。すごく美味しいものでもないですけど、そういう利用法もあります。薬剤を使用していない葉っぱにしましょう。
剪定本来は5mくらいになるが、剪定で2m前後にすることは十分可能。その際はマメに剪定を。大きくなってから剪定は無理。剪定・移植時期は新芽が出る前の3月と9月~10月にします。剪定は邪魔じゃない限りはしないでいいです。

密生すると風通しが悪くなり、病害虫の原因となりますし、内部に日光が入らず、効率が悪いので枝を間引きます。ただし、オリーブの実は去年にのびた枝につくので、そういう枝は残し、古い枝から間引くようにします。

太い枝を切ったら、雑菌が入らないようにするため癒合剤を塗りましょう。木工用ボンドで代用可能。

残った枝の先を1節だけ切って、摘芯しておくと脇枝が出やすくなり、葉っぱが増えて株が大きくなります。
剪定した枝で挿木して株を増やすこともできます。

病気・害虫

オリーブアナアキゾウムシ成虫が卵を木に産みつけ、幼虫が木に穴を穴を開けつつ、テッポウムシのように穴からオガクズのような糞を出し、食べすすんでいく。生育すると成虫になり、また卵を産みつけます。卵は一度に何個も産むのではなく、毎日何個か産みつけます。

3月〜11月に活動し2か月に成虫になり、成虫になって以降は3年ほど生きます。成虫は夜に活動し、昼間はオリーブの株の根元に潜んでいるので、ここをチェックして探し、いたらスミチオン乳剤を50倍に薄めて散布します。

放置しているとオリーブが枯れることは十分あります。早めに駆除しましょう。
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テッポウムシカミキリムシの幼虫で、樹木の内部を幼虫が食べ進み、枯れてしまうことがあります。オガクズのような糞が出るので、これが見られたら、入り込んだ穴を探して、その穴に薬剤を注入して、穴は癒合剤で塞ぎます。
コガネムシ成虫が飛んできて、土中に卵を産みつけて、幼虫が根を食べるため、株が枯れることがある。庭植えの場合は、被害はそこまでじゃないですが、鉢植えだと鉢の中に2匹発生するだけで枯れてしまう。根詰まりしていないのに、水をやっても水切れするなら、コガネムシの幼虫の発生を疑います。鉢を抜いて、植え替えついでに幼虫を取り除くか、薬剤を使います。完全に食べられてからの回復は難しいので早めに対処しましょう。
スズメガ春は雑草の葉を食べ、5月〜6月あたりにオリーブの枝の中に入り込んで、食害します。オガクズのような糞を出すので、食害の穴に針金を突っ込んで、刺し殺します。被害が甚大になることはあまりないです。
ハマキムシ蛾の幼虫で、葉っぱを巻いて、内部に住んでいます。実を食べることもあるので駆除したい。対応の薬剤を散布するか、天敵となるアリ、カマキリ、アシナガバチ、ハナグモなどが来るように、逆に農薬を散布せずに自然に任せてもいいです。
カイガラムシ白い蝋に覆われた虫で、内部でオリーブの汁を吸っています。少量であれば歯ブラシで削ぎ落とします。
炭そ病カビの一種で、斑点が見られます。カビなので他の部位まで広がり、実までかかります。剪定して枝をさばいて風通しをよくすることで予防できます。発症したら、病変部分を取り除きます。
梢枯病切り傷などから菌が入って、枝先から変色して枯れていきます。剪定するときは、切り口に癒合剤を塗って予防しましょう。発症した部分を取り除いて廃棄します。
トラブルオリーブにおきがちなトラブルをまとめているので、以下のページを参考にしてください。
特徴・由来・伝承オリーブはその実から抽出したオイルがオリーブオイルとして食用だけでなく様々な用途で使われます。

オリーブの枝は鳩と並んで、平和の象徴とされています。これは「旧約聖書」の有名なノアの箱舟の物語の中で、大洪水の後で、陸地を探そうとノアが放ったハトがオリーブの枝を咥えて帰ってきたというくだりに基づいています。
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