ガーデンシクラメンの育て方
目次
ガーデンシクラメンとは?水やり肥料植え付け管理場所・日当たり栽培のコツ病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ガーデンシクラメン
- 科名
- サクラソウ科
- 属名
- シクラメン属
- 学名
- Cyclamen
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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ガーデンシクラメンとは?
ガーデンシクラメンは
サクラソウ科の
球根植物シクラメンの中から、日本の農家が寒さに強い系統を選抜、交配し開発した品種です。通常のシクラメンは霜に当たると、一発でダメですが、ガーデンシクラメンは弱るものの枯れるわけではありません。お庭に露地植えするのに向いています。
背丈の低い花なので、何かの足元に植えることが多く、実際に霜がモロに当たることは少ないです。冬の庭を賑やかにしてくれる
初心者向きの花です。
寄せ植えにも適していて、冬のガーデニング植物と共に寄せ植えにして楽しむこともできます。
草丈15cm
参考:
シクラメン・ガーデンシクラメンの花茎が短い理由と対処法ミニシクラメンとは違う
シクラメンを小さく仕立てた「ミニシクラメン」も流通しています。このミニシクラメンとガーデンシクラメンは見た目はほぼ同じなんですが、違うもので、ミニシクラメンは霜に当たると枯れます。
参考:
シクラメンとガーデンシクラメンとミニシクラメンの違いスポンサーリンク
水やり
秋〜春は鉢植えなら、土の表面が乾いたら鉢底から水がでるくらいに、水をたっぷりやってください。ガーデンシクラメンは比較的乾燥に強く、水をやりすぎると腐ってしまいます。
庭植えなら自然に降る雨でほぼ大丈夫。
鉢植えでも庭植えでも、冬はできれば午前中にします。夕方に水をやってしまうと明け方までに凍り、根を傷めてしまいます。
春以降の
水やりやその他の管理方は
シクラメンを休眠させる夏越し(ドライ法)、
シクラメンの休眠させない夏越し(ウェット法)を参考にしてください。
肥料
肥料が無くても問題無く育ちます。来年も植えるのならば球根を太らせるために生育する時期(10月から3月)に薄い液肥を二週に一回程度やってください。
10月から3月に肥料をやるのは来年の
花芽をつける目的で球根を太らせるため。春に掘り出して廃棄するのであれば肥料は不要です。
植え付け
時期
植え付けは気温が下がってから。高温と湿気で球根が腐ることがあるので最高気温が20度以下になってから植えた方が無難です。
ガーデンシクラメンは暑い時期、休眠しますので、気温が高いと植えても新しい葉っぱは出ません。9月あたりから店頭に並びますが、あまり気温が高いと植えても葉っぱが黄色くなってしまいます。よく9月に購入して植える人がいますが、枯れることがあるので9月に買ったとしても涼しいところで管理して10月中旬以降にしておきましょう。
用土
市販されている
培養土で、庭に植え付けします。もちろん鉢植えでもいいです。土を自作する場合は
赤玉土7
腐葉土3を混ぜて利用します。シクラメンの
専用土でもOK。
その他の
用土の配合については
シクラメンの用土の配合についてまとめのリンクを参考に。
鉢植え
鉢の底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で土が流れ出ないように塞いで、その網の上に鉢底石(
軽石)を2センチほど入れる。その上に用土を入れ、ガーデンシクラメンの株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやって完成です。植え付けるときは球根が傷つかないようにしてください。球根に傷が付くとそこから
病気になります。また、ポットの土も崩さずに植え付けましょう。ほぐすと根が傷ついて回復まで時間がかかります。
ガーデンシクラメンは寄せ植えにされることもありますが、冬の他の植物より水をよく求めるので、水やり管理に注意しましょう。
参考:
冬と春の寄せ植えの候補の一覧
●「葉っぱや花がある株」を植える時は土を落とさず、根を崩さないようにして植えてください。根を傷つけるとダメージがあり、生育不良を起こします。
●葉っぱや花がないただの「球根」の状態で植えるときは古い土は全て落として植え付けてください。
庭植え
植え付けの2週間前に庭を深さ15cmほど掘り返して、
苦土石灰(1平方mあたり150g)で中和しておきます。中和は1週間ほどかかるので、1週間後に、元の土に対して、2割の腐葉土か
堆肥を追加してよく混ぜ、化成肥料少量を足して用土とします。できれば1週間寝かせて土を馴染ませてください。
ここに苗を植え付けていきます。株同士は10cmほど空けます。最後に水をやって完成です。
庭土に腐葉土などを足さなくて、穴を掘って、そこに市販の培養土やシクラメン専用土で植え付けてもいいです。
管理場所・日当たり
冬
冬の間は日の当たる場所へ。霜に当たっても枯れないのですが、生育が弱って縮こまってしまいます。できれば霜の当たらない場所で管理するといいです。軒下とか、何かの植物の下とか。でも、気にしない人が多いですね。
マイナス5度~マイナス10度くらいになって土が凍結すると枯れてしまいます。
ガーデンシクラメンは札幌でも雪の下で越冬も可能。雪の下は暖かく、むしろ雪が積もっている方が越冬しやすい。吹きっさらしの寒風にあたる方が枯れる。ただ、雪が長期間、積もる地域ではガーデンシクラメンが開花があんまり見れないので注意。
夏越し
一般的には春に気温が上昇して、葉っぱが枯れたら廃棄しますが、
夏越しもできなくもないです。夏越しの方法は通常のシクラメンと同じです。夏越しの詳細は
シクラメンの休眠させない夏越し(ウェット法)、
シクラメンを休眠させる夏越し(ドライ法)のページを参考にしてください。
栽培のコツ
葉1枚に花ひとつが咲く
ガーデンシクラメンは葉っぱ一枚につき、花が一つ咲きます。購入する時は葉っぱが多いものを選ぶのがコツですが、まぁあまり気にしないでもいいでしょう。とにかく元気な株を選んでください。
葉組み
ガーデンシクラメンも球根上部に日光が当たらないとツボミが出ない。葉っぱが多いと日光が当たりにくくなりますので、葉っぱが多いなら葉組をする必要があります。
葉組み(シクラメン)を参考にしてください。
花ガラ摘み
花がしおれていたら、花を根本から捻じって引っこ抜いてください。ハサミなどで茎を切ると、取り残しが腐って病気の原因になります。
病害虫
アザミウマ(スリップス)
スリップスは小さな虫で葉っぱや花や茎にくっついて汁を吸う。春から秋に発生。一回の産卵で100個ほど産むから、
アブラムシほどじゃないがすぐに増える。枯れることもあるので、早めに駆除する。ベニカ水溶剤などが効くが耐性がつきやすい。専用の薬剤が複数ある。アザミウマがウィルスをもっているとガーデンシクラメンが
ウィルス病に感染するので、駆除しないとダメ。
灰色カビ病
灰色カビ病は低温かつ湿度の高い環境で発生しやすいです。低温といっても15度〜20度くらいで、梅雨時期に発生しやすいものですが、室温や風通しや水やりの具合によっては秋〜冬にも発生します。風通しの良いところで管理するとほぼ予防できます。
アブラムシ
アブラムシは小さな虫で、葉っぱや茎にくっついて汁を吸う。冬以外に発生。新芽の先の柔らかいところを好み、汁を吸われるとシクラメンの新芽が生育不良を起こしてしまう(そのまましぼむ)。早めに駆除しないと爆発的に増える。二、三種類の薬剤をローテーションで散布して駆除すると耐性が着く前に駆除できる。光るものを嫌うので、周囲にアルミ箔を置くと予防できるが、見た目がアレなのでやらない人が多数派。
汁を吸ったついでにウィルス病に感染させることがある。
ヨトウムシ
ヨトウムシは夜中に現れて、葉っぱやツボミを食べる芋虫。蛾の幼虫。昼間には出会わないために、いつのまにかガーデンシクラメンが丸坊主になっていることがある。黒い糞が落ちていたらヨトウムシを疑う。夕方以降に待機していると現れるので、割り箸などで摘んで駆除するというのもあり。秋と春に発生するので、3月と8月に前もって薬剤を散布しておくとよいが、8月の葉っぱが一枚もない状態で散布するのはモチベーションが湧かず、なかなかやらない。
ウィルス病
ウィルス病はウィルスが原因の病気で、ウィルスを持ったアブラムシなどが汁を吸うことで感染する。感染すると葉っぱが縮れたり、葉っぱが「非対称」に育ったり、花に変な模様が入ります。
モザイク病とも言うんですが、他の植物のように「モザイク」っぽい模様が出ません。なんかよくわからないけど元気のない株があったら、掘り出して廃棄します。鉢植えなら隔離します。
薬剤でも治療はできず、いずれは枯れてしまう上に、他の株(ガーデンシクラメン・シクラメンだけでなく他の植物も)にも感染するので、とにかくすぐに廃棄する。
病害虫と対応の農薬
萎ちょう病→ベンレート水和剤
はいかび病→トップジンM水和剤
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