綿花の育て方

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綿花
目次
綿花とは?
品種について
水やり
肥料
管理場所・日当たり
植え付け・植えかえ・種蒔き
作業
病害虫
雑記
関連記事
学名や栽培スケジュール
最終更新
植物名
綿花
科名
アオイ科
属名
ワタ属
学名
Gossypium Cultivar
別名
ワタ・木綿
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
綿花の開花時期…種まき時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…剪定時期…月別スケジュールです。
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綿花とは?

綿花(メンカ)はアオイ科ワタ属の一年草。綿花は厳密に言えば種子を包んでいる「綿」のこと。白い花にたとえて「綿花」。なので、苗を探す場合は綿花ではなくて「木綿(モメン)」とか単に「ワタの苗」、もしくは「コットン」で検索したほうがいいかも。

越冬させることが出来れば、また春に新芽が出て――というサイクルを繰り返すこともできます。越冬させることで多少のアドバンテージはあるものの綿の生育は25度以上の高温時期が中心で冬越しのメリットは冬の管理の手間を考えると薄い。春に種子をまいて、秋に収穫というサイクルを繰り返す一年草と考えてください。

発芽後生育が非常に鈍い

木綿は共生菌の力を借りて生育します。この菌に感染し窒素を取り込める態勢になるまで、本葉がなかなか増えません(一ヶ月ほど)。このとき、水やりが多いと根腐れするので注意しましょう。

最初に簡単にまとめ

●綿花はアオイ科の一年草(扱い)。綿が収穫できる。
●関東でも収穫は可能。プランター・鉢で十分収穫可能。
●東北は地域によっては難しいが、できないことはない。
●気温が高い方が夏の生育が早い。
●ある程度は落果・落花する。気にしているとストレスになる。
●受粉していないから落果・落花する。
●成功率を上げるには「人工授粉」がよい。
●風媒花で自家受粉。虫がいなくても結実はする。
挿木すると株を増やせる。
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品種について

茶綿

茶色い綿でワタの原種。カラードコットンととも。品種改良の結果、白い綿が生まれて、茶綿は栽培されなくなりました。晩生で気温が低下すると開かない場合がよくある。

和綿

繊維が短く太い日本の綿。生育が早く、育てやすい。海外の綿に押されて現在は国内ではほとんど栽培されていないが、ガーデナーの間では育てやすいのでそこそこ人気。夏は湿気を吸い、冬は暖かい。手触りもいい。座布団の中綿にしたらいいけど、そこまで収穫するのは本当に大変。

米綿(アメリカワタ)

米綿(アメリカワタ)はアメリカで品種改良された品種群のこと。俗に言う白い「ワタ」とはこれのこと。アップランド綿・ミシシッピ綿・テキサス綿・カリフォルニア綿など。メキシコ綿もアメリカ綿の品種改良版。

明治政府がアメリカから品種を取り寄せて試験栽培をしたものの失敗したように日本で栽培するのは難しい。初心者は「高性ワタ(収穫までの期間が短い)」「和綿(日本自生の綿)」を栽培する。北関東以北では栽培は厳しい。

高性ワタ

高性ワタは丈が1m以上になる。種まきして60日で開花30日で収穫収穫までが早いので関東北部でも収穫はできる。

ドワーフコットン(矮性綿)

ドワーフコットン(矮性綿)は6号鉢以上で育てる。矮性だが草丈はそんなに低くない(60cmから150cm)。実が小さい。アジア産の春蒔き。種まきから60日で開花する。

水やり

発芽後、共生菌が増えて感染するまではなかなか葉っぱが増えません。この時期に水をやりすぎると根腐れを起こします。この時期は土の様子を見て水やりの頻度を調節します。

葉っぱが増えて急激に成長する7月8月は逆に乾燥しやすくなり、水が切れないようにしっかりとやってください。

肥料

鉢植えの場合は市販の培養土に最初から肥料が入っているので、元肥はそれで十分。本葉が生えて以降は液肥を二週間に一回やります。

畑の場合は堆肥鶏糞を元肥に入れればよいですが、木綿はあまり富んでいる土だと花が咲かなくなります。様子を見つつ調整しましょう。
鉢植えは水やりで肥料成分が流れ出やすく、畑(庭植え)だと止まりやすく、周囲の土などの影響を受けるため、様子を見て判断しましょう。

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管理場所・日当たり

綿花は日光を好み、暑さにも強いので日当たりで管理します。半日陰でも収穫は可能ですが、断然、収穫量が違います。とにかく日当たり。

寒冷地では収穫前に枯れる

12度以下では生育しない。収穫までは発芽してから12度以上の環境で5ヶ月から6ヶ月以上かかる。寒冷地ではこの生育する温度の期間が短いため収穫が少ないか、実が爆ぜる前に株が寒さで終わる。

植え付け・植えかえ・種蒔き

植え付け時期

発芽温度が25度から30度と高温なので5月から7月に種まき→苗の植え付けをする。苗も流通しているが多くはないし、発芽率は悪くないので直播もよいが、双葉のうちはナメクジダンゴムシに食べられるので、まずはポットなどで種蒔き育苗してから植え付けるといいです。

用土

綿花は弱アルカリ性土壌を好みますので、種まき・植えつける一週間前までに苦土石灰を撒いて中和させておいてください。無理にアルカリ性じゃなくて「中性(pH7)」なら十分です。
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鉢植えの場合は一般的な培養土でいいです。自作する場合は赤玉土7腐葉土3を混ぜたもので植え付けます。畑に植える場合は中和してから元の土に2割か3割ほど追加してよく混ぜて用土とします。
●配合例…赤玉土小粒6腐葉土3パーライト1

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作業

種まき(4月から7月)

発芽温度は25度以上なのでそうなったら播くか、早めに苗を作るなら室内の暖かいところで発芽させて植え付ける。

上記の用土を入れた苗床(セルなど)を作る。ここに種を1cmほどの深さに埋めて水をやり、日陰で管理していると発芽する。双葉が出て、本葉が出たら、鉢や畑に植える。発芽までは1週間ほど。種まきして、まだ本葉が出たばかりくらいまでは植木鉢は頻繁には動かさない方がいい。動かすと振動で根が切れる。
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セルなどの苗床を室内の日当たりで管理して本葉まで出させるとダンゴムシ・ナメクジの被害を避けられる。ただ、綿は直根性で植え替えが苦手なので、直播がおすすめ(双葉が被害になりがちだけど)。直播の場合は30cm間隔で1個づつ深さ1cmから2cmにまく。

双葉が虫(ナメクジ・ダンゴムシなど)に食べられる。鳩も食べる。猫がほじることも。水やりを控えるとナメクジ・ダンゴムシは減る。本葉が出ると虫の被害は減るので本葉が出るまでが第一の関門。

種蒔きのコツ・雑記

●双葉についた種子の殻は放置。手で取っていると折れる。
●ナメクジは椿油カスを撒くと減る。
●一晩、種子を水につけてから播くと発芽しやすい。気温が高いなら水につけなくても発芽する。新しい種子の方が発芽しやすい。発芽率は気温次第。意外と発芽して適当にまくと間引くことになる。
●気温が高いと発芽しやすいので、コタツで温めたり、ビニールをかぶせて気温を保つとよい。芽が出たら気温がさえ許せば戸外にだす。
●種子の表面に綿がついている。むしってもいいがむしらなくても発芽には問題ない。ツルツルにする必要はないです。

苗の植え付け(5月から7月)

綿花(ワタ)は直根性で植え替えに弱い。育苗ポット内部に根が回り切る前…本葉が5枚〜6枚の時に植え付ける。苗を植えるときは土をほぐさず、根をいじらないで植える。

65cmプランターで苗4個から5個。8号鉢に苗1個。尺鉢10号鉢)に苗1個か2個。鉢は花が咲いても実がなりにくいので畑(庭植え)の方がいいです。畑の場合は株同士を30cmから40cm空けて植える。
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ワタは放置していると150cmくらいになるのですが、日本だと台風が来て倒れてしまう。なので摘芯して小さく仕立てます。それでも倒れるかもしれないので支柱をします。
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苗の植え付けのコツ・雑記

●鉢はできれば深い方がいい。
●8号鉢より小さい鉢でも栽培は可能。でも、収穫は少なくなる。5号鉢で実が4つとか5つとか。
●綿は直根性といって、一本太い根が生えていて、これが傷つくと枯れる。そのため大きくなると植え替えが出来ない。苗のときも根が傷つかないように気をつける。
●木綿は共生菌の力を借りて育っています。ポットからはずして植えると、この菌が減り、生育が止まってしまいます。そこで、ポットの底に十字の切れ込みを入れてから、そのまま植え付けをするといい。

梅雨の管理(6月7月)

ワタは気温25度以上でグイグイ生育する。生育する時期なら水を欲しがりますが、梅雨は温度がまだ低く、生育する前なのに、雨が多くて根腐れしがち。水やりを控えましょう。
●関東南部以西であれば、梅雨明け後の高温時期に一気に生育する。

開花(7月から8月)

ワタは基本的に一日花ですぐに萎む。風媒花で自家受粉可能(1株で収穫可能)。花の色が変わるのは受粉した証拠?らしいが本当かな?

実を収穫すると次の花が咲く傾向がある。花が落ちるのは水切れ。鉢植えは夏は朝夕二回水をやらないと、花が落ちる。受粉していないと落花する。風媒花なので花を揺するだけでも受粉する。
●花は1日目が黄色、二日目がピンク。

摘芯(7月)

摘芯すると脇芽が出る。摘芯せず大きくなると、枝の生育ばかりに栄養が回って花が咲かない。1m前後を目安に摘芯するといいです。

夏の管理(8月)

ワタは本来、夏は乾燥気味に管理するが、そうは言っても夏は水を欲しがり、水切れしやすい。鉢植えの場合は、水切れしない様に腰水にするといいです。深めの受け皿を敷いて、水をためておく。藻が発生するが気にしない。底面給水の鉢を利用するといいですが、受け皿でも十分。
●台風にあうと落果する。できれば台風前に室内に取り込む。極矮性種なら風の影響が少ないのでそれを育てるか、摘芯して小さくまとめるようにする。
●素焼き鉢は土中の温度が下がるのでワタには向かないが、夏が暑すぎる地域…暖地中間地は素焼き鉢の方がよい。

収穫(9月から11月)

●実になってから爆(ハジ)けるまで1ヶ月から3ヶ月かかる。
●収穫したものを何に使うのか??
●根本から切って、ぶら下げて乾燥させて、ドライフラワーにしてもいい。
●結実から50日から60日に爆ぜて収穫できる。
●実にちょっとひび割れが出て、そこからなかなかハゼなくても、無理にマイナスドライバーでこじ開けない。そんなことしても無駄。
●綿はリースにしたり切り花にしたり、マンリョウなどと一緒に正月飾りにできる。
●座布団の綿にするだけでも相当な量の綿が必要ですから、鉢植えでどうにかしようとは思わないで。
●暖地であれば9月から収穫可能、寒冷地は11月12月までずれこみ、最悪収穫は不能。

越冬(11月から4月)

一般的な方法ではありませんが、越冬もできます。綿の場合、共生菌と直根性で植え替えは適していないので、越冬させても収穫量が減るだけで、ほとんどメリットが無いです。ただ東北・北関東・日当たりが悪いなど、普通に育てていてもコットンボールになる前に冬が来る人は越冬株だと、早く開花→結実→収穫が来るので、その点はメリットです。
●12度以下になると弱る。室内でも12度以上を保つのは厳しい。床暖房の家ならいける。
●都内なら収穫は可能。室内なら越冬も可能。ただしある程度の落葉はある。木になります。冬はほぼ成長しない。越冬した株は春以降に種から育てたものよりも成長がよいが、越冬させる手間を考えるとそこまでの優位はない。

病害虫

アブラムシが発生します。ワタは食べるものではないので、農薬…オルトランを前もって撒いておきましょう。ハマキムシなども発生。
●ハマキムシ、手で潰すのが一番。
●ナメクジ
●ダンゴムシ
バッタ
ハダニ
●ホコリダニ
ハモグリバエエカキムシ
ヨトウムシ
サビ病
カメムシ

●実のお尻や茎などに蜜腺がある。蜜腺から蜜が出て、アリを呼び寄せる。アリがたかるとハマキムシなどをアリが駆除してくれる。

雑記

●種子は1株で100粒以上取れる。
●綿から種子を取り除く「綿繰り機」なるものがある。
●寒冷地では栽培はあまり適さない(不可能ではないけど、収穫が少ない)。
●寒冷地ならば、種子の袋の説明書き通りに栽培すると生育期間が短くて開花はしても収穫はできない。できるならば4月の下旬までに苗を植えたいので3月から4月のうちに種まきをして苗を作りたい。早い人は2月から苗づくりをしている。苗はあるにはあるがあまり出回っていない。発芽までは1週間前後。中間地・暖地では5月の種まきでも十分収穫に間に合う。
●白いカビは分解してくれるカビだが、白絹病の可能性もある。ネットで画像検索してみましょう。
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