ナンテンの育て方
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ナンテン
- 科名
- メギ科
- 属名
- ナンテン属
- 学名
- Nandina domestica
- 別名
- ナツテン・ナルテン
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 初心者向け
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南天(ナンテン)とは?
南天(ナンテン)は中国原産の
メギ科ナンテン属の常緑
低木。花が咲くのは6月前後で、その後真っ赤な実を付けます。南天(ナンテン)は実を鑑賞する植物です。南天(ナンテン)は年末に「難を転ずる」ということで切花としてよく飾られます。
半日陰で育つ、昔から日本で栽培されている和モノの庭木で、極端に大きくなって
剪定しにくいということもなく、手も掛からず育てやすいです。実も簡単になります。年末に切花を購入する家庭なら、植えて損は無いです。
小さくまとまり、冬に真っ赤に
紅葉する
オタフクナンテン(
お多福南天)が人気です。
樹高1m〜3m
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品種・仲間
オタフクナンテン
オタフクナンテン(Nandina domestica)はナンテンと同じナンテン属ですが、樹高が低く、結実もしない常緑低木で、剪定などのメンテナンスがほぼ不要なのでマンションや公的施設の植え込みに植えられています。秋〜冬は紅葉し、紅葉した状態で春になります。
ヒイラギナンテン
ヒイラギナンテン(Berberis japonica)はトゲがあるので
ヒイラギの名がついています。トゲが結構痛いので、防犯のために植え込みに植えます。
ナリヒラヒイラギナンテン
ナリヒラヒイラギナンテン(Berberis confusa)はメギ科
メギ属ですがナリヒラヒイラギナンテンとも呼ばれます。ヒイラギナンテンよりトゲが少なく、小さくまとまりやすく扱いやすい。古い
学名の
マホニアコンフーサと呼ばれることが多いです。
水やり
南天(ナンテン)は庭植えすることが多く、庭植えの場合は日照りが続かない限りは降雨だけで充分なので、水をやる必要はありません。
鉢植えにした場合は土が乾いていたら水をしっかりとやってください。
肥料
肥料はほとんど必要ありません。市販の土には最初から肥料が入っているので、それで植えるのなら十分です。市販の土でない場合は緩効性固形肥料(化成肥料)を最初に少しあげてください。
2月と9月に固形肥料(
鶏糞・
油粕)をあげるか、液体肥料を適宜あげれば充分です。余程の痩せ地で無い限り、肥料不足で花つきが悪くなることはありません。
肥料が少ない方が花が咲きやすい。
植え付け・植えかえ・種蒔き
時期・頻度
南天(ナンテン)は鉢植えの場合、根が詰まると生育が悪くなりますので、3年に1回程度、春か秋に植え替えをします。大抵は庭植えにします。
自家受粉しづらい
南天(ナンテン)は自家受粉しづらいので別種を二株植えると実付きがよくなります。自家受粉というのは、その木の花粉では受粉することです。南天(ナンテン)は遺伝子の多様性を維持するために「自家受粉しづらい」ようにしています。
用土
庭植えする場合、土質はほぼ選びません。あまりに庭土が
水はけが悪いなら
軽石小粒や川砂を混ぜて水はけをよくします。
鉢植えにする場合は
用土は一般的には
培養土を利用します。庭土を培養土と入れ替えて植えても良いです。
庭植え
庭植えの場合は、深さ30cm〜40cmの穴を掘って、掘り出した土に
腐葉土か
堆肥を2割ほど混ぜて、化成肥料を規定量入れて、用土とします。穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、水をやって完成です。
鉢植え
一般的には庭植えですが、鉢植えでも栽培できます。8号〜
10号鉢に1苗を植えましょう。
鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
根詰まりして植え替える場合は、古い土を三分の一ほど落として、根の負担を減らすため、枝を整理してから植え替えをしてください。 根をさばくと回復は遅くなりますが、それで枯れることはないです。
鉢を小さくしたい場合はノコギリで根と土を切って小さくしてから植えなおせば可能です。
種まき
実が赤く熟した11月ごろ、これを取ってまくと、南天(ナンテン)が生えてきます。その際は赤い果肉を取ります。果肉には発芽抑制物質があり、つけたまままくと発芽しにくいです。
乾くと発芽しなくなりますので、乾燥しないように採種してすぐにまきます。発芽は春です。発芽してから花が咲くまでは4年以上掛かりますので、普通はしません。
植えた覚えも無いのにナンテンが生えていることがあります。鳥が実を食べて、
種子が混じった糞をしたからです。
管理場所・日当たり
日当りのいい場所が好ましいですが、一日のうち半日しか日の当たらない半日陰でもナンテンは充分に生育します。しかし、日が少ないと当然、花と実の付きが悪いです。暑さにも強く寒さにもかなり強いです。北海道以外では自生可能です。
あまり日陰が過ぎると徒長(ひょろ長くなること)します。
何かの植物の根元で、雨が当たらないような場所が好ましいです。
梅雨時期に開花します
梅雨時期に南天(ナンテン)の花が咲き、それが秋以降の実になります。梅雨の長雨に晒されると受粉できず、そのままにしておくと、実がほとんど付かないということがあります。そこで、花が咲いたら、ビニールを掛けて雨除けをします。よくビニール傘を支柱にくくりつけて雨が当たらないようにしているのを見ます。
実が付かなくても枯れるわけではないので、面倒ならば放置しておきましょう。
剪定
2月、3月に剪定をします。南天(ナンテン)の枝は一度花を付けると3年程度花が咲きませんので、
花芽の付いていない枝は根本から切り落としてしまいましょう。他にも樹形を整えるために、小さな枝は必要に応じて切り落としてください。
南天(ナンテン)は下からニョキニョキと枝が生えて、先に葉っぱが付きます。こういう枝が何本も束なっていると風通しが悪くなりますし、見た目も悪いので、古い枝を根本から切ってしまいます。
また、葉っぱが茂りすぎてても風通しが悪いので、むしって調節します。このあたりはセンスもありますが、離れてみて、葉っぱが重なっていたら、むしるといいですよ。
一度花が咲いた枝は三年は開花しないのだから、ローテーションさせる。その上で、茂りすぎているなら、単純に間引くことで風通しをよくさせる。風通しが悪いと
カイガラムシなども発生しやすい。
多少強めに剪定しても、それで枯れるってことはない…ですが回復が遅いんですよね。特に日当たりが悪いと回復が遅いので、その場合は剪定は慎重にしましょう。
もしも、剪定後に枯れたとしても、それは剪定ではなくて、別の理由です。ナンテンが環境が悪くて枯れるって相当に日当たりが悪いか、土の具合が悪いか、何か決定的な要因があります。よく観察してみましょう。
挿し木で増やす?
挿し木でも増やせなくないですが、成功率が低い。枝を取って、
水揚げして、切り口に発根剤を塗って、挿し木して…もなんだかうまくいかない。そもそも成長が遅いので、発根して活動するに至るまでに、持っていたエネルギーを使い果たす?ではないかと思う。
種から育てる方が、時間はかかるが良いんでしょうね。
駆除
ナンテンは成長は遅いのですが、繁殖力はあり、しぶとい植物です。大株になると邪魔になるし、種を鳥が運んで意図しないところから生えることもあります。
駆除する場合は地上部の枝を全部取り除き、根をできるだけ掘って除くんですが、残っていると新たに生えてくることがあります。というか生えます。大株だと生えてきやすい。
そこで、地上部を刈ったら、切り口に原液の
除草剤をベトっと塗っておきます。それでも生えたら、切って除草剤を繰り返し、完全駆除を目指します。
病気害虫
カイガラムシ
カイガラムシは蝋に覆われた虫で、中で汁を吸っています。ブラシでこそぎ落としてしまいます。カイガラムシは自分で移動できませんから、落としてしまうとそのまま死にます。
ハマキムシ
葉っぱを丸めて内部に芋虫が住んでいます。大事にはならないんですが、発見したら葉っぱをむしって踏み潰しましょう。
スス病
カイガラムシなどの植物の汁を吸う虫の排泄物に生えるカビで、黒くなって美観を損ねます。洗っても取れないので、とにかく
害虫を駆除することが予防法です。
モザイク病
葉っぱにモザイクの模様が出る
ウィルス病が原因の
病気で、発症すると治療はできない。発症したら株は廃棄しましょう。
特徴・由来・伝承
中国原産で西日本・四国・九州に自生しています。夏に白い花が咲いて真っ赤な実を付けます。ナンテンという名前から「難転」とされ、御正月に縁起がいいので飾る習慣がある。
南天(ナンテン)は日本で自生するくらいなので、非常に日本の気候に合っています。南天(ナンテン)の実には喉に良い成分が含まれ「南天のど飴」として売られています。
ヒヨドリに実を食べられる、が、南天(ナンテン)の実は「まずい」。食べるものが無くなって最後に食べられる。
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