ローマンカモミールの育て方…地植え・種まきで庭に広げられます

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ローマンカモミールの基礎データ
ローマンカモミール
科名キク科
属名ローマカミツレ属
学名Anthemis nobilis
別名ローマカミツレ
水やり乾かし気味に
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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ローマンカモミールとは?

ローマンカモミールはキク科ハーブ。花・葉・茎に全体にリンゴのような甘い香りがある、背が低い多年草です。一般的にカモミールというと「ジャーマンカモミール」のこと。ジャーマンが上へと伸びるのに対してローマンはランナーを伸ばして横へと広がります(ただし広がる速度は遅い)。ハーブティにはジャーマンカモミールの方が適していて、ローマンカモミールは苦味があるため、食用より薬用に適している。もしくはハーブバスに使うといいです。

葉・茎にも香りがあり、冬も緑なので、芝生代わりに植えられることもあります(夏に枯れないならね)。芝生として植える場合はノンフラワーカモミールという花が咲かないカモミールを植えると管理が楽です。

ローマンカモミールは真夏の蒸れに弱く、切り戻して風通しをよくしておかないと地域によっては夏の間にいつの間にか消えて無くなります。多年草と思っていたのに、実質一年草ということもあります。

ジャーマンカモミールとは花が似ていますが、ローマンカモミールの方が花が大きく、中心の黄色い部分が平たいです。ジャーマンカモミールは黄色の部分が出っ張っています。
草丈15cm前後
ローマンカモミール 苗
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水やり

乾燥気味を好む。鉢植えなら、土が乾いていたら水をやる。一般的な水やりをやっていれば枯れることはない。庭植えであれば、様子を見て水をやる。

乾燥気味を好みますが、成長期に水が切れると成長が止まるので乾燥しすぎも避けます。

過湿に弱く、特に真夏の暑い時期に蒸れて枯れるので、梅雨前に収穫を兼ねてバッサリと切り戻しをして蒸れ対策をしておくと良い。それでも夏にいつの間にか消えて無くなることが多い。

肥料

あまり肥料を必要としない。肥料が多いと徒長し、花が減り、香りが鈍くなり、アブラムシが増えます。植え付けの時に少量の元肥をやれば、追肥は不要です。

植え付け・植え替え

時期・頻度

植え付けは春か秋に。鉢植えの植え替えは春がいいですが、根詰まりしているのであれば秋でも。

一年に一回植え替えをし、株分けをします。株分けしないと根詰まりを起こし、香りが鈍くなります。

用土

水はけのよい土で中性の土に植え付ける。庭植えの場合は土を中和してから有機物を追加して用土を作りましょう。

鉢植えの場合はホームセンターなどに販売しているハーブ用の土で植え付けます。

種まき

種子は安く販売されています。広がる速度が遅いので、広範囲に生やしたいなら種まきを。春(3月〜6月)か秋(9月〜10月)に適当に庭に蒔けば発芽して増えます。こぼれダネで増えるくらいですからね。

種子が非常に細かいので注意しましょう。種子を蒔いたら薄く土を被せて水をやります。ジョウロでやると種子が飛んでしまうので、霧吹きで優しくあげましょう。

乾燥しないようにしていると数日で発芽します。密生すると健康に悪いので出来るだけ間を空けたいけど、種子が小さくて限界がある。なので、発芽後に適当に蒔いて間引いて株間を開けます。間引きが追いつかないとミチミチに密生して病害虫の原因になるし、枯れ込むこともあります。あんまりに密生しているときは掘り上げて、株分けしてもいいです。
鉢植え・プランターに種まきでも可能。

鉢植え

鉢植えにするなら苗が楽で便利です。鉢植えは5号鉢に1苗。すぐに広がるので7号〜8号鉢の方がいいです。店頭で売ってる苗はすでに密生していることがあって、これを株分けすると結構な株数になる。それを別々に植える人もいます。

鉢底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、鉢底石を2cm〜3cm入れます。その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れ、最後に水をやります。

植え替えの場合は、毎年、株分けして別々に植え付けます。株を取り出し、適当に2つか3つに切って、古い土を落とし、傷んだ根を整理して、別々に植えます。

庭植え

痩せ地でも育ちますから、庭植えの場合は水捌けがよければそのまま種まき&苗の植え付けをしても大丈夫です。

植え付けの2週間前に庭に苦土石灰を撒いて中和してから、植え付けの1週間前に腐葉土堆肥を元の土に対して2割ほど混ぜて用土として植え付けます。横に広がるので、株間は余裕を持って30cm〜40cmくらい空けて植えます。もしくは土を作ってタネを直播きします。

増やし方

こぼれダネ・株分け・ランナーで増えます。

ランナーで横に増える。引っ張って土に接地させていると発根してよく増える。針金をU字にして土に挿してランナーを固定しましょう。

管理場所・日当たり

日当たりのよい場所を好みますので、夏以外は戸外の日当たりで管理するといいです。ただ、真夏に暑さと蒸れで枯れてしまうことが多いので、夏に半日陰になるような場所…木の下に植えるか、鉢植えにしてその都度適切な場所に移動させます。

夏越し

ローマンカモミールは6月〜8月によく枯れます。夏は可能であれば、とにかく日陰で育てる。半日陰じゃなくて、とにかく「日陰」で。じゃないと消えてなくなります。何かの影になっていればいいので、周囲を他の植物で囲むとか、寒冷紗やヨシズで影を作るなどでもいいです。
夏越しのために、梅雨前に株全体を半分くらいに刈り込んで、傷んだ葉っぱを取り除いて風通しをよくします。風通しをよくするとアブラムシ予防にもなります。

越冬

ローマンカモミールの耐寒温度はマイナス10度〜マイナス15度くらいで寒さには非常に強い。冬は戸外でもOKです。ただし苗が小さいうちは霜や凍結で枯れることがあります。冬も緑で越冬します。そこが芝生より優れているところ。

収穫

適宜収穫します。ハーブティにもできるが、苦味があるのであんまりしない。飲めないこともないし、毒性もないから飲む人もいる。ハーブティーに向いているのはジャーマンカモミール。ローマンカモミールはお風呂に入れてハーブバスにするといいです。

家庭菜園で栽培したハーブでハーブティーにしたいなら、ハーブティーにできる家庭菜園で育てやすいハーブのページを参考にしてください。

病害虫

アブラムシ
アブラムシがよく発生する。鉢植えであまりにアブラムシが発生したら、鉢ごとドボンと水につけてやるとアブラムシがプカプカと浮いてきて一網打尽にできます。放置しているとテントウムシ・ヒラタアブが飛んできて駆除してくれます。

ウドンコ病
ウドンコ病は名前の通りうどん粉のような白い粉を吹く病気。原因はカビ。風通しが悪いと発生しやすいので、梅雨前に刈り込んで予防します。

バッタ
バッタが葉っぱを食べる。近くの雑草からやってくるので、草取りをすると予防できます。

ナメクジ
ナメクジは梅雨時期に発生して葉っぱを食べる。春から定期的に誘引剤で一網打尽にするといいです。

特徴・由来・伝承

カモミールの近縁種ですが、若干性質が違います。

カモミールにはジャーマンカモミールとローマンカモミールとあり、どちらもキク科の植物で花の形は良く似ています。ですが、ジャーマンカモミールは一年草、ローマンカモミールは多年草です、またジャーマンカモミールは花にだけ香りがあるのに対してローマンカモミールは茎・葉・花と全体に香りがあります。花からお茶を入れた時にローマンカモミールには苦みが出ますが、ジャーマンは苦味がなく、ハーブティにするならジャーマンカモミールがいいです。

カモミールという名前は「大地の林檎」という意味のカーマイメーロンから。マトリカリアという名前には子宮という意味があり、婦人病の薬に使われていたことから。

背が低くグランドカバー・芝生に
背が低く多年草で、踏みつけるといい香りがするので、グランドカバーや芝生代わりに利用されることも。夏に暑さで枯れることがあるので、梅雨前か夏前にバッサリと切り戻しておきましょう。
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