ポインセチア栽培の詳細解説ページ…長文です
目次
ポインセチアの特徴は?仲間・品種水やり肥料管理場所栽培の作業病害虫月別の育て方関連記事学名などの基礎データ
x最終更新- 植物名
- ポインセチア詳細版
- 科名
- トウダイグサ科
- 属名
- ユーフォルビア属
- 学名
- Euphorbia pulcherrima
- 耐寒
- 5度
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 日の当たる室内
- 難易度
- 中級者向け
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ポインセチアの特徴は?
ポインセチアは
トウダイグサ科の
低木。真っ赤な花が綺麗な冬の定番植物。常緑低木でメキシコ原産の高温乾燥の地域に自生している植物ですので、冬に出回る割には
寒さに弱い植物です。育てること自体は簡単で、来年も花を楽しむことは出来なくもないですが、花を咲かせるのが…短日処理をして赤くするのが非常に大変。
季節限定のものと割り切って楽しみ、春には廃棄するのが気楽です。余力があれば、越冬して短日処理などに挑戦する程度にしましょう。
真っ赤な色合いのクリスマスカラーは冬の時期のギフトの定番です。ヨーロッパではポインセチアをクリスマスアドベントに飾る人もいます。メキシコでは「ノーチェ・ブエナ(聖夜という意味)」とも呼ばれます。
和名の
猩々木(ショウジョウボク)は酒飲みの伝説の動物で、能の題材として登場し、「猩々」で赤いものを意味します。それで猩々木なわけです。
メキシコの原住民のアグテス族はポインセチアの木を傷つけると出てくる白い樹液は解毒剤に利用し、赤い苞(ホウ)は赤の染料として利用していました。メキシコ駐在のアメリカ大使でもあったジョエル・ロバート・ポインセット氏(1779-1851)は同時に植物学者でした。ポインセットが紹介したことでポインセチアが名前になりました。
●当時はまだ植物をどこの植民地で育てるのか?というのが大事な時代でした。未知の植物は資産でもあったので、教会の牧師や、現地赴任の医師や大使には、植物学の知識を持っている人が多かったのです。
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仲間・品種
色合いが鮮やかでピンク色の改良品種。色合いも素敵ですが、なによりネーミングが素敵。育て方は同じです。
土が乾いていたら、しっかりと鉢底から水が染み出すくらいにタップリとやってください。受け皿に水が溜まっていたら捨ててください。水が切れると葉が垂れたり、葉っぱがしわしわになって、いずれは黒く変色していきます。逆に水をやりすぎると
根腐れします。指で土を触って確認するようにしましょう。
水をやるときは葉っぱや枝に水がかからないように、土に水を注ぐようにします。口の長い
ジョウロがあると便利です。
ポインセチアは乾燥地域の植物で、多少の乾燥には負けないので、
葉水(=霧吹きで葉っぱに吹きかけること)は不要なんですが、
ハダニ予防と暖房対策のためにやった方がいい。ハダニ予防のためには葉っぱの裏にも水をかけるようにします。
逆に水をやりすぎると、根が腐って枯れてしまいます。
土が濡れているときは水はやらないでください。
特に1月・2月・3月は一見すると普通なんですが、寒さで休眠しています。それまで通りに水をやると吸い上げる力が弱く、気温が低くて蒸発も鈍いので、土の中の水が無くなっていません。鉢を持ち上げて水分があるかどうか判断するか、割り箸を突っ込んで土の中が濡れているかどうか判断します。
条件によって
水やりの頻度は全く違います。真冬に2週間に一回でも根腐れすることもあるし、三日に一回でもいいくらいのこともあります。答えがなくて困りますが、環境・株の健康・
用土・風通し…様ざな要因が絡まっています。特に用土によってかなり違う。
●店売りのポインセチアの用土は
ピートモスが多く、水持ちがよい。これは水やり管理の手間を減らすため。土をよく見て水やりを調節しましょう(つまり、水やりを控えめにする)。特に冬は根腐れしやすいので注意します。
4月から10月は薄い液体
肥料を二週に一回か、緩効性固形肥料を月に一回あげます。真夏に生育が止まったら肥料はやりません。開花後は週に一回、液体肥料をあげてください。1月から3月は寒さでほぼ休眠状態ですので、肥料はやらないでください。
管理場所
生育温度は20度から30度です。春と秋は生育時期で日当たりが好ましく、戸外で管理するか、室内の日当たりで管理する。日光が当たっていない葉っぱは黄色くなって落葉しやすいので、回転させて日光を満遍なく当ててやるといいです。
春と秋は日光と肥料と水があればメキメキ成長します。春の
剪定を簡単に取り戻します。生育が鈍い場合は日当たりと肥料を見直し、病
害虫がいないかチェックしましょう。
夏の直射日光には弱く、葉っぱが傷む(
葉焼け)ので夏は
半日陰か日陰に移動させましょう。ポインセチアは葉焼けを起こすと葉っぱ全体が丸まってしまいます。
原因は「室内から外に出して急激に日光に当てた」か「水不足」です。
夏になると生育がよくなり、高温で蒸発が激しく、水切れが起きやすくなります。水が足りないと葉焼けを起こしやすくなりまるので、しっかりと水やりをして予防します。それでも葉焼けを起こすのであれば、夏は半日陰か日陰か、室内に移動させます。室内移動させるのが無難です。室内に移動させるのであればクーラーの風の当たらない場所に移動しましょう。
また、日本の暑さでポインセチアは脇芽が出なくなる「芽とび」を起こします。芽とびを起こすなら夏は半日陰で風通しの良い涼しいところに移動させます。また芽とびを予防するために、4月・5月に一旦全体を
切り戻し(剪定)します。
●芽とびは品種によって起きやすいものと、そうでないものとあり、起きない品種はよほど暑くないと起きません。
ポインセチアが出回るのは冬で、寒さに強いイメージがありますが、全くの逆。熱帯が自生地で、寒さに弱いです。霜に当たれば枯れますし、寒風に当たると葉っぱの先から黒く変色します。
冬は必ず室内で管理します。10度以下で葉っぱが傷み、0度で枯れます。室内で管理していても、場所によっては意外と0度近くになることがあります(出窓など)。毎年買ってもすぐに枯れてしまう人は置き場所を再考してみてください。
1月〜2月あたりには花も葉も落ちてほぼ丸坊主になります。これはポインセチアの生理現象として受け入れましょう。そういうもので普通のことです。環境にもよりますが毎年なります。焦らずにそのまま水やり・温度管理を継続していると3月下旬〜4月にはチラホラと新芽が出てきます。
3月以降、春になって最低気温が10度以上になったら戸外に出して、しっかりと日光に当てましょう。寒の戻りで10度以下になることがあるので、その日は室内に移動させます。
●出窓・窓は外気に近く、寒波が来ると夜中に氷点下になることもあるので、注意。寒波が来るときは室内の奥へと移動させる。
●10度以下になると葉っぱが傷みますが、傷んでも枯れるまではいかないです。
●九州南部では庭植えしたポインセチアが冬を越します。これは植えられているポインセチアが原種に近いものなんじゃないか?ってのもあります。戸外での最低気温5度以上で越冬します。5度まで下がると落葉はしますが。
室内で管理する場合、暖房やクーラーの風が当たらない場所で管理してください。
暖房やクーラーの風は非常に乾燥しています。これに当たるとすぐに葉っぱがカリカリになり、1日で葉っぱが落ちます。そのくらい苦手です。
直接、風が当たっていなければ大丈夫。もちろん冷暖房を掛けた室内は乾燥しているので、水やりの頻度を増やしたり、葉水をすることで乾燥を防ぎます。
●自動車の冷暖房にも注意。前の座席には置かないほうがいいでしょう。
ポインセチアは葉っぱにモノが当たると、葉っぱに傷が出来て、傷が大きいと黒く変色してしまいます。ポインセチア同士の葉っぱが擦れても変色するくらいに繊細です。家の中で、人が通って服の裾や足が当たるような場所には置かないようにしましょう。
また強い風に当たっても折れて変色するので、風にも注意します。
●カーテンの近くは駄目。子供が通るところ、犬猫が通るところ、廊下でスカートの裾が当たるようなところも駄目。
●ポインセチアの白い汁は微量ではありますが「毒」があります。小さいお子さんが居たり、ペットを飼っている家は注意。
参考:
ペットに危険な観葉植物たち 栽培の作業
毎年、4月5月に剪定をします。剪定は簡単で、株全体を半分まで切り詰めます(もしくは地上から2節か3節まで切り詰める)。ほとんど葉っぱがなくなっても構いません。5月〜10月の高温の季節にしっかりと生育してすぐ回復します。剪定しなくても枯れないのですが、剪定しないと大きくなりすぎて、短日処理をするときに困ります。また、切り詰めないと上部に葉っぱが出て、下がスカスカの不恰好になるし、夏の高温時期に芽とびを起こします。春の剪定は植え替えをしようとしまいと毎年しましょう。
ポインセチアの茎や葉っぱを切ると白い汁が出ます。この汁にはフォルボールという成分が含まれていて、人によっては触れるとかぶれて、水ぶくれや皮膚炎を起こします。口にしてもよくありません。食べたから死ぬというのは滅多にありませんし、普通食べることはありませんが、過去には死んだ例もあります。
剪定の際は手袋をしてください。
●1月以降は徐々に葉っぱが落ちてほぼ丸裸になります。剪定は2月3月あたりに葉っぱがほぼ落ちた時にやっても構いません。
●早めに剪定しないと夏の暑さで「芽とび」を起こします。芽とびは、脇芽が出ない症状のことです。
●枝が多いと葉っぱが小さくなる。枝10本に間引くと葉っぱが大きくなる。10本以上にすると葉っぱが小さくなる。
●節のところから芽吹く。芽吹くのは関東で5月以降。
●剪定には強い。生育する春・秋の前に切り込んでもちゃんと盛り返す。
九州南部では自生している場所もあるので庭植えも可能ですが、それ以外では寒さで越冬はできません。鉢植えです。最も適した植え替え時期は4月から5月ですが、「寒くなければ」他の時期でも植え替えは可能です。まだ剪定していなければ植え替えと同時に剪定します。
詳細は
ポインセチアの植え替えのコツのまとめ(用土・鉢・時期)を参考にしてください。
ポインセチアは
挿し木で増やします。挿し木をする時期は生育が活発になる5月から7月。剪定と同時に行うことが多いです。7~10センチほど枝を切り、枝の上の葉っぱを2枚から4枚を残してあとは落とします。切り口から白い汁が出てくるのでこれを拭き取り、白い汁が出なくなるまで水につけて洗い流してから、発根剤(メネデール)に付けてから、酸度調整済みピートモスに挿して発根させます。発根まで一ヶ月ほど掛かります。
発根したら通常のポインセチア用の用土に植え替えます。植えた後に8月に切り戻して脇芽を出させると良いです。
●株の天頂部…枝先の「天芽」の方が発根しやすいです。
●白い汁は傷口を塞ごうとして出すので、これをそのままにしていると、ポインセチアの管を塞いでしまって発根できません。また白い汁は手に触れるとかぶれるので、気をつけてください。手袋をして作業をしましょう。
●ピートモスは例で、肥料分のない
鹿沼土小粒・
赤玉土小粒・
パーライト・
バーミキュライトでも発根します。
ポインセチアは短日植物で、日が差す時間が短くなると花を赤くし始めます。そこで8月か9月あたりから2ヶ月以上、夕方の5時から朝の8時か9時までダンボールか何かの箱を被せて光を遮断します。蛍光灯などの光でも差し込むと赤くなりません。しかも一日でも忘れるとダメ。とにかく厳しいんです。
詳細は
ポインセチアを赤くする!短日処理のやり方を参考に。
病害虫
オンシツ
コナジラミが付きます。葉っぱを揺らすと白い羽虫がチラチラと飛んでいたら発生しています。
ホームセンターや花屋さんで購入した殺虫剤(ベニカマイルドなど)を掛けるか、
オルトランなどを撒いてください。
月別の育て方
より詳細な月別の栽培方法は以下のページを参考にしてください。
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