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オキザリスの育て方

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オキザリス
目次
オキザリスとは?
水やり
肥料
植え付け・植えかえ
種子について
管理場所・日当たり
オキザリスの病害虫
雑記
由来・伝承
関連記事
学名などの基礎データ
オキザリスの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。最終更新
植物名
オキザリス
科名
カタバミ科
属名
カタバミ属
学名
Oxallis
別名
オクサリス
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
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オキザリスとは?

オキザリスはカタバミ科オキザリス属の宿根多年草。冬咲(夏に休眠し冬に開花する)と夏咲(春夏に開花し冬に休眠する)がある。冬咲・夏咲の中にそれぞれ非常に頑健なオキザリスと、日本に気候にあまり適しておらず栽培がまぁまぁ難しいものもある。

このページでは育てるのが簡単なものを抜粋してまとめている。このページで基本的な傾向を把握してから、冬咲きオキザリス夏咲きオキザリスを参考にして欲しい。
冬咲きオキザリス
冬咲きオキザリス
カタバミ科カタバミ属Oxallis
夏咲きオキザリスの育て方…一部を除いて栽培は難しい
夏咲きオキザリスの育て方…一部を除いて栽培は難しい
カタバミ科カタバミ属Oxallis
品種の一覧は
オキザリスの種・品種のまとめ
オキザリスの種・品種のまとめ
ガーデニング知識(上級編)

このページで扱っている種

グラブラ(桃の輝きなど)、カプリナ、オブツサ、シンプレックス、セルヌア(=オオキバナカタバミ)、ボウィエイ、プルプレア(夏咲)、ムラサキカタバミ(夏咲)、ルテオラ、バーシーカラー、ナマクアナ、ヒルタなど。

育て方のまとめ

●オキザリスはカタバミ科オキザリス属の宿根草。このページではよく流通している種をザックリとまとめている。
●基本的に日本で流通しているのは乾燥に強く、過湿に若干弱く、頑健。
●乾燥に強く、過湿に弱い。水やりは乾燥気味に。
●休眠時期は地上部がなくなる。
肥料はあったほうがいい。
●日当たりで育てる。
●繁殖力が旺盛で、球根・地下茎・種・ムカゴで増える。庭植えにすると他の植物の領域に侵食するので、面倒だなと思う人は鉢植えで育てる。
●鉢植えは2年か3年に一回、植え替えをする。庭植えは基本的には植えっぱなしだが、庭植えも掘り上げて株分けするとよいです。
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水やり

生育時期の水やり

鉢植えの水やり…葉っぱがあるうちは土が乾いてから水をやる。基本的に乾燥気味を好むので土が乾いてからやる。土が常時濡れていると腐ってしまう。
庭植えの水やり…基本的に自然に降る雨だけで十分。極端に乾燥すると葉っぱがしおれるので、しおれないように乾燥するようなら水やりをする。
●水が多いと徒長(=ひょろ長くなること)しがち。でも、意外としおれやすいので乾燥気味にすると言っても限界がある。水やりの具合(頻度)は意外と難しい。

休眠時期の水やり

休眠すると地上部(葉)がなくなる。休眠中は基本的には水やりをしない。水をやると球根がカラカラになって消える。
●夏咲は冬に休眠し、冬咲は夏に休眠する。
●冬に地上部が枯れるタイプもある。人によっては忘れて捨ててしまうこともある。
●鉢植えが多くて、何を植えたかわからなくなる人はタグをつけて、何を植えていたか分かるようにしておこう。

肥料

オキザリスは肥料はあまり必要ではなく、無肥料でも育つが生育時期に10日から二週間に一回液体肥料をやるか、一ヶ月に一回緩効性化成肥料をやるとよく増える。

植え付け・植えかえ

植え付け時期

冬咲(秋から冬に開花)するものは8月9月に球根を植えるか、秋に苗を植える。夏咲は3月前後に球根を植える。
●環境が合うと爆発的に増えて、他の植物を駆逐することがあるかも。植えるまえにチェックする。よく分からない場合はまずは鉢植えで育ててみる。

用土

このページで扱っているような頑健な種は一般的な培養土で植え付けでもいい。自作する場合は赤玉土小粒7腐葉土3を混ぜたものを使います。もしくは一般的な花と野菜の培養土に1割か2割ほど赤玉土を混ぜるといいですが、ま、そこまで気にしないでも。

鉢への植え付け・植え替え

鉢植えの場合は、根鉢(ポット)より一回り大きな鉢を用意します。極端に大きな鉢に植え付けつると根腐れしやすいです。鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
●鉢植えの場合、二年に一回植え替えをする。最低でも3年に一回は植え替えをする。鉢が球根でパンパンになる。一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして鉢を増やす。ザックリと分ければ問題なし。
●2年か3年植えていると根詰まりして生育が鈍くなる。これは根を伸ばすスペースがなくなったため。根と地上部は連動しているため、スペースがなくなると根を伸ばせなくなり、地上部の生育も一緒に鈍くなる。花が少なくなり、葉っぱも少なくなるので植え替え(株分けも一緒に)をする。
●鉢植えでもこぼれ種で広がることがある。しょうがないやつだ。挿し芽でも増えるが、増やす必要なし。
スリット鉢で植えると底の軽石は不要。便利だが、隙間から根が出て、庭土に繁殖しやすいので受け皿を置いたり、庭土の上には直に置かないようにする。
●鉢植えにしても、庭の土の上に直接、置いていたら、鉢底の穴をスルーして広がることもあるのでNG。

庭植えの手順

庭植えの場合は、耕して掘り出した土そのまま使ってもいいし、水捌けが悪い場合は用土の項目にある土とそっくり入れ替える。用土を半分ほど戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
●よく広がるが、球根で植えた場合は一年目はあまり大きく育たない(根が切れているため)。ポット苗で植えると一年目からよく育ちます。
●庭植えにする場合は、広がりすぎないように気をつける。オキザリスは地下茎・球根で増えつつ、種子でも広がる。自信がないなら鉢植えで。
●密生させた方が開花時に綺麗だが、密生がすぎると蒸れてサビ病などが発生してしまう。庭植えでも継続して栽培するならば定期的に掘り上げて株分けをするといい。

株分け

ここで扱っているタイプの頑健なものは植えっぱなし。球根が密生すると蒸れて病気になりやすくなるので、休眠時期に掘り出して株分けするといいです。地上部があるときに株分けするとダメージで弱ります。株分けは必ず休眠時期に。

種子について

受粉しても結実しないものが多い。原因はハッキリしない。仮に種子で増やしたとしても性質を受け継がないことが多いため、一般的には球根の株分けで増やす(球根で分けたものは親の性質を完全に受け継ぐ)。筆で花粉をチョコチョコっとつけると受粉する。受粉しても結実するとは限らないので、確率をあげるためにたくさんやりましょう。
●種子ができるとカタバミと同じように弾けて飛んでいく。1mから2m飛ばし、なおかつ種子には甘味成分がついていて、蟻が運ぶため、意外なところからガンガン生えてくる。

管理場所・日当たり

生育時期の管理場所

日の当たる場所で管理する。日当たりが悪いと葉っぱが徒長して株が不恰好になります。またあまりに日光が少ないと葉っぱが黄色くなって落ちます。またオキザリスは日光が当たらないと花が開かない(雨曇りの日には閉じる性質)。とにかく日当たり。少なくとも開花する時期は日当たりの特等席に置く。
半日陰でも枯れるわけではない。耐陰性はある(思ったよりは)。
●冬咲品種だけど寒風で傷ので、葉が傷む場合は風除けをするか室内の日当たりに取り込む。
●徒長してモヤシのようにヒョロヒョロになったものでも日光にあてると徐々に回復する。
●日当たり+気温→開花。繁殖力が強い種でも日光と気温がないと開花しない。開花しないってのは花はついていても開いていないってことです。最悪なのは庭一面に広がっているのに開花しないって状態。とにかく日当たりで。

休眠時期の管理場所

冬咲は夏に休眠し、夏咲は冬に休眠する。地上部がなくなったら休眠しています。休眠中は日当たりで管理しないでもいいです。冬に休眠したなら土が凍結しない場所に移動させ、夏に休眠したなら涼しい日陰に移動させてください。

オキザリスの病害虫

基本的に病害虫はほとんど発生しない。枯らすとしたら、水のやりすぎによる根腐れ。むしろ増えすぎて困るくらい。

さび病
黄土色のカビが発生する。薬剤を撒いて、病気部分を取り除く。
サビ病 薬剤★

アブラムシ
新芽を好んで汁を吸う。薬剤を散布して駆除する。
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ハダニ
葉っぱの裏から汁を吸う。乾燥すると発生しやすい。葉っぱに水をかけてやると予防できるが、オキザリス自体が過湿を嫌うので、素直に薬剤を使った方がいい。ハダニは薬剤耐性がつきやすいので3種以上をローテーションで散布するといいです。
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雑記

●オキザリスには閉鎖花(ヘイサカ)がある。閉鎖花は花が開かず、自家受粉する。ガーデナーにとっては不愉快だが、植物としては効率よく結実させる知恵。といっても、閉鎖花であれば「結実する」というわけではない。

オキザリスの品種の一覧はオキザリスの種・品種のまとめを参考に。
●増えにくい種は高騰する。ヤエルなど。
●オキザリス・トリアングラリスは梅雨時期はサビ病にかかりやすい。
夏咲きオキザリスは縦に伸びる。縦に伸びてツボミをつけて、その重みで枝垂れるために思ったより見栄えが悪い。行灯仕立ての支柱(朝顔などに使うアレ)で支えるといいかも。
●繁殖力が強すぎて、植え付けが危険なのはグラブラ、カプリナ、オブツサ、シンプレックス、セルヌア(=オオキバナカタバミ)、ボウィエイ、プルプレアなど。ムラサキカタバミやカタバミは論外(意図して植えるものじゃない)。
●弱めの種…ヤエル、アデフノフィラ、ラシニアータ、エネアフィラ、ラシアンドラ
●サンラックの新芽が出るのは遅い。
●アデノフィラは安い球根が出回っているが「簡単な部類」ではない。
●ラシアンドラなどは夏には消えることが多い。
●フラバ系はお盆あたりに新芽が出てくるので7月中に掘り出して保存しておく。
●オキザリスのコレクターは意外と多い。鉢植えにして個別管理するので庭がパンパンに。
●珍しい品種がどうしても欲しい場合は、ネットショップ→ネットオークション→個人輸入へと流れていくことになる。ただしトラブルが発生しやすいので、こだわりがないなら手を出さない方が吉。
●オブツサが花期が長くて、花も大きくて良い。
●特定品種の球根を買って育てると、別種が入り込んでいることがよくある。
●南米産は鱗茎から直接葉っぱが出る。南米系はイモカタバミ以外は気難しいところがある。
●南アフリカ産は砂漠性でランナーを横に伸ばしてから地上に出てロゼットの葉を出す。
●鱗茎は乾燥に強い。
●苗は矮化剤(=小さくまとまる薬剤)を使っていることがある。効果が切れると徒長したように見える。

由来・伝承

オキザリスはギリシャ語の「すっぱい」から。葉や茎に酸味がある。世界中に800種以上あり、低木状に育つもの、球根性のもの、多肉のものなどがあり性質も全然違います。ここでは主に日本で流通しているオキザリスについてまとめています。

葉っぱの形も花の形も非常に多種なので、オキザリス愛好家は多いです。オキザリスは日本でいうと「カタバミ」。カタバミは繁殖力旺盛なので子孫繁栄を願って家紋の意匠になっていることも。葉っぱがクローバーマメ科)に似ているので間違われやすいってのと、「クローバー」の名前で流通していることすらある(例:ラッキークローバー)。流通上の名前はわかりやすく言うと「商品名」で、学名に準拠する必要がないので、こういうことが成り立つ。ややこしいよね。
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