小松菜栽培の詳細版
目次
小松菜とは?水やり肥料栽培手順水耕栽培管理場所・日当たり病害虫由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
x最終更新- 植物名
- 小松菜詳細版
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- アブラナ属
- 学名
- Brassica campestris
- 耐寒
- 0度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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小松菜とは?
小松菜(
コマツナ)は
アブラナ科の葉物野菜。早生、中生、晩生があり、早生は約30日で収穫します。これより過ぎると固くなっていって食べられなくなります。
初心者向けです。
生育温度は20度から25度で、25度以上の高温になると弱るため、夏に栽培する場合は日よけをするか、栽培せずに春と秋冬だけにする。寒さに強くマイナス3度まで耐えます。霜に当たると甘みが増すので旬は冬。色々と品種があるが、どれでもソコソコのものが収穫できます。収穫後、長く置いても柔らかいまま食べられます。
最初に簡単にまとめ
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水やり
発芽するまでは、土が乾ききらないように水をやります。タネが流れ出ないように優しく水をやりましょう。プランターの場合はプランターの縁に水を注ぐようにします。
小松菜は基本的には乾燥に強い植物ですから、2回目の間引きの後は土が乾いてから水をやるようにします。プランター栽培なら、底から水が出てくるまでしっかりと水をやるようにしてください。水やりは土が乾いてから、ドバっとやるメリハリのある感じでやるといいです。
小松菜の株元に勢いよく水をやると、泥が跳ねて、泥に潜む
病気が葉っぱに移って病気になります。水やりは株元にそっとするのがコツ。株が多いとそんな面倒なことを言ってられないので、ジャバジャバと上から水をやっている人が多いです。
葉っぱに水をかけると葉っぱが柔らかくなり、柔らかい葉っぱを食べようと青虫・芋虫が出てくる。それを
テデトールして捕殺する。
水が少ないと生育が遅い。逆に水が多いと徒長しやすい。
2回目の間引きが終わったら
肥料をやります。固形肥料を株の近くの土に巻いて混ぜ合わせてから、株の根元に寄せます。土を混ぜて寄せるのは
雑草対策でもあります。もしくは液体肥料を週に一回やります。
小松菜は肥料を欲しがるのでしっかりと元肥を入れておきます(ただし多肥に注意)。また、小松菜はカルシウムを多く含む野菜です。なので元肥に
有機石灰か骨粉を入れておくと丈夫に育ちます。
●外側の葉っぱが黄色くなるのは肥料不足を疑う。
●肥料が少ないと春にトウが立ちやすい。植物は「危機を感じる」と開花しやすいため。肥料が少ないことで危機を感じて子孫を残そうとするため。3月4月に株が大きくならないのにトウが立つようならば土に
堆肥(か
腐葉土)・
油粕・骨粉を多めに混ぜるようにする。
●
鶏糞はなぜか向いていない。
●小松菜の早生種は種まきから一ヶ月ほどで収穫します。発芽までで一週間、2回目の間引きまで10日か12日。となると、収穫まではあと三週間程度。固形肥料を撒くより、即効性があり、後に残りにくい液体肥料の方が小松菜の肥料としては適しています。
●夏は一ヶ月で収穫ですが、春・秋は一ヶ月半から二ヶ月かかるので、固形化成肥料でも、まーいいかな。それでも液体肥料の方が便利ですが。
栽培手順
基本的にいつでもタネをまいて収穫可能。以下は定説としてあるものと軽く考えてください。
暖地であれば2月から可能。
中間地・寒冷地は3月から小松菜栽培を開始します。春に植えて5月までに収穫し、5月から8月は休み、また9月から秋の小松菜栽培をします。夏に栽培すると虫害があるので避けましょう。気温が12度以上あれば発芽する(発芽までは室内でもOK)。
晩秋からの栽培だと害虫が少なく育てやすく、寒さに当たって甘くなるので初心者は秋栽培(9月〜10月開始)がいい。
●(上には夏は休むと書いてあるけど)夏に栽培も可能。暑さに弱いので夏の栽培は日よけをしたり、病害虫を避けて株間を10cmくらい空けること。また、
半日陰でやること。春から夏は害虫(特に
アブラムシ)が多いので労力の割に…
●暖地で2月、他で3月なのは単純に発芽温度(15度から35度)という条件のため。気温が上がらないと発芽しない(発芽しづらい)。
●収穫まで早生だと発芽から30日、晩生だと70日とかかかる。美味しいのは晩生。
●気温12度なら一週間で発芽。気温10度以上なら生育はする。
一般的な
培養土でOK。自作する場合は
赤玉土小粒7腐葉土3か、赤玉土小粒7腐葉土2
バーミキュライト1を混ぜたものに化成肥料を少量足します。一般的な培養土には最初から肥料が入っています。畑の場合は掘り出した土に
苦土石灰を混ぜ、二週間後に3割か4割ほど堆肥か腐葉土を足して準備します。
●
弱酸性から中性の土を好む。日本の土は基本的に弱酸性なので、問題ないなら
石灰を混ぜなくてもいい。むしろ、用もないのに石灰を入れているとアルカリ性になり、植物が育たない畑になっていることもある。
●
連作障害も多少はある。が、気にしないでいい程度のこと。連作して肥料切れするから連作するときは腐葉土・堆肥・肥料を追加する。
●小松菜はカルシウムを多く含む野菜です。なので元肥に有機石灰か骨粉を入れておくと丈夫に育ちます。
畑なら畝を作ります。プランターでも育てられます。
そこに
種子をまく溝を作ります。溝同士は15cm離してください。溝の深さは5mm程度。ここに種子を1cm間隔くらいで一粒ずつ撒きます。苗は最終的には間引いて5cm間隔になるのですが、
発芽率が高いので最初から一粒一粒を5cm空けて撒く人もいますが、種子は一袋に大量に入ってて残しても損なので、1cm間隔で1粒ずつをまきます。そして間引いて食べる。
種子を蒔いたら、軽く5mmほど土をかぶせて、水をやっても種子がながれないように手で軽く押さえて土を固めます。
あとは乾かないように水をやって発芽を待ちます。発芽は15度から35度で、3月以降であれば可能。発芽までは5日前後。
深さ20cmを掘り返し、苦土石灰を1平方mあたり100gほど入れて混ぜて中和させます。中和は1週間ほどかかるので、放置して待ちます。苦土石灰ではなく有機石灰なら反応が遅いので、待たなくてもいいです。
中和したら、腐葉土か堆肥を3割ほど入れ、化成肥料を規定量入れて、よく混ぜて
用土とします。この用土で畝を作ります。畝は高さ5cmで、15cm間隔・深さ5mmで溝を作るので、三本なら幅60cm、四本なら幅75cmにします。
ここに1cm間隔で種を入れ、土を被せ、水をやります。本来、小松菜は光に当たると発芽しやすいのですが、土をかぶせないと鳥や虫が種を食べてしまうので、土をかぶせておきましょう。
できれば冬はビニールトンネルで覆って防寒、夏は寒冷紗で日陰で防暑・防虫するといいです。
発芽したら、元気なものを選抜して、形の悪いもの、弱いものを間引きます。間引いたものもサラダで食べられます(スプラウト・
ベビーリーフとも言う)。この時に3cm間隔になるように間引きます。
●小松菜は長日植物で春に昼の時間が長くなってくるか、株がある程度生育するとトウが立ち、開花する。トウが立つと味が悪くなるので、それまで収穫するのが普通。トウは食べられる。花も食べられるが、硬い。
●収穫は株全体を刈り取る普通の手法でもいいが、外側の古い葉っぱだけを順次収穫する方法でもいい。この場合、残った株から新しい葉っぱが出てきて、収穫が長期間続く。トウが立つのも防げる。ただし、徐々に味は落ちる。
●開花して放置していると種子ができる。さらに放置していると
こぼれダネでそこらへんに小松菜が生えてくる。採種して、またまいて増やすことはできるが、一袋に大量に種子が入っているので別に得じゃない。でもガーデナーは採種してまきたくなる。
●寒暖差を感じるとトウが立つ。なので冬→春にトウが立つ。寒さに当たらないとトウは立たないので、他の季節ではトウは立たない。
●葉っぱだけ収穫して、根を残していると新しい葉っぱが生えてくる。そうして継続して収穫することもできなくもない。でも味が落ちるので普通はしない。
●収穫して30分以内に調理して食べれば美味しい。
コップ(透明)にバーミキュライトとパームピートを同じ割合で混ぜた培地に液体肥料をやって栽培する。戸外に出す場合はネット(網目は0.25の小さいもの)をかける。
コップに培地を入れて水を入れて、種子を入れておくと発芽する。その後は液体肥料を薄めたものを水の代わりにやる。管理場所は下記の「管理場所・日当たり」の項目に準ずる。戸外で管理すると風で倒れるので室内の日当たりで。
●まずは少量でトライしてみてから、数を増やしていきましょう。
管理場所・日当たり
春と秋は戸外の日当たり。夏は半日陰で栽培する。ベランダでも十分収穫可能。日光が当たると葉っぱが生育し、日当たりが悪いと茎が伸びて徒長する。日光が強いと葉っぱが青々となるが、葉っぱが硬くなり、また苦くなる。なので、春から秋は虫除けのための「ネット」で覆って、遮光した方が柔らかくて美味しい小松菜になりやすい。
●日当たりがよくても苦くなるし、気温の上昇でも苦くなる。
梅雨・秋の長雨に当たると病気になりやすいので、野ざらしではなく軒下が好ましい。そういう点でもベランダはいい。春は戸外の日当たりで、寒冷紗や防虫ネットを掛けて日よけ&防虫をする。夏も同様。小松菜は25度以上になると生育が鈍くなり、弱ってしまうので、夏は風通しの良い場所で寒冷紗や防虫ネットをかけて栽培するか、いっそのこと夏は小松菜栽培は諦める。
●気温が20度以上になると苦くなる。虫に対する自己防衛。苦味が苦手なら夏は諦める。
●夏の直射日光には
葉焼けする。葉焼けするがそれで枯れるわけではない。
気温が10度以上で生育するため、冬はビニールトンネルで覆って温度を保たないとなかなか生育しない。室内の日当たりで管理するというのもあるが、室内で管理していると
コバエが発生する(正確には室内だからコバエが発生しているのではなくて、戸外でも発生しているのが室内に取り込んだから室内で出会っちゃうだけ)。
●マイナス3度まで耐えるので、寒冷地以外ではほぼ大丈夫。ベランダ栽培なら尚、大丈夫。霜に当たると葉っぱが縮まるが甘みは増す。
●雪をかぶったら、むしろ大丈夫。雪の中は暖かいので。それより雪もなく寒風に晒される方が枯れる。
ナメクジ・アブラムシ・ウリハムシ・モンシロチョウ(芋虫)・コナガ(芋虫)・
ハモグリバエ(
エカキムシ)・
ヨトウムシ・
ベト病・
サビ病・
炭そ病・萎黄病・ヒヨドリ・
ウドンコ病
●害虫の発生を防ぐためにも、夏は寒冷紗(ネット)で畝全体を覆い尽くす。プランターもプランター全体を覆い尽くす人もいる。
●発生次第、薬剤を散布するか、捕殺する。
●イモムシ系がよく発生して食べ尽くす。
●病害虫は最高気温が10度以下になると発生しなくなる。冬は害虫の心配はない。代わりに寒さで傷むことはあるけど。
●小松菜の
コンパニオンプランツは
キク科、お勧めは
リーフレタスです。キク科の香りと赤い色が虫を忌避します。他に
セリ科…人参や
セロリ、
トマトなどです。こちらも香りで害虫を忌避します。
コンパニオンプランツの効果も100%ではないので、食われるときは食われます。
ナメクジは銅が苦手で、銅線でプランターや鉢を巻くことで近づかなくなる。100均で銅箔を売っているので貼り付けて予防する。ちなみに銅が黒く変色したら効果がなくなるので、張り替える必要がある。もしくはナメクジの誘引剤で駆除する。
カタツムリも同様。カタツムリはイメージがいいが農家にとっては同じ害虫。
芋虫・青虫はほぼ発生する。葉っぱに白い線が入るのはハモグリバエで中で虫が食べ歩いているため。ネットで覆うことで被害はかなり減るが、万が一ネットを張る前に発生していたらどうにもならない(そしてよくある)。寒い時期なら発生しないので秋から冬にかけて栽培するだけにしておけば虫は見ないで済む。
●青虫・芋虫などが見られないのに葉っぱが穴だらけになっているのはヨトウムシやナメクジを疑う。
●青虫・芋虫は雨・朝露が降ると、柔らかい葉っぱを食べる。15時から16時に葉っぱに水をやって二時間ほど待っていると現れるので、そこを捕まえる。
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