ガジュマル栽培の詳細解説版…育ててみたけど失敗した人向け

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ガジュマル詳細版の基礎データ

ガジュマル詳細版
科名
クワ科
属名
イチジク属
学名
Ficus microcarpa
耐寒
5度
水やり
水を好む
場所
冬は室内 夏は外
難易度
初心者向け
ガジュマル詳細版の植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ガジュマルの特徴は?

ガジュマル(フィカス・ミクロカルパ)はクワ科の湿度の高い熱帯地域の常緑樹。観葉植物として非常に人気のあるガジュマルは、成長のスピードもほどほどで、切り戻しをして樹形を整えるのも難しくなくて管理も楽です。百円均一やホームセンターでも売っているので手軽に手に入ります。また、形が一つ一つ違って個性的で魅力的。春に買うと、春から夏の順調な生育を楽しめます。

ちなみに本来は数メートルになることもあり、100均の個体が2m以上に育つこともあります。「ガジュ子」で検索すると栽培に成功したブログが見れますよ。

水が切れると落葉します。といっても年間を通して、根がジメジメしていると根が腐ってしまいます。そこで土への水やりは通常の植物同様に土が乾いたらやる程度にして、葉っぱに霧吹きで水をかけてやってください。特に春から秋の生育期に葉水をするとよく成長します。
枯れる要因は?枯れる理由の一位は土への水のやりすぎと葉水をしなかったこと。要は水の管理です。水をやりすぎてもいけませんし、乾燥しすぎても落葉してしまいます。次点が日光不足と寒さ(5度以下)や霜に当たったこと。亜熱帯種なので日本の寒さには弱く、5度以下になると枯れてしまいます。霜が降りる前に室内に取り込んであげてください。
空気洗浄機能?よく空気洗浄機能があるとされますが、植物には多少なりともあり、ガジュマルが特別に強いということもないです。水をやりすぎて土にカビが生えると、アレルギーの人は逆に症状が出るので気をつけましょう。

仲間・種類

ニンジンガジュマルガジュマル(Ficus microcarpa)を種子から育てて、根を太らせて、その根を見えるように仕立て直したものがニンジンガジュマル。なので無印のガジュマルと全くの同種。育て方はガジュマルと同じ。というか、一般的に「ガジュマル」で思い浮かべるのはこのニンジンガジュマルのことかもしれないですね。
パンダガジュマルパンダガジュマル(Ficus microcarpa 'Panda')は通常のガジュマルより葉っぱが丸く肉厚なもの。センカクガジュマルから突然変異で生まれたとされるが、実際はマルバガジュマルをガジュマルに接木したものではないかと個人的に思っています。育て方はガジュマルと同じですが、剪定の時に少し気をつけましょう。
マルバガジュマルマルバガジュマル(Ficus retusa)は葉っぱが少し小さくて丸い、匍匐性のガジュマル。ガジュマルというとニンジンガジュマルのようなモコモコとした幹が魅力的ですが、マルバガジュマルは通常の木と同じ幹なので、その辺りを知っておきましょう。
オウゴンガジュマルオウゴンガジュマル(Ficus microcarpa L.Golden Leaf)は通常のガジュマルの黄金葉品種。日光がしっかりと当たることで黄色い葉っぱになるので、室内で栽培していると通常のガジュマルと一緒。

沖縄では戸外で栽培して黄金葉になっています。
コバノガジュマルコバノガジュマル(Ficus microcarpa nitida)は東南アジアに自生するガジュマルの一種。日本では観葉植物としては流通していない。
尖閣ガジュマル尖閣ガジュマル(Ficus retusa 'Sengaku')は尖閣諸島付近で見られる匍匐性のガジュマルの一種。マルバガジュマルの変種とされる。
フイリガジュマルフイリガジュマル(Ficus microcarpa 'Variegata')は通常の無印ガジュマルの斑入り種。斑入り部分は弱く、すぐに緑葉の普通のが生えてきて、緑葉に斑入り葉が負けてしまうので、緑葉は剪定して取り除くようにしましょう。

また、流通しているフイリガジュマルは通常のガジュマルに斑入り種を接木していることがあり、斑入り枝を切ってしまうと、2度と緑葉しか出なくなります。
水やり
ガジュマル詳細版:水やり
土が乾いたら、たっぷりとやります。土に触ってみて濡れているならば水はやらないようにします。水やりの頻度は環境や鉢の土の量にもよって違ってきます。土に触ってみて、「濡れているか?」をまず一つの基準として、さらに鉢を持ち上げてみて、重さで土中に水が残っているかどうかをチェックして、水がないなら水やりをします。

土中に水が残っているかどうかは、竹串を刺して調べたり、水分計を使って確認するのでもいいです。ある程度、経験を積むと確認しなくても分かるようになります。
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夏は生育するためにガジュマルが水を吸い上げる力が強く、また、気温が高く、蒸発しやすいので、水切れも起こりやすいです。注意しましょう。

季節ごとの水やりは
を参考に。
葉水をしましょう
ガジュマル詳細版:葉水をしましょう
ガジュマルは湿気のある環境を好みます。空中の湿度は高い方がいいですが、土がずっと濡れていると根腐れを起こします。そこで、土への水やりをしつつ、年間を通して「葉水」をします。葉水とは霧吹きで葉っぱに水を掛けて湿度を保つことです。葉水は1日1回します。戸外で管理しているならば、霧吹きじゃなくて上からシャワーでジャバジャバかけてもいいです。
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葉水の代わりに葉っぱをティッシュや布で拭く…でもいいです。拭くことでゴミを取り除く効果もあります。ゴミが付いていると光合成が鈍くなり生育が悪くなる。
肥料春(4月)~夏(9月)にかけて、ゆっくりと効く置き肥(緩効性化成肥料)を一ヶ月に一回か、薄い液肥を二週に一回、あげてください。あげないからといって枯れることはないですし、場合によっては肥料で成長しすぎて邪魔になることもありますし、根詰まりしやすくなるので、適宜対応してください。
油粕コバエが寄ってくるので、化成肥料がいいです。

植え替え

時期根詰まりするようなら5月〜7月に植え替えをします。ベストシーズンは湿度の高い梅雨です。基本的には2年に1回か3年に1回程度です。

根詰まりを起こすと水切れしたり、原因もなく成長が鈍くなったり、葉っぱが黄色くなるなどの症状が出てきます。

鉢底から根が出ているのは根詰まりの兆候としてあるんですが、受け皿が湿っていたり、鉢底が湿っていると、鉢底から根が出てきやすい。この場合は植え替えはまだ不要。水やりをストップして土をカラカラにしてから鉢から株を取り出してみて、根の回り具合をチェックして判断するといいです。
用土用土は市販されている観葉植物の土で植え替えをします。もしくは赤玉土腐葉土3を混ぜたものを使います。ガジュマルは冬は室内で管理することになるので匂いのある腐葉土が少ない観葉植物の土が便利で割安です。
鉢植え
ガジュマル詳細版:鉢植え
古い鉢から株を取り出し、土を3分の1〜半分を落として植え替えます。もしくは土を全部洗い流し、傷んだ変色した根を取り除きます。根の負担を減らすために地上部の葉っぱを三分の一ほどさばくと、よりいいです。

鉢は同じ大きさか現在より1号か2号大きな鉢に植え替えます。プラ鉢より素焼き鉢の方がいいです。

植え替える新しい鉢の底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に軽石(鉢底石)を敷きます。その上に用土を入れて株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやって完成です。最後に水をやるのは根を土に馴染ませるためです。

詳細はガジュマルの植え替え仕立て直しの実際の様子(ガジュマル・ニンジンガジュマル)を参考に。
管理場所・日当たり
ガジュマル詳細版:管理場所・日当たり
春から秋は戸外の日当たりか、室内の日当たりで管理します。日光に当てればスクスク育ちます。ガジュマルは日光を好むが耐陰性もある。株を健康にするには日光に当てた方がいいのだけど、多少は日陰・室内でも大丈夫。ただし、日光が不足すると徒長して、葉っぱと葉っぱの間が空いて不恰好になります。

暑さには強いですが、夏の直射日光では葉焼けすることがあるので、気をつけましょう。
越冬
ガジュマル詳細版:越冬
寒さに弱く5度で枯れ込んできますので、冬は室内で管理し、春から秋は戸外で管理するのがよい。もちろん、年間を通して室内の日当たりで管理してもいいです。室内だと徒長しがちです。

ただ、冬に室内で管理していて、いきなり春の強い直射日光に当てると葉焼けするので、最初は戸外の日陰→半日陰→日当たりと二週間間隔で移動させて慣らせてください。
季節ごとの管理場所については季節別のガジュマルの水やりと管理場所のまとめを参考に。
●風通しは大事。風が通ることで病害虫予防にもなる。
あまり移動させないガジュマルに限ったことじゃないですが、植物は移動させると、それだけでストレスです。環境が変わっただけで調子が悪くなることもあります。

環境に慣らすためには最低でも二週間以上は移動させない方がいい。二週間以内は環境変化に適応するために、葉っぱを落としたり、生育が止まることがある。落葉したり生育が止まると焦って場所を移動させがちですが、移動させないで様子を見る。すると徐々に調子を戻す。ガジュマルは強い植物なのでよほどのことでなければ大丈夫です。
場所を変えれば落葉して、その環境に合わせた新しい葉っぱが出る。その葉っぱが出るまで待ちましょう。
剪定どこを刈り込んでも芽が出るので気にしないでもいいですよ。伸びて邪魔になったら剪定する程度にします。剪定は無理にしないでいいです。作業は5月・6月あたりの新芽がよく出る時期だと回復が早くて安心です。

気根は残す人もいるし、切ってしまう人もいる。生育とはほとんど関係ない。下に伸びて土に達すると、植え替えのとき邪魔かも。でも、ガジュマルの気根は特徴であり魅力的な容姿なので、残すのもおしゃれ。お好みで。
剪定の注意点
●5月6月に剪定して丸坊主にしても、調子がいいと一週間ほどで新芽が出て回復します。
●枝を切ったり、折れると白い乳液が出る。かぶれることがあるので、軍手をして作業しましょう。
●一本だけ枝が出ていると、そこに栄養が集中しやすい。そのままでもいいが、切って脇芽を出したり、二番手の枝と同じ高さに切ることでワサワサになりやすいです。
●丸坊主にしても健康なら復活するが、無理に丸坊主にしてはいけないですよ。あくまで回復も可能だよってだけで。「思い切って丸坊主にしてみましたー」って記事がありますけどね。
●オカヤドカリがガジュマルの葉を食べる。飼育している人は餌にどうぞ。
挿木で増やす
ガジュマル詳細版:挿木で増やす
5月〜9月なら挿木で増やせる。適当に枝を切って、切り口から白い汁が出なくなるまで洗って、水につけておく。水は毎日買え、風通しの良い日陰で管理すると1週間〜2週間で発根する。発根したら、土に植えると簡単に株が増える。気温が高い時期にすれば失敗はしないです。ガジュマルは挿木でも太くなる。

よく「水耕栽培で出た根は水用で、土に植えても意味がない!」みたいな記述がありますが、ガジュマルは水耕栽培で少し根が1cm出たものを土に植えると、そのまま土に馴染んで成長します。
●葉っぱを土に挿していると、葉っぱから発根するが、新芽が出てこず、これ以上の変化はない。
●葉っぱを半分に切っているのは、蒸散を減らし、負担を減らすため。半分に切らなくても発根するならそのままでもいいです。
病気・害虫病気になることもほとんどない。害虫が発生してもそれで枯れるとこまでいくのは「コガネムシの幼虫」くらいで、カイガラムシハダニアブラムシで致命的なダメージを喰らうとするなら、日光・水・風・土といった環境に問題があって株が弱っている可能性の方がずっと高い。
●ガジュマルの葉っぱには白い点があります。これは病気ではなく、元々のものです。
カイガラムシカイガラムシがたまに発生します。発生したら歯ブラシでもティッシュでもいいので削ぎ落とすか、薬剤を散布する。
ハダニハダニも発生する。ハダニは乾燥を好むため、葉水をすることで予防できる。葉水をする時に葉っぱの裏にも水をかけましょう。ガジュマルは葉水が必須なので普通に育てている限りはハダニはほぼ見られないが、発生したら薬剤で駆除します。
コガネムシの幼虫通称、コガネコ。コガネムシの幼虫で根を切ってしまうため、土・日光・水・肥料になんら問題がないのに、枯れていく。気がついたときはほぼ丸坊主になっていることが多い。オルトランを前もって使うか、ダイアジノンで駆除する。
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コバエ気温があがる6月〜9月に油粕や有機物に湧く。といってもコバエもウジもガジュマルを食べるわけではないので、気にならないなら無視してもいい。ただ、非常に不愉快。コバエが湧いたら、バケツに水を張って、ガジュマルの鉢を1日沈めるとウジが全滅して発生が抑えられます。
カビ・キノコ水やりが多い・風通しが悪いとカビやキノコが生えます。ガジュマルは葉水をやるので、カビ・キノコはよく発生します。珍しくはないです。カビ・キノコがガジュマルを枯らすわけじゃないんですが、水やりを減らし、風通しのいいところに移動させましょう。
特徴・由来・伝承
ガジュマル詳細版:特徴・由来・伝承
ガジュマルの女性的なモコモコした幹…あれは気根という根が変化したものです。ガジュマルの実が鳥やコウモリのエサになり、未消化の種子が糞に混じって落下、繁殖範囲を広げます。地面に落ちればそこで普通に根を張りますが、低木や岩の上に落ちた場合は、そこで発芽し、気根を伸ばします。その後、土台となった木に絡みつき、締めつけて、ついにはその木を枯らしてしまうために、「絞め殺しの木」とも呼ばれます。
沖縄ではガジュマルにはキジムナーという妖精の一種が住んでいるという伝承があります。
花も咲く?
ガジュマル詳細版:花も咲く?
ガジュマルも花が咲きます。ただ、画像のようなイチジクのような…小さな実のようなものをつけるだけです。これが花なんです。イチジクと同じでこの内側に花としての器官がついていて外からは見えません。なので、華やかな開花というのはありません。そのまま放置していても問題はないです。

最後に

ガジュマルは強くて栽培しやすく、見た目も愛らしい、初心者向けの観葉植物です。しかも百均で買えるくらいに「安い」ものもたくさんあります。まずはガジュマルで水やり・温度・日光の管理など、栽培の経験を積んで、他の植物に!って人は多いです。

次の植物は室内で育てやすい観葉植物100均で人気の観葉植物・サボテン・多肉系を8選を参考に。

それではまた。
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