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バラ栽培の詳細版

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バラ詳細版
目次
バラとは?
水やり
肥料
植え付け・植えかえ
管理場所・日当たり
病害虫
剪定
その他
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学名などの基礎データ
バラ詳細版の開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。x最終更新
植物名
バラ詳細版
科名
バラ科
属名
バラ属
学名
Rosa
耐寒
マイナス20度
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
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バラとは?

バラ詳細版:バラとは?
バラバラ科の落葉低木。ナポレオンの妻ジョセフィーヌが世界中からバラを集めて、当時開発された品種改良技術を使い、園芸種の基礎を作った、と言われています。

ガーデニングといえば「バラ」だと思っている人は多いですが、栽培難易度は高い部類。病気にかかりやすく、手をかけられないなら別の植物がいいです。

一般的なものは「ハイブリッドティー(HT)」。房咲きするのが「フロリバンダ(FL)」。小さな花が絶え間なく咲くのが「ミニバラ」。病害虫に強く大輪が咲く「イングリッシュローズ(ER)」と色々とある。

バラの育て方は本や個々人によって、かなり内容が違います。コレという正解はない!というのもあるのですが、そこまで厳密じゃなくても大丈夫ってことでもあります。特に本は難しく書いていることが多いですわ。大事なのは自分にあった「育て方」を探ること。まずはやってみること。
ハイブリッドティー…高芯咲で一輪咲。一般的にイメージする「バラ」とはこれのこと。四季咲き
フロリバンダ…房咲きの中輪で四季咲き。
モッコウバラ…常緑でツル性で育てやすい。ただし一季咲き。フェンスに絡ませて軽い目隠しにできる(しかも冬も葉がある)。便利であちこちに植えられていて珍しくない。
ミニバラ…四季咲きでよく開花するが病気になりやすい。普通の方が初心者向き。
ツルバラ…壁やフェンスなどに絡ませる。
イングリッシュローズ…病気に強く四季咲き傾向の強い品種群
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水やり

庭に植えた場合でもバラの水やりは必要です。活動している春〜秋はバラは水を欲しがり、水が切れると花が開花しなくなったり、落ちてしまうこともあります。冬は休眠しているので自然に降る雨だけでも充分です。
春〜秋は鉢植えの土が乾いたら、水をしっかりとやってください。鉢底から水が染み出すくらいにシッカリとです。受け皿があって水が溜まっているなら水は捨ててください。花やつぼみに水が掛からないようにしてください。花に水が掛かると、花がしぼんでしまいます。

葉っぱに水がかかった場合、長時間濡れたままだと病気になりやすいので、葉っぱを揺さぶって水を落とし、乾きやすいようにしてやります。これは雨が降った後もできればやったほうがいいです。濡れても短時間で乾くようなら大丈夫です。

夏は高温で蒸発が激しくて水切れしやすいので、朝と夕方の2回水をやり、水が沸騰して根を傷めるので昼の水やりは避けます。あまりの暑さで生育が鈍くなりますし、水切れするのでできれば、風通しの良い半日陰に移動させるといいです。

冬は一週間に一回程度の水やりでいいです。この時期は生育していません。眠っているので水をあまり必要としていません。
●土が凍っていたり、夜のうちに凍りそうなら水はやりません。もちろん土が濡れているなら水はやりません。
一季咲きなら2月に寒肥として、株の周囲に深さ15cmほどの溝を掘ってそこに肥料を入れ、埋めておきます。鉢植えであれば、化成肥料を撒きましょう。春の開花が終わる5月〜6月にも同様に施肥し、秋にも開花する場合は様子を見て追肥します。

四季咲きは肥料をずっと必要としていますので、2月に寒肥として施肥し、開花して以降も肥料が切れないように肥料を与えてください。

お店にバラ専用の肥料を売っています。バラってめちゃくちゃ肥料を必要とします。「肥料食い」と言われているくらいです。バラの育種が大ブームになったときに肥料で蓄財を消費した育種家が沢山いたくらいです。
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肥料はリン酸が多い方がいいとされるが、初心者で鉢植えなら緩効性化成肥料(8-8-8)で十分です。

緩効性肥料はゆっくり効くようにされた化成肥料。この緩効性肥料に有機物やミネラルを追加したものが「有機性緩効肥料」。これらは全て「化成肥料」になる。植物の土には「多様な微生物」がいて欲しいので化成肥料ではなく油粕などの100%有機物による「有機肥料」が理想。ただ、面倒なので現在は有機性緩効肥料が一般的。

鉢に置き肥する場合、置く場所を毎回変える。前回置いた場所には置かないようにする。
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液体肥料は即効性で、よく生育している時期の4月〜秋はいいが、伸びる前(3月)や休眠時期(11月から2月)は肥料としては適さない。根を傷めることもある。やるなら少なめにする。

また、元肥に即効性の肥料をやると枯れることもある。
米ぬかには肥料の効果は無いが、土壌環境をよくする効果がある。ただ初心者は手を出さない方がいい。まずは普通に店舗で販売している緩効性化成肥料を使いましょう。
油かすは根が肥料焼けしやすい。米ぬかと油粕は上級者のもの。初心者はとりえあず緩効性化成肥料を。
●マグァンプは窒素8リン40カリ8とかなり偏った感じだが、バラ栽培には適している。
●葉緑素にはマグネシウムが必要でマグネシウムが不足すると下葉から黄色くなって落葉する。マグネシムは化成肥料に含まれているので、有機肥料だけでなく化成肥料も利用する。ちなみにバットグアノはマグネシウムが豊富。
●ハイポネクス(リン)とリキダス(カルシウム)を混ぜるとリン酸カルシウムができて緩効性肥料になる。
●リンはいろんな物質と結合しやすく、鉄・アルミニウム・カルシウムと結合して土中に止まる。この結合物はそのままでは吸収されないため、根は酸を出ししたり、微生物が分解して吸収する。

植え付け・植えかえ

バラの苗には大苗・新苗・鉢苗とあります。初心者は開花している鉢苗か新苗を春に土を落とさないで植えるのが楽です。

大苗は大きく育っているので、冬に植えると春に開花するのですが、根が裸の状態で届くことが多く管理が初心者向きじゃないです。
根っこを傷めないような植え替えは、真夏を除けば年中いつでもかまいません(一回り大きな鉢にする、またはポットから庭植えにする)。ただし根を切ったり、土を崩すならばできる限り冬の休眠時期(12月から2月)にしてください。

休眠時期に土を崩して同じ大きさの鉢…大体は8号鉢に植え直します。根詰まり対策・コガネムシ癌腫病チェックのために植え替えは毎年した方がいいです。ちなみに土(=赤玉土)は3年くらいで劣化してしまうため最低でも2年に一回は植え替えをするのが健康的。
用土は市販されている花と野菜の土(培養土)にするか、バラの専用の土で植え替え・植え付けをしましょう。庭の土には堆肥をしっかりと足して、用土とします。庭土が粘土質の場合は軽石小粒を足して水はけをよくしましょう。
●余った土の処理は古い土の処分方法(初心者向け)を参考に。
土を落とすのであれば、休眠時期(12月〜2月)に植え替えをします。休眠期といっても、落葉するとは限りません。暖かい地域なら葉っぱは沢山残りますし、品種にもよる。寒い時期は葉っぱがあるけど休眠している……と考えて剪定したり、この時期に植え替えをします。

古い鉢から株を取り出し、土を三分の1だけ落とし、地上部を剪定しておきます。植え替えの際に、根に癌種病がないか?コガネムシの幼虫がいないか?をチエックしておきます。剪定については
を参考にしてください。

鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に鉢底から水が出るまで水をやってください。

より詳細は以下のページを参考に
土を落とさないで植えるので真夏以外であればいつでもいいです。

庭に植える場合は、直径50センチ、深さ50センチの大きさの穴を掘ります。大きな石があれば、取り除いてください。掘り出した土に腐葉土か堆肥を2割か3割混ぜて、用土とします。そして、穴の底に、緩効性化成肥料か有機肥料(油かす・骨粉・熔成リン肥・草木灰をそれぞれ200グラム)か、バラ用肥料を4分の1の量入れます。

その上に、肥料を混ぜていない用土を4分の2の量を入れて、株を植えます。苗の根を広げ、根を切ったり、根が上を向かないように注意しながら、根が隠れるまで残りの用土を入れます。隙間に土を入れ、あまった用土で土手を作って水鉢を作ります。最後に、水鉢に水が溜まるくらいにたっぷりの水をゆっくりとやります(水極め)。水が引いたら、土手を崩して凹んだところに再度用土を足し入れて完成です。

以下のページに解説をしているので参考にしてください。
接木の境目のテープは土に分解されるので気にならないならそのままでも。
挿木で増やすことも可能です。現在庭にある株だけでなく、お花屋さんの花束のバラでも挿木で株を増やすことはできます。種類にもよりますが、そんなに難しいものではないです。

茎を清潔なナイフで切り、水揚げする。水揚げとは切り口を水に30分〜1時間ほど、浸けて葉っぱの先まで行き割らせる作業です。水揚げしたら、挿木は太さ5mm以上、長さ7cm〜10cmで、葉っぱが2枚ついているようにし、切り口は改めて切れ味の良いナイフで切り直し、切り口に発根剤を塗る。葉っぱが大きい場合は半分に切ってください。挿木は全てが成功するわけじゃないので、複数用意しておきましょう。

挿木の土は赤玉土・鹿沼土の他にロックウールなど。ロックウールは割り箸などで穴を開けてそこに挿して、水をやって乾燥しないように明るい日影で管理する。そんな挿木の床を用意しなくても、庭土に刺しているだけで十分発根しますよ。

ちなみに親株の近くの土に挿木すると成功しやすい。原因は分からないが、バラは乾燥と湿潤を繰り返すことで発根しやすいので、親株が水を吸うために乾燥と湿潤が起きやすいからとも。
●時期はあまり問わない。冬の方が発根しやすいという話もあります。ただし発根までの時間はかかるので3月〜5月、10月が適しています。
よく日の当たる場所で管理してください。比較的日光が少なくても花が咲きます。一日3時間程度の日照でも花が咲きますが1日5時間以上を推奨。また、風通しと日当たりがいいと株が健康になり、比較的病気の被害が少なくなります。

土はやや乾燥気味を好みます。バラ園によっては、日中、土の表面が明るい茶色に見えるくらいに乾いています。しかし、地面が日陰で少々湿るような場合でも生育します(地面は日陰でも葉っぱが日光をよく浴びるような立地で見事に咲いている例は多々あります)。乾燥気味を好むといっても極度に乾燥すると最悪枯れます。特に鉢植えは水やりに注意します。
●品種によっては寒さに当たると茎に黒い斑点が出ることがある。病気ではないです。
●1日5時間の日当たりは3月から11月に当たれば十分。
●雨が当たらない場所で管理するとハダニが発生する。雨晒しだと黒星病が発生する。結局、綺麗に咲かせるには薬剤を散布するしかない!。
アブラムシウドンコ病・黒星病・カッパン病・カイガラムシなどなど、とにかく沢山の病害虫にやられます。バラを育てるのは病害虫との戦いです。

冬剪定の際に黒星病対策のための石灰硫黄合剤かマシン油を散布し、春以降はダコニールを2週に一回散布する。夏はダコニールで薬害が出るのでオーソサイドかジマンダイセンを散布する。この作業は病気が発生しようがしまいが、毎年行う。これでバラ栽培の難敵であるウドンコ病・黒星病対策になる。

あとは発生した病害虫に合わせて薬剤を散布する。

バラの病害虫の詳細は以下のリンクを参考に
アブラムシ→GFオルトラン液剤・園芸用キンチョールE・ガーデントップ・ベニカXスプレー・モスビラン液剤
カイガラムシ→STアクテリック乳剤
クロケシツブチョッキリ→ベニカR乳剤
コガネムシ類成虫→ベニカR乳剤
コナジラミ→ベストガード水溶剤
チュウレンジハバチ→GFオルトラン液剤・園芸用キンチョールE・サンヨール液剤AL
ハスモンヨトウ→ベニカR乳液
ハダニ類→園芸用キンチョールE・ダニ太郎・ベニカグリーンVスプレー
ミカンキイロアザミウマ→ベストガード水溶剤
ウドンコ病→サプロール乳剤・サンヨール乳剤AL・トップジンM水和剤・ベニカグリーンVスプレー・ベンレート水和剤
黒星病→ダニコール1000・トップジンM水和剤・ベニカグリーンVスプレー・ベンレート水和剤
クシヒゲハバチ→幼虫はテデトール(手で捕殺の意)。
テングイラガ→幼虫はトゲがあることがあるので、素手で触らず割りばしなどでつまむ。
●結局、健康に育てるのが一番の病害虫対策。
●オルトランは分子の関係から大きくなると吸い上げられなくなる。樹高1mまでしか効かない。よってツルバラには効果が薄い。
●問題になる虫は人それぞれ。
春〜秋の虫が活動する時期は、毎日花と葉っぱをチェックしましょう。

バラは虫にとって「美味しい」のか、ちょっとやられるとあっという間に全滅に近いことになりますので、毎日葉っぱをチェックして、白く変色していたり、黒い斑点が付いていたり、虫がついていたら、すぐに病気箇所・虫を切り離してください。
剪定をすると芽が動き出し、新芽が出てきます。真冬に剪定をすると、新芽が寒波で枯れこんでしまうので、最高気温が10度以上になり、寒波でぶり返しがなさそうになってから、剪定をします。北海道なら4月以降。関東以西では2月までに。

株全体を切り戻し、葉っぱを全て落とします。葉っぱを落とすのは昨年の黒点病などの病気を持ち越さないため。その場に落とさずに必ず、取り除いて廃棄する。株元に落ちている葉っぱも必ず除去する。

詳細は以下のリンクを参考に。
枯れた枝を放置していると、枯れた部分が広がって、健康な部分も枯れる。剪定して落としましょう。

新芽が動き始めたあとに寒波が来て寒さに当たるとブラインドが起きる。

一季咲は3月以降に新芽が動き始めてから剪定すると、花芽を落とし開花しなくなる。
シュートは日光が当たっていると出やすい。肥料(窒素・マグネシウム)が不足すると出にくい。

ベーサルシュートが元気よくて、古い枝の調子が悪くなっているなら、古い枝を落としてベーサルシュート側をメインにして更新しましょう。

残したシュートは春から秋にシュートをピンチ(摘芯)して、枝分かれさせる。冬剪定でこれを切り戻すときにまた「一本」にするのは、結局「小さくまとめる」ため。庭が広かったり、他の枝が貧弱ならば、冬剪定でも枝分かれしたものを残すように切り戻してもいいです。状況で判断しましょう。
冬に植え付けをした新苗(1年苗)も枝が伸び、花が咲きますが、花が咲くと消耗しますので一年目はツボミを摘んで、咲かせないようにし、株を充実させて、2年目以降にしっかりと開花させましょう。どうしても花が見たい場合はツボミが膨らんだら切って切り花として鑑賞します。

大苗(2年苗)は植え付けた年に開花させていいですが、大苗も植え付けて一年目はツボミを間引いて、株の生育に栄養を注いだ方が株の健康にはいい。特に多花性の品種は開花でヘロヘロになって生育が悪くなる。様子を見て判断する。

その他

●弱った株は肥料をやらず、水やりを控えて、日陰で管理する。メネデールやリキダスをやってもいい。肥料は弱っているときにやると「とどめを刺す」ことになる。
台風対策として、ベランダで育てている場合は、台風の時だけ室内に入れるってのも手。
●台風対策として、スクリューペグという土にねじ込むペグがある。これを地面に刺して、ロープで固定する。柵などを使って固定してもいい。
●12月から2月にツルバラを植えると開花するのは最短で秋。木立でも咲くような四季咲きシュラブ樹形のものなら秋に開花するが、弱い品種や一季咲のものは翌年の春に開花する。
●移植が難しいため、プロは鉢ごと庭に植えて、その環境が合っているかどうかを確かめてから地植え(定植)する。ただ鉢を庭にそのまま植えている間は水やりにかなり気を付けなくちゃいけない(それでも鉢剥き出しより水やり頻度は少なくて済む)。
●鉢を埋めると土の温度が上がらず、乾燥避けになる。鉢を埋めるならば不織布ポットがよい。
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