イングリッシュラベンダーの育て方…四季咲きは寒さに注意
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- イングリッシュラベンダー
- 科名
- シソ科
- 属名
- ラヴァンデュラ属
- 学名
- Lavandula
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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イングリッシュラベンダーとは?
イングリッシュラベンダーは
シソ科の
ハーブ。アングスティフォリア系
ラベンダーの代表。一般的に単に「ラベンダー」というと、このイングリッシュラベンダーを想像する。現在、
園芸品種が多く作られていて、夏の暑さに強いものもあります。育て方はラベンダーも参考にしてください。イングリッシュラベンダーは
レースラベンダーよりも冬の寒さに強く、北海道でも栽培が可能です。ほかのラベンダー同様に高温多湿に弱く、特に梅雨の長雨には弱いので、梅雨に入る前に収穫を兼ねて
切り戻しをおすすめします。夏を越すと秋にもう一度花を咲かせるものもあります。
暑さに強いラベンダーは?
ラベンダーに関しては、多種ありますし、それらが互いに親になり性質も多種ある。一般的に「ラベンダー」というとこのイングリッシュラベンダーを指します。そのため「真正ラベンダーと」いう言い方をされることもあります。
イングリッシュラベンダーは寒さに強いですが、暑さに弱く
夏越しが問題になりますが、「
アロマティコ」「ラベンダー・グロッソ」「
アボンビュー」という品種は比較的夏越しが容易です。ただし、香りが優れているのはやっぱりイングリッシュラベンダーです。
育て方のまとめ
●寒さには強いが暑さに弱い。
●梅雨前にバッサリと刈り込む。
●土が乾いたら水をやる。
●
中間地であれば春と秋は日当たりで、夏は
半日陰に移動する。
●冬の寒さには強い。
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品種
イングリッシュラベンダーとしてよく流通しているのがこの「ヒデコード(ハイデコード)」です。草丈が低く、葉っぱがシルバーがかった濃い緑のもの。耐寒性はマイナス10度〜マイナス15度と強い。夏の暑さには弱いので寒冷地向き。
ほのかはイングリッシュラベンダーの改良品種で、脇芽が出やすく開花が多い。春にも開花するのですが、
四季咲き性がつよくて、秋の涼しい時期ももう一度咲く。四季咲きというのは環境が合うと咲くという意味なので、実質初夏と秋の二季咲きですね。最近はこの二季咲きラベンダーが主です。
葉の香りもイングリッシュラベンダーなのでよくて、
人気品種。
ただ、暑さの耐性は通常で夏に弱って枯れることは多いです。
四季咲きのイングリッシュラベンダーには、他にしずか、しおり、リトルマミーといった品種もあります。
耐寒温度は0度〜マイナス3度と、中間地から
暖地の栽培では越冬が可能ですが、寒冷地では室内に取り込む必要があります。
水やり
土が乾いていたら水をやります。多湿に弱いので水のやりすぎには注意して下さい。春と秋は生育するので、この時期に水をやり日光を当てて
肥料をやることで生育し、冬や夏を越せるように太らせましょう。
夏はあまりの暑さで枯れ込みますので
水やりは控えます。ただし、水を控えすぎると根が乾燥で傷んでしまうので、水切れしないようにしましょう。鉢植えであれば夏は風通しの良いところに移動させます。できれば地面に直置きせずに、棚やスタンドに置いたり、地面との間にレンガやスノコを置いて風を通すだけでもかなり違います。
冬は水やりを控えます。庭植えであれば自然の雨だけで十分。
肥料
春と秋に液肥を二週間に一回程度、やります。暖地で育てる場合は肥料をたくさんやると夏に枯れやすくなる(ただでさえ夏に弱いのに)。
植え付け・植えかえ
時期
寒さに強いイングリッシュラベンダーは3月の最低気温が5度以上になったあたりの活動が始まる直前に植え替えをします。苗は春以降に出回りますので、これを一年栽培して、翌年の春に植え替えるパターンです。植え替えは
根詰まり予防と土の劣化予防のために毎年か、二年に一回します。
開花している間は植え替え・植え付けは避けます。
用土
酸性土壌を嫌い、
水はけの良く、肥沃な土を好みます。市販されている花と野菜の土をそのまま使うか、
赤玉土1割ほど混ぜて水はけをよくします。もしくはラベンダー
専用土か、ハーブ用の土、
観葉植物の土を使います。
●日本の土は放置しておくと徐々に
弱酸性になりますので、庭の土に植える場合はあらかじめ
石灰などを混ぜて中和しておきます。
鉢植え
古い鉢から株を取り出し、土を落とさないでそのまま植え替えます。土を落とすと
ストレスで回復が遅くなるので、いじらないようにしましょう。株の地上部を半分ほど刈り込んで根の負担を減らします。土が落とせないので新しい鉢はひとまわり大きなものを用意し、鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm入れて、株を入れて、隙間に
用土をつめて、最後に水をやって完成です。
庭植え(地植え)
植え付けの1週間前に20cmほど掘り返して
苦土石灰を混ぜ込み、中和させます。1週間で反応が終わるので、それから植え付けます。水はけが悪いならば、川砂や赤玉土を混ぜて水はけをよくします。株は30cm〜40cmほど離して植え付け、最後に水をやって完成です。
より詳細は
ラベンダーの鉢植えの植え替え・庭植え・種まきのまとめを参考にしてください。
管理場所・日当たり
春と秋は日当たりのいい場所で管理します。風通しが良い場所よりよいです。
冬の寒さには強いが…
本来のイングリッシュラベンダーはレースラベンダーよりも寒さに強く冬は霜に当たったくらいでは枯れません。北海道で栽培できるくらいですから、本州で育てる分にはこれといった対策は不要です。
ただし、昨今の四季咲き性の強いイングリッシュラベンダーの改良品種は0度前後で弱ったり、枯れたり、ダメージがあるので冬は室内に取り込む方が無難。中間地では戸外で越冬も可能ですが、寒波に注意しましょう。
●イングリッシュラベンダーでも土が凍ると枯死します。
●北海道の雪がたくさん降る地域は雪が断熱になって土までは凍結しないのですが、雪が少ない地域は寒風が土にあたり、土が凍結します。雪が少ない地域は
腐葉土やワラを敷いて
マルチングをすることで凍結を防いでください。
参考:
種類(系統)と耐寒温度と耐暑性のまとめ夏の暑さに弱いので対策を
しかし、その代わり、
夏の暑さに弱く、暖地育てるのには向いていません。最近はヒートアイランド現象とか温暖化とか色々と言われて関東でも暑くなっていますので、梅雨前に収穫を兼ねて刈込をして、傷んだ葉っぱをむしり風通しをよくしておきましょう。風通しが悪いと蒸れて消えて無くなることがあります。
室内に取り込んでおくといいですが、室内管理すると
ハダニなどが発生しやすいです。
また、鉢を地面に直置きせずに、棚やスタンドに置いて風通しをよくします。他にも
二重鉢にしたり、鉢を段ボールで覆って日差しを当てないだけでも夏の暑さ対策になります。できれば夏は寒冷紗で影にするといいです。
参考:
種類(系統)と耐寒温度と耐暑性のまとめ花摘み・剪定
イングリッシュラベンダーは暑さに弱く、春以降に茂ったままで梅雨・夏に入ると蒸れて枯れてしまいます。そこで梅雨前に株全体を半分か、三分の一まで…なんなら地際までバッサリと切り戻します。梅雨前はもしかすると開花の真っ盛りが、まだ盛りには至っていないかもしれません。でも、梅雨に入ると危険なので切り戻しましょう。
また、花が咲いてしぼんだら、花を摘んで下さい。花をそのままにしておくと、花が種を作ろうとして栄養を種にまわし、株が弱ってきます。株が弱ってくると、イングリッシュラベンダーの樹形が乱れ、花つきが悪くなります。
収穫
ラベンダーの香り成分のリナロールには鎮静作用があり、血行がよくなります。フレッシュ・ドライのハーブティーを楽しむこともできますが、他のハーブと合わせて使用する方がいいです。ハーブティーよりはポプリやハーブバスでの利用が適していると思います。ラベンダーという名前は「洗う」という言葉から来ていますしね。
剪定・切り戻しで出た葉っぱを百均などで売ってるティーパックに入れて風呂に入れるといいです。
花はツボミから咲きかけが一番香りがいいので、このときにスティックラベンダーなどに仕立てて、香りを楽しむのもいいです。
病害虫
ラベンダーは虫除け効果のあるハーブ(
蚊・虫除けになる植物・ハーブの一覧を参考に)ですが、
ヨトウムシ・ハダニ・
コガネムシが発生します。
最後に
イングリッシュラベンダーは香りも優れていて、ハーブとして利用されることも多いですが、夏の暑さに弱く、日本の気候にあっていません。他のハーブ栽培に興味があるなら、
蚊・虫除けになる植物・ハーブの一覧、
ハーブティーにできる家庭菜園で育てやすいハーブを参考にしてください。
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