一番花(第一花房)を咲かせ、結実させ、その上で摘果(=果実を取り除くこと)します。この作業には大事な理由があります。
植物には
栄養繁殖と生殖繁殖があり、栄養繁殖に傾くと葉が茂り花が咲かなくなります。生殖繁殖に傾くと葉を抑えて開花して結実するようになります。栄養繁殖に傾いた状態をツルボケ(木ボケ)と言って、トマト栽培ではツルボケを避けます。
一旦、栄養繁殖に傾き、葉っぱが茂ると花粉が付きにくい状態になります。すると花が咲いても結実しづらくなり、余計に葉っぱが茂ってしまいます。そこで
最初に咲いた花をしっかり結実させることがツルボケを防ぐ大事な作業となります。実が付けば葉っぱより実にエネルギーが注がれて、茂りすぎということにはなりません。
そこで一番花はどうにも結実させたい。苗を植える5月には大体、一番花が開花しているかその直前です。気温が十分ならば何もしなくても結実します。しかし、ツルボケの可能性を下げるためにもトマトトーン(ホルモン剤)をスプレーしてでも結実はさせた方がいいです。
一番花の果実(一番果)は硬いですし、一番果を摘果しないでいると、次の二番果、三番果が成長せず、不揃いになりやすいです。なので一番果は一般的には摘果します。しかし、人によってはそのまま育てて収穫します。家庭菜園ですからあんまり気にしないならいいです。
●トマトトーンをかけると受粉してなくても結実し、果実が大きくなります。落果・落花を防ぐ効果があるので、第一花房を着果させるのに使ったり、真夏に暑さで落花するのを防ぐときに使います。
●仮に一番花が結実しなかったとしても、二番、三番が結実すれば大丈夫です。しかし、二番、三番もが結実しなかったらツルボケの可能性はグイグイと上昇していくと考えてください。
●風が吹いても受粉しますし、茎をピンを弾いても受粉します。一番花にトマトトーンは不要だ!トマトトーンは高温時期に受粉できないから使うものだ!という人もいますが、一番花のトマトトーンは安心のための保険に近いです。
●ツルボケは
病気じゃないです。単に収穫を目的としたトマト栽培の人にとって不都合なだけです。