観葉植物の育て方

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観葉植物とは?

観葉植物:観葉植物とは?
葉っぱを観賞する目的の植物を「観葉植物」と呼んでいるだけで、そういう種類があるわけではありません。熱帯性の植物が多いために冬は戸外で管理できず、室内で管理しておかないと枯れてしまいます。

葉っぱの美しさを楽しむのが定義なので、葉牡丹も属することがあります。また水槽に植える水草なども属することがあります。

またゼラニウムは花が咲きますが、斑入りのもの(モミジバゼラニウムなど)は「カラーリーフ」として庭植え観葉植物という言い方をすることがあります(そんなことはほとんど無いけども)。

このページでは一般的に年間を通して室内で管理する観葉植物の育て方についてまとめています。
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まとめ

●このページでは観葉植物の育て方のちょっとしたコツをまとめています。詳細は各植物の育て方を参考にしてください。
葉水で湿度を維持しつつ、土への水やりをする。
●結局戸外で育てた方がイキイキする。
●強い直射日光には葉焼けすることが多い(種類にもよるが)。
●水やりは基本的に乾燥気味で始めて、丁度いい頻度を探る。
●風水とか空気清浄を植物に求めない。


観葉植物の水やり

観葉植物:観葉植物の水やり
土が乾いたら水をやる。3日に一回とか、週に一回水をやる…みたいに期間を決めるのは良くない。水やりの頻度は地域や環境や土の配合や株の大きさによって全然違うため、「コレ」という答えはない。合っても目安であり、参考にするだけにする。

土が乾いたら水をやる…ってのが水やりの定型句だが初心者にはわかりにくい。結局、経験を積んで感覚を掴んでいくしかない。毎日、葉っぱを観察して、どのくらいで水やりが必要かを判断できるようになるといいです。

水やりの注意事項

●化粧砂やバークなどを敷いていると、土の様子がわからない。少しよけて観察する。指で土に触ってみて濡れていたら水やりはしない。
●葉っぱが多少元気がないくらいで水をやる、でもいい。水やりすればシャキっとして復活する。
●水切れで萎れても復活するが、水のやりすぎで根腐れしたらほぼ復活は不可能。初心者は乾燥気味がコツ。
●観葉植物の専用土腐葉土の代わりにピートモスが入っている。このピートモスは保水力があるものだが、完全にカラカラに乾燥すると水を吸わずに、逆に水をはじくようになる。夏場などに土がカラカラに乾いてしまい、水をやっても吸収せずに流れ出るようになると、そのまま乾燥で枯れ込む。そこで、バケツに水を張って、そこに鉢ごとゆっくりと2時間ほどつけ込んで吸水力を回復させる。
●基本的に受け皿に溜まった水は捨てる。ただし夏の乾燥時期は溜まった水がすぐに蒸発してしまうので気にしない人もいるが、夏の方が水が腐りやすいしボウフラが発生するので、やっぱり捨てた方がいい。ただし、植物によっては乾燥対策で腰水にすることもあり、受け皿に水を貯めることもある。
●下葉から黄色くなるのは根腐れの可能性が高い。これは土中で根が腐って雑菌が繁殖して、その被害が下から現れるため。
オフィスは乾燥しやすく水をマメにやらないと枯れるということが多いのですが、その反対に、目に付きやすいがために水をやり過ぎて枯れるということも多いです。水やりはあくまで「土が乾いていたら」です。

葉水

観葉植物:葉水
葉水は葉っぱに霧吹きで水を吹きかけること。植物は葉の表面から水が吸収できるため、土への水やりでは根腐れしやすい時期(冬)や、空気が乾燥する環境のときは葉水で給水するといいです。

熱帯雨林が自生地ということが多く、空気中の水分が多い環境(=湿度が高い環境)を好む。土への水やりより葉っぱへの霧吹き(葉水)で自生地と似た環境を作るとよい。好ましい湿度は60%から80%。部屋全体を適した湿度にしつづけると部屋がカビるので、加湿器で50%にして葉水で60%から70%を目指すといいです。

葉水の注意事項

●葉水はハダニ予防にもなる。葉っぱの裏にもやる。
●葉っぱに埃がつく。埃がつくと光合成を阻害し、見た目もよくない。雑巾や濡れたティッシュで拭く。
●霧吹きは100円ショップので十分。

管理場所

観葉植物:管理場所
自生地は各植物によって違うが、熱帯雨林が多く、林の中の木の根本に生える。そこでは木漏れ日が当たるような場所で、あんまり強い直射日光が当たると葉焼けを起こしやすい。また、湿度の高い環境を好む(だから葉水をする)。

室内に緑を飾ることで精神的なストレスを軽減……と思っているのかいないのか、部屋やオフィスに飾ろうとするのですが、その前に一言
「外光が一切入らない所では無理」
蛍光灯だけでは――確かに1シーズンくらいは大丈夫ですが――間違いなく日光不足になり、枯れます。せめて窓があり、昼間はその外光だけで文字が読めるくらいの明るい場所でないと、頑健なハズのパキラサンセベリアでも枯れます。日陰でも育つエバーフレッシュも、蛍光灯だけでは無理です。

そういう外光の一切入らない部屋で、緑を置くのであれば造花の観葉(高いやつなら本物と見分けが付かない)をオススメします。

管理場所の注意事項

●部屋の角に置いていると、空気が滞留して、水の蒸発が鈍くなりカビやすい。
●風水で置く場所を決めない方がいい。例えば、日の当たらない玄関に置いたら、そりゃ何を置いても枯れますよ。それで「枯れたから縁起が悪い」なんてね。
●インテリアとして購入することが多いが、植物の健康を考えると窓の近くになり、「あなたが置きたいところ」には結局配置できない。となると造花が現実的だったりする。
●春から秋は戸外で日光浴させて、来客時だけ室内に取り込む…なんてことをする人もいる。
●インテリア雑誌の観葉植物の配置は、全く参考にならない。そんな場所に長期間置いていたら日光不足で枯れる!というところに平気で置いている(格好優先だとそうなる)。
●室内光だけではほとんどの植物は育たない。明るい室内より戸外の日陰の方が「光量」は多い。参考:室内と戸外での日光量の違い
●日光不足になると徒長する。徒長は葉っぱと葉っぱの間隔が広がって不格好。日光に当てましょう。徒長した先は切ってしまう。
●室内で管理していて、いきなり戸外に出すと葉焼けしやすい。戸外の日陰→半日陰→日当たりと徐々に日光に馴らす。特に冬に室内でずっと管理していて、春の強光に当てると葉焼けしやすい。
●日当たりの良い植物に適した場所と、それ以外の場所でローテーションする。3日に一回場所を変えて、ほどほどに日光を当てる。
●春から秋は戸外の日陰で育てた方が健康になる…室内用として買ったのだけどね。室内を植物でいっぱいにしようと思っていたら、ほとんど戸外に出しちゃった、ってことはよくある。
●戸外に出すと虫がつきやすい。室内で管理しているとほとんど発生しない。用土を高いものを使ったり、水をやり過ぎるとコバエが発生する。
●風水もエコプランツもセールス目的です。あんまりに気にしないで「気に入った植物」を育ててみましょう。

用土

室内で管理することが多いので、匂いのする腐葉土の入っていない「観葉植物の専用土」がよい。自作する場合は赤玉土7ピートモス2バーミキュライト1など。

用土の注意事項

●用土は専用土が良い。「虫を寄せ付けないクリーン培養土」は室内観葉植物向けで虫がつきにくいので虫が苦手な人は便利。
●専用土には雑菌が繁殖しているが、常識的な管理である限り、健康な人間には影響はない。ただし、カビが生えればアレルギー反応を起こす可能性はある。というか、カビが生えるのは水のやりすぎか、風通しが悪いなど環境が悪すぎ。
●竹炭を用土に混ぜると微生物が増えてよい。また、水はけもよくなる。
●軽いヤシ素材のベラボンがある。ベラボンは根の生育によく、根詰まりをある程度防いでくれるが、軽すぎて鉢がひっくり返ることすらある。縦長の植物+プラ鉢+ベラボンだと、もう軽すぎて倒れる。そういう場合は普通の専用土にするか、鉢を重い焼き物にする。

植え替え手順

観葉植物:植え替え手順
根詰まりする前に植え替えをする。植え替えは2年か3年に一回ほどが通例。鉢底から根がはみ出しているなら根詰まり寸前なので植え替えをした方が良い。詳細は各植物の植え替え項目を参考にしてください。

古い鉢から株を取り出し、古い土を落とします。発泡スチロールが入っている場合は、植え替え後も同じように入れます。発泡スチロールは水はけを良くし、軽く仕上げるのに便利な資材です。

新しい鉢は同じ大きさでもいいし、少し大きなものでもいいです。

鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石を2cm入れ、その上に用土を少し入れて、株の土面が鉢のフチの2cm〜3cm下になるように調節します。あとは株を入れ、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやって完成です。

植え替えの注意事項

●鉢底に穴が空いてない鉢があるが、上級者でも水やりの加減は難しい。どうしても使うなら鉢底に根腐れ防止剤(セラミスなど)を入れる。それでも難しい。
5号鉢以下くらいなら鉢底の軽石はなくてもいい。
●株元をココヤシや化粧砂やバークなどで覆うとコバエの発生を予防できる。コバエの発生原因は水のやりすぎなので、水やりを見直す。
●100円均一にミニの観葉植物がある。店舗によっては置いていない。また、店舗によって品種が違う。複数の店舗を巡るのは楽しい。
●植え替え直後に水をやり、その後は日陰で乾かし気味管理して根が土に馴染むのを待つ。新芽が出るようなら根が広がっているので通常管理に戻す。

100円ショップと観葉

生活の土台となっている100円ショップにも観葉植物だけでなく、関連ツールを販売しているが、基本的には園芸分野での100円ショップは安かろう悪かろうが多い。特に土からは虫が発生したりといい話は聞かない。素直にホームセンターかネットショップで買った方がいいです。

100円ショップの注意事項

●100円ショップで買った小さな観葉植物を、大きな株に育てるのは大変。そもそも生育が遅いから室内栽培に適しているからと販売されているのだから。大きな観葉植物が欲しいなら素直にそれを買いましょう。
●100円ショップで買った観葉植物はインテリアではなく「育てる」ために買うといい。育てて変化する過程を楽しむ。大きな株を買うのは、ある程度経験を積んでからの方がいい。
●100円ショップの観葉植物の専用土は品質が悪い。安かろう悪かろうです。虫がワクしカビも生える。参考:100円ショップの安い土はダメか?(初心者向け)

トラブル

雑記

簡単なトラブルを雑記としてまとめています。
●育てても枯れす人は造花(フェイクとかイミテーショングリーン)もあり。高い造花は見分けがつかない。人によっては造花を本物と思って水をやっていた…ってことも。
●部屋が観葉植物でいっぱいになったら、廃棄する選択も必要。ゴミで出すのに罪悪感があるなら、知人・近所の人に譲渡する。枯れてしまったのは新聞紙にでもくるんでゴミに出すか、それが悲しいなら庭に穴掘って埋める。参考:草刈り・草取り・落葉清掃で出たゴミの処理 古い土の処分方法(初心者向け)
●樹液が出て床がベトベトになることもあるが、カイガラムシアブラムシ・ハダニなど植物の汁を吸う害虫の糞はベトベトしているので、それかもしれない。よく観察して害虫がいたら対応の薬剤で駆除する。
●キノコや藻やカビは普通に管理していても発生する。それだけでは枯れないが現在の環境はよくない(ちょっと過湿気味)。鉢の底に隙間を作って、風通しをよくして、小さな扇風機(USB扇風機とか)で風を送ると改善する。
肥料焼けを起こすと成長点が黒ずむ。
●観葉植物で空気が綺麗になるなんてことはない。多少はあっても認識できるレベルではない。ただし、植物があることで人間が精神的に落ち着くのはある(ストレスの軽減)。
●枯れたかどうか分からない場合は、根元を掴んで揺らしてみて、根が生きているとは思えないくらいグラグラしていたら根腐れして枯れている。ただし根詰まりしているとガッチリしていてグラグラしない。鉢から引っこ抜いて根を確認して白い綺麗な根が見えたら根腐れではないです。
●枝先が枯れ込んでいても、完全に枯れているとは限らない。そのときは枝を切り戻してみる。枝の断面図の芯が生ならまだ生きている。参考:庭木が枯れたかどうかの確認
●グリーンを飾ると、心が安らぐというのが一般的なイメージですが、視界のうち30%以上がグリーンになると、逆にストレスを感じるようになるそうです。

観葉植物の一覧

一覧

アボカド
食べた後のタネを栽培して観葉植物にすることも出来ますし、ネットでは生育したものを販売しています。暖地では庭植えも可能。

パキラ
頑健。でも枯らす人は多数。どうしても枯らす人は水やりの頻度について再考してください。

幸福の木
幸福の木が枯れると、洒落にならない。これもパキラ同様に水やりの頻度さえうまくすれば枯れません。

青年の木ユッカ
極端に大きくならないのがメリット。難度はパキラと同じくらい。先が尖っているので子供が居る家では勧めません。

ストレリチア・オーガスタ
ストレチア極楽鳥花)の観葉植物版。根が強く、根詰まりしたままにしておくと、陶器の鉢をカチ割ります。日に当てると花が咲くこともあります。

アジアンタム
日陰に強いですが、寒さと乾燥に非常に弱い。おちおち旅行にいけない。

ベビーティアーズ
赤ちゃんの涙、という名前に負けず劣らずの愛らしさで人気です。ただし乾燥に弱く、また蒸れにも弱いので初心者には向かない。と分かっていても買ってしまうくらいにかわいい。

ポニーテール
天辺に葉っぱがワサワサと生え、下半身太りしています。幹が太く、水分を溜めるので乾燥に強い。枯れると幹だけが残り、非常に悲しい。

ドラセナコンシンネ
細い葉っぱがワサワサと生え、よく幹がグネグネとまげてあります。人工的に曲げています。育て方の難度はパキラや幸福の木と同じくらい。

フェニックス
日陰に強く、水を好む。暖地では戸外でも育ちます。ただし、非常に大きくなるので注意。

観音竹
全体的になんか陰気な雰囲気があるために、敬遠されがちですが、日陰に強いので、育てたことが無い人はどうぞ。
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