コンパニオンプランツの一覧(効果のある組み合わせと理由)

記事が気に入ったら拡散をお願いします。 TOP > ガーデニング知識(上級編)x最終更新管理

コンパニオンプランツとは?

コンパニオンプランツ:コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、植えることで他の植物によい影響がある植物のこと。

例えばハーブを植えることで、ハーブから出る香りで虫が寄り付かなくなる。マリーゴールドを植えるとセンチュウ避けになる。トウガラシを植えると虫除けになる。といったものが一般的。他に野菜の風味をよくするコンパニオンプランツの組み合わせもあります。これらは絶対的に効果があるというよりは、効果が多少期待できるくらいだと考えてください。基本的に病害虫に対する対処は薬剤です。

以下の記述の混植とは植物同士を20cm〜30cmくらいの距離で植えると効果があること。輪作とはコンパニオンプランツを植えた後に、作物を植えると効果があること。間作とは条を隣り合わせて植えると効果があるものを指しています。
スポンサーリンク

バジル

バジル(Ocimum basilicum)
バジルには害虫(コナジラミアブラムシ)を避け、トマトの風味をよくする効果がある。ただしバジルは肥料喰いで同じ土地に植えると逆に目的の作物の栄養(肥料)を取ってしまうことがあるので、注意する。その場合はバジルを同じ場所に植えるのではなく、目的の作物をプランター植えして、バジルはその横で別の鉢で栽培するのがよいです。育て方はバジルスイートバジルを参考に。
バジルxトマト・ピーマン(混植)
お互いの成長促進、風味をよくし、害虫(アブラムシ・ハダニ・コナジラミ)を防ぐ。この組み合わせはカプレーゼの組み合わせなのでコンパニオンプランツとは関係なしに植えたいくらい。トマトに使う農薬がバジルに適用外ってことがあるので、農薬をチェックしましょう。

バジルx茄子(混植)
お互いの成長促進、害虫を防ぐ。ナスの葉を食べるニジュウヤホシテントウテントウムシダマシ)がつきづらくなる。

バジルxラディッシュ・カブ(混植)
ラディッシュはアブラナ科で青虫やその他の病害虫が発生しやすい。そこで近くに植えることでバジルが虫除けになってラディッシュにつきづらくなります。

ネギ・タマネギ

ネギ・タマネギなど
ネギ類は現在はヒガンバナ科に属し、まぁまぁの毒をもっています(人間には効かないが)。なので中小動物には危険で、犬猫に食べさせてはいけないのは有名な話。葉っぱから出る香りと根からでる成分で、かなりの害虫(ハダニ・アブラムシ・コナジラミ・タネバエ・タマネギバエなど)・病気を忌避するので、コンパニオンプランツとしては優秀とされる。何を植えたらいいかわからない場合はネギ・タマネギを植えるといいです。

ネギ類は横に伸びず、予定以上に広がることがないので非常に便利なのも良いところ。ただ土中の害虫に効果があるようにするためには、ネギ類と目的の植物の根が近いように…もしくは根が絡むように植える必要がある。
ネギxニンジン(混植)ニンジンの根を食べるタネバエ・タマネギバエを遠ざける。
ネギ・ニラ・ニンニクウリ科メロンキュウリカボチャなど)イエイオンチャイブ・アリアムギガンチウム(アリアムと名の付くもの全般)・リューココリーネ(レウココリネ)・タマネギ・アサツキなどのネギの仲間はウリ科植物はお互いの害虫を遠ざける。特にウリ科の植物によく発生するウリハムシがネギの香りを忌避するとされる。また、ウリ科の立ち枯れ病やつる割れ病を防ぎます。

ネギxトマト(混植)お互いの病気・害虫を遠ざけるとされる。普通に一般家庭の食材としてよく使うものなのでコンパニオンとか関係なしに一緒に植えるといいと思いますね。

●ネギ類がマメ科植物の根粒菌を抑えるため、マメ科植物の生育が悪くなる。
キャベツ・白菜・レタスなどはネギ類の近くに植えると結球が鈍くなります。

マメ科

マメ科
マメ科は根に根粒菌を飼い、空気中の窒素を土中に取り込んで土を豊かにします。またトマトに発生するコナジラミはトマトよりもマメ科に優先してつくためトマトのコナジラミを減らす効果もあります。インゲンマメは中でも強くて他の植物の虫除けにもなります。

逆に窒素が多いとウリ科植物は病害虫が増えますし、バラウドンコ病が発生しやすくなるなど別の問題が発生することもある。ネギ類が近くにあるとこの根粒菌の活動が鈍くなり、マメ科の生育が悪くなるので近くに植えないようにしましょう。
インゲンマメxナス・ピーマン(混植)…お互いに生育をよくする。
エダマメサツマイモ・ニンジン(混植)…エダマメが生育をよくする。
エダマメxトウモロコシ(間作)…害虫を防ぎ生育がよくなる。
ソラマメxキャベツ(混植)…アブラムシを防ぎ、生育がよくなる

エンドウマメの後のホウレンソウは病気が出やすい。
●エンドウマメが次に植えた小麦の根を生育を阻害する。

ラッカセイ

ラッカセイ(Arachis hypogaea=ピーナッツ
空気中の窒素を取り込むため、他の植物の生育をよくするマメ科の性質があり、そもそもラッカセイの病害虫が少なく、収穫が多いので、コンパニオンプランツとして人気。ただ、植え付けから収穫まで時間がかかることと、アレルギー持ちが多いので注意。
ラッカセイホウレンソウ(輪作)…ラッカセイを植えた後にホウレンソウを植えると生育がよくなる。
ラッカセイxトマト茄子ピーマンなど(混植)…お互いの生育をよくする。落花生はカルシウムを欲しがり、トマトはカルシウムが不足すると尻腐れするので苦土石灰を追肥した方がいいです。

クローバー

クローバー(Trifolium repens・白詰草)はだけでなくマメ科の植物は空気中の窒素を土中に取り込みます。窒素(N)は肥料の要素の一つです。またクローバーはミミズを寄せて、土をほぐし、他の植物が根が張りやすくします。

ただ、ミミズが来るとミミズを食べにモグラが来ることがありますので注意します。

ソルゴー(ソルガム)

ソルゴーソルガム)はイネ科一年草。1m〜3mの大きな植物で、アブラムシを寄せ付ける。このアブラムシはナスは目当てにしておらず、ソルゴーについたアブラムシを食べにテントウムシなどの天敵がやってきて、その天敵がナスのアブラムシを食べるので、ナスの被害が減ります。また、土中のセンチュウのうちサツマイモネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウに効果があります。

また、枯れた後は漉き込んで緑肥にもなります。
風除けにも使われますが、大きすぎて目的の作物の日光を奪うことがあるので植える位置には気をつけます。矮性品種もあるのでそれを種まきするといいです。
ソルゴーx茄子代表的な組み合わせ。ナスのアブラムシ対策になります。

ソルゴーxニンジンソルゴーが根腐れセンチュウを忌避する。

ジャーマンカモミール

カモミールにはジャーマンカモミールローマンカモミールがありますが、一般的に単にカモミールと表記したら「ジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)」のこと。

カモミールには気持ち悪いくらいにアブラムシがびっしりとつき、このアブラムシを目当てにヒラタアブ・テントウムシがやってきて、他の植物についたアブラムシまで食べてくれます。秋に種まきをして春に開花して夏までに枯れる一年草。アブラムシに困ったら植えましょう。
カモミールxタマネギ生育を促進しする効果もある。

ナスタチューム

ナスタチューム(Tropaeolum majus)はセンチュウ・コナジラミ・アブラムシ・アリを避ける効果があるとされる。草丈が低く、他の植物の邪魔をしないため、扱いやすい。しかし、どの程度の効果があるかはよくわからない。エディブルフラワーとして食べられることもある。辛子のような味がしてサラダに入れて食べる。
ナスタチウムxキュウリセンチュウなどに効果がある。

マリーゴールド

マリーゴールド(Tagetes)は根にセンチュウを忌避する効果があるが、詳しいことはよく分かっていない。センチュウ全般を忌避するのではなくネコブセンチュウだけとも。また香りがあり、アブラムシやコナジラミを避ける効果がある。

アフリカンマリーゴールドが特にセンチュウに効く。単純な忌避成分はフレンチマリーゴールドの方が多いが、アフリカンマリーゴールドの方が大きく育ち、根を張るため、結果効果がある(成分は根から出る)。マリーゴールドは植えられてもある程度の効果があるが、開花後に土にすき込むとより効果があります。
マリーゴールドxトマト・ジャガイモ・マメ科・キュウリセンチュウなど害虫除けの効果がある。

●アフリカンがサツマイモネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ、キタネグサレセンチュウに効果がある。
●フレンチがサツマイモネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ、キタネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウに効果がある。
メキシカンマリーゴールドがサツマイモネコブセンチュウ、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウに効果があることがわかっている。

生姜

生姜は根には殺菌効果があり、病害虫を避けます。
生姜x里芋どちらも横に根が伸びず、乾燥が苦手な生姜を里芋が日陰を作ってくれる。
生姜x茄子根の深い茄子と根の浅い生姜。ナスの日陰に生姜があるようにする。必要とする肥料が競合せず、組み合わせがよい。

逆コンパニオンプランツ

ジャガイモ

ジャガイモ(Solanum tuberosum L)ははナス科の中でもアレロパシーが強すぎるのか、他の植物の生育を悪くします。キャベツなどのアブラナ科の生育を悪くします。同じナス科のトマトやピーマンなども生育を悪くします。ジャガイモを植えたあとは雑草が生えにくいとも。また、ニジュウヤホシテントウを呼び寄せ、病気をばら撒く性質もあり、ジャガイモと一緒に植えてもいいのはネギとインゲンマメくらい。それもネギとインゲンマメは組み合わせが悪いので、どちらか一つににしないといけません。
ジャガイモxキャベツ…キャベツが結球しづらくなる
ジャガイモxトマト・ピーマンなどナス科…生育が悪くなる
ジャガイモxアブラナ科…生育が悪くなる
ジャガイモx生姜とにかくダメ。

●ジャガイモの後のエンドウマメはだめ。

ローズマリー・ラベンダー

ローズマリーには蚊避け効果があります。ローズマリーの枝でバーベキューをするとその香りで虫が寄ってこない?らしいです。ただし、アレロパシーが強く、他の植物の生育が阻害するため、作物の近くに植えないようにします。

ラベンダーも同様に他の植物の生育を悪くさせるので作物の近くには植えない方がいいです。

その他の組み合わせ

キュウリxパセリシソ…お互いの成長促進、害虫を防ぐ。
ピーマンxパセリかシソ…風味をよくする。
ボリシミツバチを呼び、受粉させる。
セロリxトマト・白菜・キャベツ…セロリの香りで虫が来なくなる。
インゲンマメxトウモロコシ・ジャガイモ…インゲンマメが虫除けになる
ゴボウxホウレンソウ…お互いに生産量が上がる
ラディッシュxウリ科…ウリ科のカブ元に植えるとウリハムシがよらなくなる。
レタスxニンジン…お互いの生育がよくなる
…全ての野菜と相性がいい
アスパラガス…センチュウ予防。
ヒガンバナ…ネズミ、モグラを忌避する。
●ホウレンソウを植えた後のキュウリは調子が悪い。
●ホウレンソウを植えた後のトマトは暴れやすい。

コンパニオンプランツのその他の例

コモンセージコモンタイム
アブラナ科の植物に、蝶類がタマゴを植えつけるのを防ぐ効果があります。
チェリーセージ
アブラムシが付きにくくなる。チェリーセージは頑健で育てやすく、宿根草なので非常に便利。コンパニオンプランツの筆頭です。
ミント
アブラムシや毛虫を遠ざける。コンパニオンプランツとして優秀ですが、繁殖力が強くて他の植物を駆逐するかもしれませんので、注意してください。
チャービル
ナメクジはチャービルを好んで食べるために、チャービルを近くに植えると作物のナメクジによる食害が減ります。チャービルに集めて誘引剤で駆除しましょう。
ローズゼラニウムセインテッドゼラニウムカトリソウ
虫除けのコンパニオンプランツというよりも、蚊避けです。これらを植えて大きく育つと夏のガーデニングが楽になります。
リュウノヒゲ玉竜など
リュウノヒゲをウメなどのように根の乾燥に弱い樹木の根本に植えておくと乾燥を防いでくれます。これはリュウノヒゲというよりはグランドカバーに適した植物全般かもしれません。リュウノヒゲは特に常緑で雑草を防ぎ、手間もかからないというメリットが大きいです。

アレロパシー?

アレロパシーとは植物が根から他の植物の生育を阻害する成分を出すこと。ヨモギセイタカアワダチソウホテイアオイ・ヒガンバナ・トルコキキョウ(ユーストマ)がよく知られています。

このサイトで色々と見ていると連作障害という言葉をよく見かけると思います。実はこの連作障害というのが原因がよく分かっていないのです。アレロパシーはこの連作障害の一因ではないかと言われています(これだけでは説明は付かない)。

アレロパシーを利用したコンパニオンプランツの例としてヨモギを植えて雑草を減らすという方法がありますが、ヨモギはヨモギアレルギーの症状を起こしますので、あまり利用されません。

最後に

コンパニオンプランツで無農薬!ってのはちょっと無理があるので、多少試してみるというのが正しいです。効果があるとしても家庭菜園の規模で「体感できるレベル」ってのは限られています(ネギ、マメ科、逆コンパニオンのジャガイモくらいかな)。病害虫の予防・駆除はあくまで薬剤が基本。

今回挙げた組み合わせや植物は一部で他にもあると思います。ご存知の方は修正投稿から投稿をお願いします。

それではまた!
スポンサーリンク
記事が気に入ったら拡散をお願いします。
ブログやBBSで紹介していただけるならコチラ


スポンサーリンク